↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移したら賢者、転生して魔王の息子になりました。  作者: 雪国竜
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
67/146

第56話 食後にて

 エリザさんが作ってくれたご飯を食べ終えると、僕達は食後の茶を嗜んでいた。

「イノータ殿。先ほどの軍議の件はどう思います?」

「そうですね……」

 僕は軍議の事を思い返していた。


 リュミエル城に着いた僕達は、休む間もなく軍議を行なった。

 軍議を行なう会議室に行くと、この城の城代とカドモスさん以外の部隊長、そして僕達以外のクラスメート達は既に座っていた。

 室内は緊張した空気が満ちていたが、マイちゃんは僕を見ると、小さく手を振る。

 エリザさんが来たのを見て、クラスメート以外の皆は立ち上がり、頭を深々と下げる。

 それを見ても、エリザさんは何も言わず、自分が座る上座の席に行く。

 座ってから「皆、ご苦労」と言う。

 そう言われて、立っていた人達は席に座る。カドモスさんはエリザさんの近くに座る。

『僕達も座ろうか』

『どこに座る?』

『クラスの皆と一緒で良いと思うわ』

『そうしようか』

 僕達はクラスの皆が座っている所に座る事にした。

『さて、皆座ったわね。これより軍議を行なう』

『まずは、リュミエル城の城主の話から聞きましょう』

 カドモスさんがそう言うと、この城の城代の人が席を立つ。

 歳は三十代ぐらいで、見た目が凡庸な人だ。

『はい、まずは地図をご覧ください』

 会議室のテーブルの中央に置かれた地図に、皆目を向ける。

 この地図には城近辺の地形が細かく書かれていた。

『事前に出した偵察部隊の者が言うには、敵は数日後に城からかなり離れた所にある平原に着くと報告を受けています』

 地図の城から少し離れた所に、敵を模した駒が置かれた。

 距離で言うと、数十キロぐらいかな?

『敵の編成は分かったのか?』

『はい。獣人族の編成は、人馬族の兵が二万です。残り一万は戦闘に向かない猫人族なので、こちらは兵糧を運ぶ補給部隊と思われます』

『実質、敵は人馬族ね』

『人馬族か。少々やっかいですな』

『ああ、奴らの機動力は侮れない』

『それは奴らの下半身は馬だから仕方がない』

『駆けながら弓を射られたら、我が軍の被害は馬鹿にできないぞ』

『ここは奴らの武器の一つである機動力を活かせない、籠城戦を行うべきでは?』

『うむ、我が軍は魔法使いが多いので、城に守られながら戦った方が我らに分があるな』

 部隊長達が自分達の意見を言い終えた後、エリザさんを見た。

『師団長、いかがでしょう』

 皆、エリザさんを見る。

 ここは師団長のエリザさんの意見を聞いて決めるようだ。

 僕はエリザさんを見ながら、何を言うのかちょっと興味が湧いた。

(師団長の仕事をしている時を見た事がないから、この場で何て言うかで師団長の力量が分かる筈)

 何て言うのだろうと思っていたら――

『……我が軍は五万。籠城すれば、こちらの兵糧が先に尽きるでしょう。ならば、ここは野戦で破るのが良いでしょう。今回の戦には新兵器を大量に持ってきました』

『新兵器ですか? 試験運用は終わっているのでしょうか?』

 この城の城主が不安そうに聞いてきた。

 新兵器と聞いて、どんな物なのか気になっているようだ。

『試験運用は終わっております。量産化されて、その試作品を試すのです』

『安全性は保障されているのですか?』

『それも保障されております。だから実戦導入されるのです』

『そうですか。それでその兵器はどのような運用をするのですか?』

『それは――』

 エリザさんが兵器について説明を行った。

『……そのような兵器をいつの間に開発したのですか⁉』

『ついこの間です』

『信じられん。侯爵様はどこからその様な物を作る知識を手に入れたのだ』

 城主の疑問に、エリザさんはすぐに答えず僕をちらりと見た。

『それは、このイノータ殿のおかげです』

 エリザさんが僕を指差したので、皆、僕に目を向ける。

『この者がですか?』

『そうです。イノータ殿がアイディアを出したから、お父様がこの兵器を開発したのです』

『す、凄いですな』

『流石は異世界から来られた者だ。素晴らしい知識をお持ちだ』

 いや、そんなに褒められる程の事では。

 そう思っていたら、エリザさんが手を叩く。

『敵は人馬族、その数二万。我が軍の半分に満たない戦力とはいえ、侮ればどんなしっぺ返しを喰らうか分かりません。皆、戦が始まるまで準備は怠らないように』

『承知しました‼』

『では、解散』


 そして、軍議は終わりとなった。

 改めて思い返すと、エリザさんって師団長なんだなと思った。

「新兵器について、話すのは控えた方がよかったでしょうか?」

「いえ、どんな兵器なのか教えた方が安心すると思います」

「……そうですね」

 エリザさんはそう言って、カップに口を付けて喉に流し込んでいた。


 猪田とエリザが晩御飯を食べている頃。

 リュミエル城にある食堂で、マイちゃん達がクラスメート達と揉めて、それに巻き込まれて多くの人達が三日ほど寝込む程の重傷を負ったそうだ。

 何をやってるんだ? これから戦争が始まるというのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。