2.第12章 暗黒の一日2
観衆達の大歓声が響き渡り、二人は脱兎のごとく広場に飛出していった。
放たれたウサギを追いかける二人!!!。
と、いきなりカサスがコアトル目がけて突進してきた。
がたいの良い黒馬を、コアトルの白馬ウィングにぶつけて来た。
手離しで馬上にいたコアトルは、危うく落ちそうになった。
とっさに手綱をつかんだが、態勢を崩して横乗りになったまま走り続けた。
その間に、カサスが矢を放つ。
2匹命中。
コアトルは、先を越された。
挽回するべく矢を放とうとした時、またカサスが体当りして来た。
「卑怯だぞカサス!。 正々堂々とウサギを狙え!。」
「正々堂々も何もない。ウサギの数が多い方が勝ちだ。」
カサスは更に2匹命中。合計4匹。
コアトルは、ウィングの首をたたき「ウサギを追い立てろ!。ウィングの思うように走れ!。」
と言い放つと、両足でウィングの腹を蹴り上げ、空いた両手で素早く矢を射た。
2匹命中。まだ差は2匹。
前回にもまして、ウィングの動きは素晴らしかった。
カサスの黒馬は、体格が良い分スピードに欠ける。
さらに2mを超える巨体のカサスを乗せている。
最初は成功していた体当り攻撃も、ウィングの素早い動きに付いて行けなくなった。
体当り攻撃は、空振となった。
振り落とされまいと必死に両足で、しがみ付いているコアトル。
3匹命中。合計5匹で、コアトル優勢。
カサスは作戦変更で、あまり動かず狙いを定めて矢を放ち出した。
3匹命中。合計7匹。
コアトルは、もう一度ウィングの腹を蹴り上げ加速させた。
4匹命中。合計9匹。
さらに素早く矢を放つコアトル。
4匹命中。合計13匹。
白熱した試合の中、あたりが急に暗くなりだした。
観客席からどよめきに混じった、叫び声が聞こえた。
「太陽が!太陽が欠けて行く!。」
太陽の円が、徐々に隅から黒く塗り潰されて行った。
昼間だと云うのに、あたりは墨をこぼした様に暗くなった。
「暗黒神が来る。暗黒神が来るぞーっ!!!。」
誰かが叫んだ。
その声に、拳闘場は大パニックとなった。
もう、ウサギ狩りの競技どころでは無かった。




