2.第19章 戦いの始まり4-4
コアトルは衛兵達の死体の所に駆け寄った。
「鋭い剣で、襲われている。」
「果たして暗黒神が、こんな事をするのか?。」
「まだ意識のある衛兵がいるかもしれない。」
「エカリーも一緒に探してくれるかい。」
「はい。私は右側の奥から探します。」
エカリーも駆け寄ってきて、一緒に死体の確認をしだした。
首を切落されている者、胴体が真っ二つになっている者、両腕がない者……、壮絶な死体の数々だった。
「ダメだ、こんな切られ方をしていたら、生きてなんかいられない…。」
雨だけのせいではなく、コアトルの瞳は潤んだ。
「コアトル!。 こっちこっち!。 まだ意識のある衛兵さんがいたわ。」
エカリーが叫んだ。
すぐにコアトルが駆け寄った。
「おい、大丈夫か? 話せるかっ? いったい何が起こっているんだ?。」
その衛兵は、口から血の泡を吹きあげながら、絞り出すように言った。
「と、冬至の神事の翌朝。と、突然ゴ族が攻め込んできた。ゲッ、ゲゲッ。」
「何!!! ゴ族が攻め込んできた!!!。」
「あ、あっという間の出来事で、す、すでに皆殺しにされた村もある。ゲッ、ゲゲッ。」
「た、助けてください。コ、コアトル王子。ゲッ、ゲゲッ。ブクブクブク。」
そう言うと、その衛兵は息を引き取ってしまった。
「おい、おい、死ぬな。死なないでくれ。」
コアトルはその衛兵をかかえ、強く抱きしめた。
「ゴ族が、シバルバ国を攻めている。」
「僕はこれから頂きの王宮に向かう。」
「危険だから、エカリーはここに隠れていた方が良い。」
コアトルは急いで洞窟に戻り、身支度を整えた。
その時、また洞窟にウィングが入って来た。
首を上下に揺らし、いなないている。
「うん? ウィング?」
「そうか、ウィングに乗って王宮に向かえ!か。」
「ありがとう、頼んだぞウィング!!!。」
洞窟の外へ出るとコアトルは、ウィングにまたがった。
「エカリー、僕が戻るまでここで、じっとしているん…。」
と、コアトルが言い終らないうちに、ウィングがエカリーの腰ひもに噛みついた。
そして首を大きく振って、エカリーを持ち上げ、自分の背中に乗せてしまった。
「きゃーっ。」
エカリーは思わず叫び、コアトルの背中にしがみついた。
「なな、何をするんだ、ウィング!!!。」
コアトルの叫びを物ともせず、ウィングは上体を起こし、前足を何回か掻くと、大きくいななき、
ヒヒ~~ン!!!
山の頂の王宮を目指して、走り出した。
「うわぁ~~っ。」
コアトルとエカリーは振り落とされまいと、ウィングにしがみ付いた。
シバルバ国に侵攻を開始したゴ族。
戦いの始まりだ。
一路、王宮に向かったコアトル達。
これからどんな展開になって行くのか?。
興味は尽きませんが、今は此処までで。




