学生の戦争6
ウトさんと別れた後、フェザーを探すがすぐに見つかる。彼女はすぐに見つかった、本当にガラクタの山を捜索していたのだ。
「フェザー」
「ん」
ガラクタの山の中からフェザーが現れる。
「どうかしたのサイ」
「いやその」
ウトさんに言われ何となく会いたくなったために話すことなんかを考えていない、だからなにも話せない。その為かフェザーは頭を捻った後思い付いたかのように話始める。
「ここ本当に宝の山、あそこと違って色々落ちてる」
「ここはごみ山と違って必要ないものだから、どれも使える品ばっかりだろう」
「そうだね、けど持ち帰れないかな」
「持ち帰ったところで売れない、と言うかそれ以上の給料あるんだから必要なくないか」
「けど教材はない」
そう言って見せてくるのは軍用の品ではなく本当に民間の学校で使われるような教科書だ。名前の欄は黒く塗りつぶされている。
「それは」
「ここに落ちてた、私物ってかかれてある箱に入ってたけど持って帰っていいかな」
「私物なら悪くないか」
「そうだよね」
けど持ち帰る理由はわかる、スラムでは教育すら受けられない。義務教育はあるのだが生きていくのが必死で余裕はない、一応補助金等の制度はあるらしいのだがすべて戦争に持っていかれたし、そもそも子供だけではそういった制度を知るわけもない。だから。
「スラムで教育でも始めるのか」
「うん」
フェザーは将来の事を考えているようだった、だが俺は。俺は復讐の後の事は考えていない、何一つ考えていない。
「サイは」
「俺は………」
「どうせなにも考えてないんだよね」
見透かしてきたかのように話す。
「戦争終わったらなにか」
アラーム。
『任務内容を説明するっすよ早く格納庫に集まるっす』
「任務終わったら話すよ」
「わかった、けど」
「約束するから、ちゃんときいてね」
そう言ってはにかむ。
「サイはすぐ死んじゃいそうだから」
その一言がはかなげで、手を。
「通路の真ん中で邪魔なんだけど」
「「うわっ」」
「はいはいどうせ告白でもするんでしょうけどお仕事よ」
そう言って果てしなく微妙になってしまった空気の中格納庫に向かうこととなった。




