2.第19章 戦いの始まり1
激しく降りしきる雨の中、カサス達武科の衛兵はコアトル達を探し続けた。
隣山には辿り着いたが、一つの山から二人を探すのは至難の業だった。
すでに日は暮れている。
空は激しい雨を呼ぶ黒雲に覆われ、暗闇の中を探し続けた。
「コアトルの奴め。何て事をしてくれたのだ!。」
カサスは太く長い大剣を振って、木々を切り倒しながらコアトルを探した。
雨は容赦なく、コアトル達を探す衛兵達に降り注いでいた。
その夜、親友ポポルは眠れない夜を過ごしていた。
コアトルの勇姿に喝さいを送ったポポルだったが、コアトルは神への生贄を奪ってしまったのだ。
神から罰が与えられるのではないか?。
どんな罰が下されるのか?。
または、何事も無く時は過ぎて行くのだろうか?。
急に恐ろしくなって、恐怖で寝付けなくなっていた。
ポポルがベッドの上で、耳を澄ましていると何やら音が聞こえてくる。
シャー―ッ。 シャー―ッ。 シャー―ッ。
剣を研ぐ音だ。
父の作業場から聞こえてくる。
ポポルはそっと起き上がり、作業場の扉をゆっくり開けた。
そこでは父ポポカが、一心に剣を研いでいた。
ポポカは気が付き、手を止め振り向いた。
「どうしたポポル、眠れないのか?。」
「……これからどうなってしまうのか、怖くて……。」
「ふぅーっ。大丈夫だポポル。」
「目が覚めたら、いつもと同じ朝がやって来るよ。」
「さあ、もうお休み。」
ポポカはそう言うと、また剣を研ぎ始めた。
シャー―ッ。 シャー―ッ。 シャー―ッ。
ベッドに戻ったポポルだったが、恐怖の念は頭にこびり付いたまま眠りにつく事が出来ないでいた。
シャー―ッ。 シャー―ッ。 シャー―ッ。




