第3話 初日の成果
五体目のスライムを倒したあとも、蒼太はそのまま探索を続けた。
ほどなくして、また一体見つける。
「……今なら、刃でもいけるか?」
剣を構え、そのまま斬る。
銀色の刃が半透明の身体を一気に通り抜け、スライムは淡い光へ変わっていった。
「おおっ、切れるじゃん!」
そこから先は速かった。
スライムを見つけては斬り、魔石を拾って奥へ進む。最初は一体倒すだけで座り込んでいたのに、今では次の相手を探して通路を走り回っても、すぐに息が上がることはなかった。
昼になったところで一度足を止め、持ってきた軽食を食べて水を飲んだ。少し休むと、また探索へ戻った。
午後もそのまま狩り続けた。
何度目かの戦闘を終えたところで、蒼太はステータスを開く。
青白い光が集まり、目の前に半透明のウィンドウが浮かび上がった。
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上山蒼太
Lv.18
HP 160
MP 77
筋力 45
耐久 43
敏捷 48
魔力 39
【スキル】
・超成長 Lv.1
・剣術 Lv.13
・走法 Lv.8
・持久力 Lv.7
・回避 Lv.4
・体術 Lv.3
・気配察知 Lv.2
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レベルは18。筋力は45、敏捷は48まで上がっている。最初は重かった剣も、今では何十体も続けて振れるくらい身体が変わっていた。
スキル欄も、最初は超成長一つだけだったのが七つに増えている。中でも剣術はレベル13、走法はレベル8、持久力はレベル7。スライムを探して走り回り、何度も剣を振ってきた一日が、そのまま数字に出ていた。
今日一日でスライムを何体倒したのか、もう数えていない。
途中でも何度かステータスは確認していた。レベル18になってからもかなりの数を倒しているが、そこから数字は変わっていなかった。
「……さすがに上がらなくなってきたな」
蒼太はスマホを取り出した。
時刻は午後5時を少し回っていた。
「……そろそろ帰るか」
ダンジョンでは、ボスを倒すと部屋に青白い光の円が現れ、そこへ入れば入口近くまで戻れる。
蒼太はボス部屋の位置を確かめるため、スマホでダンジョンのマップを開いた。奥にボス部屋が表示されている。
スマホをしまい、そちらへ向かった。
しばらく進むと、石造りの通路の先に大きな両開きの石扉が現れた。
「ここがボス部屋か……」
それまで見てきた場所にはなかった扉だ。
蒼太は扉へ手をかけ、そのまま押し開ける。
中は広い石造りの空間だった。
中央には、一体だけ大きなスライムがいる。形はそれまで倒してきたものと同じだが、高さは一メートルほどある。
「……でかいな」
蒼太が中へ入ると、大きなスライムが跳ねてきた。
そのまま踏み込み、剣を振る。
刃が半透明の巨体を深く斬り裂き、スライムは床へ崩れた。身体が淡く光り、細かな光の粒へ変わって消えていく。
「おお……一発!」
残った魔石は、いつものものより一回り以上大きかった。
蒼太はそれを拾い、パンパンになったリュックの隙間へ押し込んだ。
部屋の奥には、木の箱が置かれている。
「宝箱!」
すぐに近づき、蓋を開ける。
中には、小さな透明な瓶が一本入っていた。薄い赤色の液体が入った、探索動画でもよく見るポーションだった。
「ポーションだ!」
瓶もリュックへ入れる。
すると、部屋の端に青白い光が広がり、床の上に円が浮かび上がった。
蒼太がその中へ入ると、一瞬だけ視界が白く染まった。
次に足元の感触が戻った時には、ダンジョン入口近くの石床に立っていた。
そのまま入口を抜け、管理施設へ戻る。
ロビーは来た時より人が減っていた。蒼太は重くなったリュックを背負ったまま、戦利品の買い取りカウンターへ向かった。
「買い取りお願いします」
「はい、こちらへどうぞ」
台の上へリュックを下ろし、中身を出していく。小さな青い魔石が次々と並び、最後にボスの大きな魔石とポーションを置いた。
職員は並んだ戦利品を見て、少し驚いた顔をした。
「ずいぶん多いですね。今日が初めてですか?」
「はい。途中からかなり倒せるようになって」
「そうなんですね。何かスキルが?」
「超成長っていうスキルなんですけど、まだ細かいことは分からなくて」
「なるほど」
職員は魔石を一つずつ確認し、端末へ入力していく。
しばらくして、画面に出た金額を見て顔を上げた。
「合計で、一万四百三十円になります」
「お願いします」
買い取り代金は、その場でスマホの電子決済残高に反映される。
カウンターを離れてから、蒼太はスマホを開いて金額を確認した。
一万四百三十円。
「……一万円超えた!」
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