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楽しい時間をすごしていました




「ご主人様?ミミックは可愛いですか?」



昼食を終えて、早速宝物庫にやってきた私たち。

金銀財宝の山が積んである、なんてことはなく大小様々な宝箱や宝石箱、透明な魔石で出来たケースの中に、貴重品と思われる物がしまってあり部屋の中はきちんと整頓されていた。


そして、まずは安全な宝箱からと手近なものをキース様が開けてくださり中に入った白金金貨の山に一瞬意識が飛ぶなどした。


いや、金貨すら村娘というか一般人では一生触らないんだよ???

白金金貨なんてあったら小さい国の一年分の予算くらいあるんじゃないかな。知らないけど。とにかく、一生働かなくていいくらいのお金ってことは間違いない……。



で、次は待望のミミック先輩。


見た目は他の宝箱と全く変わらず、アリス曰く魔力の漏れ?とかもないらしい?この子は優秀なミミックなんだって。


で、キース様が装飾の一部を叩き声をかけると宝箱が勝手に開きそこからなんかニョロニョロした紫色の手?根っこ?みたいな物が出てきた。


アリスはあまり得意ではない様で、私の手を引いて5歩くらい下がって警戒している。

で、ミミック先輩が可愛いか?だったね。



「ミミック先輩は……可愛いというよりは逞しそう?かなぁ」


「そう、ですか……?ご主人様はコレを飼いたいのですか?」


「え?んー……私は宝箱なんてもってないからねぇ」



そもそもミミック先輩って今どういう感じなんだろうか?ニョロニョロしてるだけで話しかけてきたりはしないみたいだ。



「こちらは麻痺毒特性のあるミミックですね。ミミックは宝箱の形の殻と、特性ごとに色分かれした触手で構成されておりまして、目や口といった部位はありません。ですが、獲物を的確に掴んで宝箱の口へ引き摺り込み丸呑みしてしまう様子から、触手には音を検知したり物を見たりする機能があるのではと言われておりますね」


キース様は博識だなぁ。

ミミックの特徴についてそこまで詳しく魔物図鑑には載ってなかった気がする。いや、読み飛ばしただけかも。



「ではこちらの、ミミック先輩には私達の声が聞こえてて見えているのですか?」


「かもしれません。ミミックから魔人にまで至るものは中々珍しく、現在はおりません。過去の記録ですと、人型になる際、はっきりとした感覚器官をはじめて認識するらしく、宝箱の時にどうやって感知を行っていたのか当人も分からなかったのだとか。触手系魔物の一種で、宝箱内は空間魔法の性質がある、ということはわかっていますよ」



ミミックからも魔人になった方がいたんだ。ここからどうやって人型になるのか分からないけど、これぞ生き物の神秘。


空間魔法についても簡単に教えてもらったところによると、


宝箱の中身は箱の外見より多くのものや大きな物が入れられる。これは向こうの大陸に残されている宝箱も共通の特徴で、とくにダンジョンからドロップする宝箱がこういう特徴を持ちやすいって当時本で読んだ。


なぜ外観よりも大きな物が入るのかというと、魔法の属性の1つである空間に作用する?ものらしくて、そもそもダンジョンの宝箱はミミックの抜け殻が残されて転用されているということらしい。


ミミックは成長すると、自身の殻をより豪華な宝箱にしてみたり、より親しみやすさを感じるものにしてみたりと、獲物が開けたくなる形に変化させていく。

その際、前のものがいらなくなったら脱ぎ捨ててしまうというわけだ。



「ミミック先輩がすごい魔法使いだった……」


「ご主人様!私もできますよ!空間魔法!!」


「アリスも?すごいね!」



アリスの使う空間魔法は、鐘の中の自分の領域がそうなのと、瞬間移動もそういう類のやつらしい。よくわからん。

とりあえずよしよししておこう。可愛いし。


「ミミック先輩は触ったら痺れますか?」


「え?そうですね……触るなら宝箱の部分のが良いでしょうね。万が一麻痺状態になっても魔王様が心配するでしょうし」


きちんとした手順で起こした今のミミック先輩なら、近寄っても食べられないという事なので、近寄って宝箱の表面を撫でてみる。


ふむ、宝箱はじめて触った。

木の質感だ。


(…………)


「あ、モチモチする」


撫でてたら紫色の触手がにゅって一本伸びてきたので、握手かな?と思って握ったら上下に振られた。握手だった。


「ミミックって握手するのですね」


「ご、ご主人様?!ビリビリしたりしませんか???大丈夫ですか???」


「大丈夫だよアリス。なんかヨロシクナって言ってる気がする」


「「え」」




なんとなくね????







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