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そんな私を家族は慰めたり、温かい目で見守ったりしてくれた。
泣いて、疲れたら寝て、起きたらまた泣きじゃくる。そんなことを三日ほど繰り返した。
ある朝、お母さんが部屋を覗くと、私は青白い顔で意識を失って倒れていたらしく、すぐに救急車で病院に運ばれた。飲み食いをしなかった故の脱水症状だった。
一日点滴を注入され、意識を取り戻した私はメイのことを忘れていた。
ストレスに耐えかねた脳が、心が焼き切れる前にとった防衛反応だったのだろうか、メイの死も、メイという親友がいたことすらも全て、綺麗さっぱり忘れてしまっていた。
親友を殺しておいて、自分の身だけはしっかりと守る。なんて自己中心的な行動だろう。
けれど、それを責め立てる人は誰も居なかった。だって、私がメイを殺したなんて証拠はどこにもない。端から見れば親友を不幸な事故で亡くした女の子。責める大人なんて居るはずもなく、一部のクラスメイトは疑いの目を向けつつも表立って騒ぐことはせず、私は曖昧に許された。
何の償いもせず、罰も受けず。
ただ、メイだけを置いてけぼりに時間だけが過ぎていった。
それからの私は人格が変わったように大人しくなった。だからといって、傲慢だった頃の私を知る人間は、一時の気の迷いだ、またいつ元の獣に戻るか分かったものじゃない、と警戒して寄り付くはずもなく。
メイという唯一の心の拠り所を失った私は孤独になった。メイと一緒に過ごしていた時間を持て余した私は、偏差値の高い県外の、少しでも遠い高校に進学するために、ただただ勉強に費やした。
嫌な子どもだった頃の自分を知る人間が居ない土地に移り住むために。
違う。
私は、記憶は失くしていたけれど、心の一番深いところに刻み込まれた、親友を殺してしまった罪悪感から逃げたかっただけなんだ。
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