母さんに頼まれたんだが?
ドロンピネを食べきってから30分くらいたって戻ってきた。ちょくちょく叫び声が聞こえてきて怖かった。
兄さんはしゅんとした顔をして、母さんはまだちょっと怒ってるように見える。兄さんのしゅんとした顔は面白い。いつもあんなに粋がってるのに、あんなにしゅんとなるのは面白い。
「ただいま、ヤナト。あらもう食べきったのね。ドロンピネはどうだった?」
「え、うん、美味しかったよ。やっぱドロンピネは単体で食べるに限るね。で、そっちも大変そうだね。」
「ほんと、大変よ。ヤナトを見習ってほしいわ。幼稚園生と小学4年でこの差よ。レアン、あなたは落ち着きがないわ。」
下を向いてた兄さんが起きた。よっぽどの拷問?を受けて顔みられたくないんだろうな。異能で抵抗すればいいのに。母さんの異能が強いんかな?
「落ち着きがないって言うの何回目だ。そろそろ耳にたこができそうだ。てか落ち着きがなくても別によくね?対して損ないぞ。」
「あのね〜、落ち着きがなかったら人の迷惑になるの、私達は家族だから迷惑とかは思ってないからいいけどそれ学校でやったら嫌われるわよ」
「大丈夫だ。前も言った通り俺にはアカツキがいる。あいつぐらいだ、俺のこと制御できるのはな。てか学校で嫌われてねぇし、ムードメーカーだし。」
「ムードメーカーって言葉は自分で言う言葉じゃないだろ。まぁ、確かに兄さんならムードメーカーって言うのも当たり前か。カリスマだし。」
「ヤナト、わかってるじゃないか!流石俺の弟!」
弟関係あるか?まぁ、さっきも言った通り兄さんはカリスマの塊だしな。引っ張れる力があるしみんながついていくだろう。
「ヤナト、レアンを甘やかさないの。で、話ずれたけどもう二度と昼休み中も昼休み以外も学校から抜け出さないように!」
「くぅーー、俺の毎日の楽しみが!!昼休みに散歩して魔物と戦うのがめちゃくちゃ楽しいのに!!!俺の楽しみ奪うのか、何回拷問したって俺は散歩するぞ」
「レアン、先生に言って昼休み中拘束器具で拘束してもらうわよ。それが嫌だったらやめるかどっちかよ。」
学校になんつう物騒なもの置いてんだよ。拘束器具って誰ようだよ、兄さんみたいなやつを捕まえとくんかな?
「兄さん、諦めろ。どっちも取らない選択肢はないぞ。」
「ヤナトは俺の味方だろ!!敵のほうに行くな!」
「俺は中立だ。今は母さんの言ってるほうが正しいから母さんの味方をしてるだけだよ。敵じゃなくて母さんだ。」
「ちっ、俺に助けられたくせに。えっと、リッパーってやつと。俺がいなかったら今頃ぺらっぺらになってアリの餌になってたぞ。」
「それは……ありがとうだけど学校を抜け出すのは間違うじゃん!」
てかぺらっぺらになってアリの餌ってなんだよ。ぺらっぺらっていうか死ぬだろ。でも兄さんに助けられたのも事実だし、それのおかげって考えたら地味に何も言えない。
「レアン、ヤナトの言う通りよ。でもヤナトもリッパーちゃんに夢中になってはぐれたらだめよ。」
「だから好きじゃないって!!!と・も・だ・ち!!!!」
「あれ?私"すき"とは一言も言ってないけど〜〜??もしかして・・・?」
やばい墓穴掘った。感よすぎない?俺がわかりやすいだけか??
「それで、好きなの?リッパーちゃんのこと。」
「だーかーらー、好きじゃないって!友達だって」
「正直になっていいのよ。あんな可愛い子他にいないし。」
確かにリッパーほど可愛い子はいないけど。
「だからさ、好きじゃないんだって!小学生?茶化すのどんだけ好きなんだよ」
「ヤナト、正直になりやがれ。"好き"なんだろ?」
まじで小学生かよ、こいつら!!どんだけ人をちゃかすのすきなんだよ!見た目や異能は大人だけど中身小学生以下だろ。
「だからほんとに違うって。まじで普通の初めての友達。」
「初めての友達は結構大切よ?ね、レアン?あなたの一番の理解者が初めてのレアンの友達のアカツキ君だもんね。」
「まぁ、そうだな。初めての友達って特別に思えるぞ。自分とずっと友達っていう安心感が半端ないからな。」
「はいはい、大切にしますよー。」
「じゃあ今のうちに告白の方法教えてやろうか?まずはな放課後の教室に"2人だけ"残って普通に話せ。それでな未来の話しろ。それでいい感じになってから窓から夕日を2人で見ながら"なぁ、リッパー。好きだ、付き合ってください"だ。これで絶対にOKもらえるぞ。知らんけどな。」
「やめろーーーー!!!!!!なんだその昔の漫画にありそうなシュチエーションの告白わ!それに知らんのに言うな。」
母さんの方みたら横見てくすくす笑ってたわ。それにちょっと離れて見ているメイドさん達も笑っていずもさんはにこって優しい顔で笑ってた。
しかもこの会話で屋敷全体に俺がリッパーのこと好きかもってこと広まったんじゃん。まぁメイドさん達にからかわれることはないと思うけど。噂話はされそうだな。
「母さんやめとけ、それ以上したらヤナト母さんの話聞いてくれなくなるぞ。」
「さっきまで自分もからかってたくせに何言ってんだ!」
「まぁ、一つ言っておくと早めに言っとけよ。離れないうちに。いつか離れるかもしれないしな。」
「はいはい、余計なお節介。で話ってなんなの?」
俺は母さんから話があるって聞いたから起きてきたんだ。ここで最悪な長話しすぎたな。
「そうね、本題へ入ろっか。でヤナト、えーっ、ルートイチの本部に行ってくれない?」
「え、それだけ?全然行っていいけど、なんでいきなり?前兄さんが行くとか言ってなかったっけ」
「レアンは行かなくてよくなったの。ていうかレアンが抵抗するし。」
「どんだけ行くの嫌なんだよ、兄さん。行くだけだろ?」
「前も盗み聞きしてたろ。俺は教育されるんだ。ルートイチ次世代首領として。それは抵抗は別にないけどな父さんに会うことと俺の未来を勝手に決められてるのが腹立つんだよ」
「え、俺も教育されるの?次世代首領として??俺次男だよ?」
「ううん。ヤナトは別のことをしてほしいの。」
「別のこと?何をすればいいの?掃除?資料整理?営業?売り込み?」
「よくそんな言葉も知ってるわね。けど全然違うわ。」
やべ、普通に喋るのは多分怪しまれないようになってきたけど流石に怪しまれる。前世のサラリーマンが出てきたか。
「どうせ、"父さんと喋ってきて〜〜"とかだろ。しょうもない、俺は部屋行くから」
言いながら兄さんは部屋を出て自室へ言った。どんだけ父さんのこと嫌いなんだよ。仲良くしてよ。
「はぁ、はいはい。で、レアンの言う通り父さんに会ってきて喋ってほしいの。」
「え、それだけ?会って喋るだけ?なんでそんなにためてたの」
「父さんは今……"壊れている"の。ヤナトは1回しかあったことないし会って成長したところ見て喋ったらちょっとでもよくなるかなって……。いい?」
「もちろんOKだけど、そんなことしてほんとによくなるの?」
「治療方法は見つかってないし治ったりよくなったっていう事例はないけどもしかしたらって思ったの。」
「分かった、父さん会って喋る。普通に喋ったらいいんだよね?」
「うん、普通に話して。私も同行するし多分……怖くないし拒否されないと思う。私がいるから、雰囲気がどれだけ怖くてもヤナトとレアンのお父さんだから。」
「拒否されることとかあんの?」
流石に実の次男と妻の面会は時間取るだろ。どんだけ忙しくて壊れてても。
「されるかもしれないしされないかもしれない。サルキには連絡したんだけど未読無視だったし。急に来てびっくりして嬉しがるかもね。」
「わ、分かった。じゃあ普通に会って喋って最終目的は壊れてるのを治せばいいんだね?」
「うん。よろしくね。ほんとに普通でいいからね、変に気張ったりしなくていいからね。」
「気張らないし普通にする。父さんを絶対に治す。」
「よし、ありがとう。じゃあ明日だから心の準備しておいてね。」
「え、明日?」
「うん、明日。」
「明日って日曜?」
「そう、日曜日」
「心の準備が…………。」
「まぁ、今日は普通に過ごして、明日も普通に今日のように過ごせば良いから。」
「一様聞くけど、絶対ないと思うけど殺されることってないよね…?」
「ないと信じましょう。あそこではなにがあるか分からないから一応ね。」
「すぅぅぅ、終わった。」
そして俺は心の準備を整えながら今日を過ごした。明日第二の人生が終了しませんように!!!!!!そこんとこ神様よろしくお願いします!!!!




