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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 聖女候補の侍女は聖騎士様との出会いの機会も多い為、人気のある職だ。しかし聖女候補の方は聖騎士様に直接守ってもらえる上、聖女になれなくても、聖女教育を受けた身は聖女に近いとされ、とにかく良縁が殺到するとされている。

 

 聖女候補になるだけでも十分に凄い倍率なのだが、それとは別に今は学院の2学年に王太子殿下がいらっしゃる。殿下には既に婚約者の令嬢もいらっしゃるのだが、聖女や候補になれば一発逆転もあるのでは?と、巷では聖女候補の倍率も跳ね上がったのだとか。


 だけど聖女は任期中には結婚できない。

 現在16歳の王太子殿下を10年近く待たせるのは、常識的に無理なんじゃないかとマリベルは思うのだが。ということは王太子殿下の弟王子狙いとか?とも思ったが、間に王女殿下を挟んで弟王子殿下はまだ10歳だ。


 聖女候補は聖女になれなくても結婚は引く手数多だし、聖女にならなかったら二年でお役御免なので、結婚にはメリットも多い。殿下云々ではなく、そっちを狙っているのかな?とも思えるが、まあマリベルにはあまり関係ない。


 聖女候補は聖女になると、その仕事に専念するので侍女一人体制から侍女が増える。候補の侍女だった者が、そのまま聖女の侍女になる事が多いので、マリベルもできればそのまま聖女の侍女として神殿に残りたい。


 聖女の退任後は王族に嫁がなくても王族待遇となる。

 その聖女の侍女も王族の侍女と同じステイタスなのだ。ただ王族の侍女と違うのは、聖女の侍女も聖女が任期を迎えるまで結婚はできないという事だ。


 聖女の任期は候補期間も含めて10年なので、華の乙女時代と適齢期を逃すリスクを負う。その華の乙女時代に聖騎士様と出会うだろうと、侍女も聖女候補も世間一般では羨ましがられている訳だが…。


「結婚に制約がある状態で聖騎士様との恋愛ってあり得るのか?」と思った言葉がついポロッと口から出てしまう。

「結婚前提の恋愛しか念頭にないなんて、やっぱりマリベルはウブね〜」

 と二人の夫人達に笑われたが、マリベルはまだ14歳だ。


 一体この年齢に何を求めているのか?

 しかも貧乏だったとしても一応、貴族令嬢だ。

 むしろ14歳なら結婚なぞ考えずに恋愛を楽しめという事なのだろうか?いくら憧れの聖騎士様がいる職場に就職すると言っても、恋愛に興味の無いマリベルに期待されても困るというもんだ。


 まあ、実を言うとマリベルだって子爵家の使用人含め総勢10人くらいの女性達の間で、恋愛小説を擦り切れるほど回し読みしてきた。恋愛小説は大好物だった。

 今も侯爵家で伯母とお姉様と一緒に、田舎で読めなかった最新巻を三人で回し読んでいる。はっきり言って小説上の恋愛は興味津々だが、とりあえず神殿では聖女候補が第一の主人なのだ。


 頭を切り替えろ!想定外の恋愛と聖騎士情報が入ってきて、少しキャパオーバーを起こしそうだ。

 マリベルはお茶の後は従兄弟で小侯爵様のアイオット様と彼の5歳の長男との午後の鍛錬に加えて頂くことにした。


 女神様あなたの敬虔な信徒は邪念を払ってみせますと誓って、マリベルは一心不乱に木刀を振るのだった。

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― 新着の感想 ―
うーん。やっぱ中世相当だから恋愛は娯楽の世界だからかなぁ? 恋愛脳乙って感じだけど。
10年は長いですね……。 仕える聖女候補が聖女になると待遇は改善したとしても、デメリットも大きいですし、悩みどころかも? (*´ω`*)
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