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転移したら賢者、転生して魔王の息子になりました。  作者: 雪国竜
第1章

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クラスメート達の密会

 王宮のとある一室。

 そこには五人の男女が集まっていた。

「……ここに来るまで、誰にも見つからなかった?」

「わたしは大丈夫」

「わたしも」

「問題なし」

 女性陣が次々に答えるのを聞き、最初に口を開いた女性が男性へ視線を向ける。

「俺の方も問題ない」

「では、これより第666回定例会議を始める」

「「「我らが宿願を果たすために」」」

「……なぁ、いつまでこのノリ続けるんだ?」

「裏切り者が出たっ!」

「裏切り者には死を‼」

「なんでだよ」

 俺――西園寺は呆れながらツッコむ。

 今日、雪奈に「話したいことがあるから来て」と呼ばれて来てみれば、

 張、村松、真田の三人が揃っていた。

(何だこの、ナメクジと蛇とカエルを同じ箱に入れたような組み合わせは……)

 雪奈まで加われば、ヨーロッパの火薬庫どころか、世界大戦の引き金になりかねないぞ。

(……何か起こったら速攻で逃げるか)

 君子危うきに近寄らず。

 いや、この場合は三十六計逃げるに如かずだな。

 そう思っていたら、勝手に会議が始まった。

「さて、冗談は置いておいて。第一回円卓会議を行います」

 真田が宣言すると、張と村松がどこからか鳴り物を取り出し、パフー、ドンドンと音を鳴らし始める。

 雪奈も恥ずかしがりながらラッパを吹く。

「~~~~……これ、結構恥ずかしいね」

 なら、するな。

「司会はこの方、西園寺颯真君が務めます」

「俺⁉」

「そうだ。でなければ呼ばない」

「うん、ピッタリだし」

「お、お前ら……」

「わたしもそのつもりで連れてきたし」

 幼なじみまで俺を司会にするために呼んだらしい。

 一度こいつに俺の評価を聞いてみたい。

(昔は大人しくて良い子だったんだがな……)

 黒板にはいつの間にか議題が書かれていた。

 本日の議題『如何にしてノッ君をわたしに振り向かせるか』

 見た瞬間、帰りたくなった。

「マイ、この議題は流石に問題あるだろ」

「そう?」

「ああ、そうだ。他の二人もそう思うだろ?」

「ええ、その通りね」

「流石にそれは、ちょっと」

 ふむ。さすがにふざけすぎているらしい。

「こんな議題より、わたしの『ノブ、お前は天駆ける龍となるのだ。燃えよ、野望の章』の方がましだ」

 ゲームのタイトルか?

「二人共全然ね。そんなのより、わたしの『猪田君の猪田君による猪田君の為の世界征服事業』の方が良いと思うわ」

 お前は猪田に世界征服させる気か。

「何そのゲームみたいな議題。却下だね」

「それを言ったら椎名のは議題じゃなくて目的だろ。ノブは絶対しないぞ」

「真田さんのは子供みたいだね。まぁ真田さんらしいけど。ふっ」

 三者三様の反応を見せ、睨み合いが始まる。

 もう俺いらないだろ。

 溜め息を吐いていたら、村松が元気よく手を挙げた。

「ハイハイ~、あたしの議題にしない? 名付けて『イノッチ、ラブラブハーレム大作戦』」

 うーん。どれもどっこいどっこいだな。

「「「それ、いいね(な)」」」

 俺には何が良いのか分からん。

「でも、そんな提案したんだから、一番は自分だと思ってるの?」

 真田が直球で訊く。

 村松はあっけらかんと答えた。

「全然。あたしは一番じゃなくてもいいよ。できれば一桁台がいいな~」

 三人は笑顔で頷く。

「そうかそうか。じゃあ、わたしが一番になったら、セナ。お前は二号さんにしてやろう」

「村松さんは分を知ってるね。わたしが猪田君の奥さんになったら、愛人にしてあげるね」

「流石だねセナッチ。あたしがノッ君の正室になったら、側室にしてあげるね」

 また三者三様の反応。

 お前ら、会議する気ないだろ。

 そして、睨みあう三人。

「「「ちょっと、お話しようか‼」」」 

 真田、張、雪奈が立ち上がる。

 三人は部屋を出て行った。

 残ったのは俺と村松だけになった。

「……お前は行かなくていいのか?」

「うん。行くけど、最後まで待った方が楽そうだし」

 こいつ、漁夫の利を狙っているな。

 思っている以上に策士だな。

「ところで、サイオン君。元の世界で可愛い彼女がいるよね」

「何で、知ってる?」

 その事を知っているのは、猪田と雪奈だけだぞ。

「ししし、壁に耳あり、障子にメアリーだよ」

 要するに、見られたという事か。

 っち、こうやって揶揄われるのが嫌で、誰にも話さなかったというのに。

 俺は溜め息を吐き、村松を見る。

「何が目的だ?」

「今まで恋愛をした事がないから、恋愛について教えてほしいな~」

 言わないと、誰かに話されそうだな。

 そう思い、俺は彼女とのデートについて話す事にした。

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