↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
19/27

第19話 まだ伸ばせる

 完全に足音が聞こえなくなってからも、蒼太はしばらくその場を動かなかった。


 壁へついていた手を離し、盾を持っていた左腕を軽く振る。痺れはまだ残っているが、動かせないほどではない。


「……強かったな」


 剣は当たった。火も風も当てられた。それでも浅く、盾で受けた一発は流しきれなかった。このまま戻っても、さっきと同じになる。


 蒼太は盾をアイテムバッグへ戻し、ステータスを開いた。


 昨日の昼に見てから、午後も何十体と戦った。今朝もかなりの数を倒している。さっき確認した時も数字が伸びているのは見えたが、改めて上から追っていく。


━━━━━━━━━━━━━━

上山蒼太

Lv.33


HP 216

MP 130

筋力 79

耐久 75

敏捷 84

魔力 71


【スキル】

・超成長 Lv.1

・剣術 Lv.19

・走法 Lv.13

・持久力 Lv.12

・回避 Lv.11

・体術 Lv.10

・気配察知 Lv.7

・打撃耐性 Lv.5

・盾術 Lv.8

・弓術 Lv.7

・斧術 Lv.8

・槌術 Lv.7

・火魔法 Lv.5

・風魔法 Lv.5

・集中 Lv.4

・魔力操作 Lv.6

・反応 Lv.5

━━━━━━━━━━━━━━


 そのまま配信にもステータスを共有すると、ドローンにコメントが流れ始める。


『もう33!?』

『昨日の昼30だったよな』

『これであいつに勝てないのか』

『普通のオークもうほぼ相手になってないのに』

『フィールドボスやばすぎるだろ』


 蒼太はコメントを見たあと、もう一度スキル欄へ目を戻した。


 剣術はLv.19まで来ている。それに比べれば、盾や弓、斧、メイスはまだ一桁だ。火と風もLv.5までしか上がっていない。


「まだ全然上げられるじゃん」


 さっきまで残っていた重さが少し抜ける。通常のレベルは前ほど簡単には上がらなくなっているが、こっちはまだ数字が低い。


「じゃあ、こっち上げてみるか!」


 ステータスを消すと、蒼太は来た道の途中で見つけた分かれ道へ向かった。


 少し進むと、前方から一体のオークが現れる。


 蒼太は剣を抜いた。


 今なら普通に斬ればすぐ終わる。だから、同じ倒し方はしない。


 オークが拳を振り上げるまで待ち、正面から踏み込む。最初の一撃は斜めに剣を当てて外へ流し、そのまま身体を横へ抜く。振り向いたところへ、今度は踏み込む距離を変えて胴へ刃を入れた。


 二撃で巨体が光へ変わる。


「よし、次!」


 魔石を拾うと剣をしまい、今度は盾を取り出した。


 次のオークでは拳を真正面から止めない。盾を少し傾け、当たる瞬間に身体も横へずらすと、太い腕が表面を滑って外へ抜けた。


「おっ、これだ!」


 もう一度試す。今度は動くのが少し遅く、盾ごと腕を押されたが、すぐ次の一撃では早めに身体をずらした。何度か繰り返すうちに、腕へ残る衝撃が目に見えて減っていく。


 オークを倒すと、蒼太はそのまま次を探した。


 そこからは使う武器も、戦い方も何度も変えた。


 弓では立ち止まって狙うだけでなく、距離を取り直してすぐに撃つ。斧は大きく振りかぶるだけでなく、近い位置から短く振る。メイスも同じ場所へ力任せに叩きつけず、踏み込む位置や振り出す角度を変えた。


 剣に戻れば、オークの拳をぎりぎりまで見てから身体を外す。何体か相手にしているうちに、腕が動き出す前の肩や足の変化まで目に入るようになってきた。


 次のオークが右腕を引く。


 蒼太は拳が飛んでくる前に半歩だけ位置を変えた。太い腕がすぐ横を通り抜ける。


「おお、分かる!」


 空いた胴へ剣を入れる。そのまま倒したあとも、すぐ次のオークで同じように動きを見る。避け方を変え、受け方を変え、安定したらまた別のやり方を試した。


 剣を使い、盾へ替え、弓を撃つ。斧とメイスも何度も持ち替える。火を当て、風を細く集めることも続けているうちに、倒したオークの数はもう分からなくなっていた。


『まだやるの?』

『何体目だよ』

『朝からずっと戦ってるだろ』

『さっきフィールドボスに吹っ飛ばされた人とは思えない』

『体力どうなってんだ』


 コメントが流れても、蒼太は次のオークへ向かう。何体目かを斧で倒したところで、ようやく一度足を止めた。


「どのくらい上がった?」


 ステータスを開き、増えたところへ目を走らせる。


━━━━━━━━━━━━━━

【スキル】

・斧術 Lv.12

・受け流し Lv.1

・見切り Lv.1

━━━━━━━━━━━━━━


「おおっ! 二つ増えてる!」


 見覚えのない名前が二つ並んでいる。斧術も、さっき見た時より四つ上がっていた。


『受け流し!?』

『見切りもあるぞ』

『また新スキル増えてる』

『斧術も上がりすぎだろ』


「いいな、これ!」


 蒼太はすぐにステータスを消し、斧をアイテムバッグへ戻した。今度は弓を取り出し、少し先から近づいてくる重い足音へ顔を向ける。


 曲がり角へ矢を向けながら、次はどう撃つかを考えた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。