第9話:「なっ……! そんなの、冗談じゃないわよ!」
私の必死の懇願に対し、先ほどプールでの泳ぎを提案してきたあの男が、さらに嫌らしい笑みを深めて口を開いた。
「いいでしょう、いいでしょう。もう一回相手してあげますよ。ただし、今回も条件を追加します」
嫌な予感が背筋を凍らせる。
「……何をすればいいの?」
私が警戒しながら問うと、男は冷酷な宣告を言い放った。
「いや、何もしなくていいですよ。そのまま対局してもらいます。――ただし、もし次でアガれなかったら、その場で服を全部脱いでもらいましょう」
その言葉を聞いた瞬間、私は全身の血が凍るような感覚に襲われた。
この地下施設で、大勢の男たちが見ている前で、全裸になれって……? それは恥ずかしさとか以前に、一人の人間としての尊厳を完全に踏みにじられる公開処刑そのものだった。
「なっ……! そんなの、冗談じゃないわよ!」
「冗談に見えますか? 負けると分かっている試合でこの対局に臨むというなら、あなたは自ら進んで服を脱ぎたいと言っているようなものだ。何も強制はしていませんよ、くっくっく……」
周囲のギャラリーから、下劣な期待に満ちた歓声と笑い声が沸き起こる。
逃げ道は、完全に塞がれていた。
これ以上ないほどの泥沼に引きずり込まれ、私の精神は極限まで追い詰められていた。
だが、ここで折れたら本当にすべてが終わりだ。
あんなクズどもに屈辱を与えられたまま、一生の奴隷として人生を終わらせるわけにはいかない。
私は震える拳を強く握りしめ、冷え切った体で再び自動卓へと向き合った。
絶対に負けられない、文字通りすべてを賭けた最後の戦いが、今始まろうとしていた。




