2.第12章 暗黒の一日1
爽やかな春分の太陽の下、天空から明白神が「ウサギ狩り」の様子を見守っていた。
コアトルとその仲間達が見つめる中、拳闘場の門から大広場の勝者が入場して来た。
ガッシリとした、がたいの良い黒い馬にまたがり、長いヒゲをなびかせながら入場して来たその選手は!!!。
「武科長のカサス!!!。」
「そうか、カサスも出場していたんだっけ。」
コアトルはつぶやいた。
そして眉間にしわを寄せて、大きくため息をついた。
「決勝戦の相手が、カサスだなんて…。」
ふ――っ。
「痛てっ。」
コアトルの後ろにいたポポルがコアトルの尻を、思い切り蹴とばした。
「何するんだポポル!。痛いじゃないか!。」
「おいおいコアトル。何気後れしているんだ。」
「いいか、今入場して来た奴は、武科長のカサスじゃない、おまえの対戦相手だ。ライバルなんだよ。」
「気持ちで負けてどうする。勝ちに行け!。勝ちに!!。」
「エカリーに誓ったんだろう。優勝するって。あれは、嘘だったのかよ!。」
「嘘じゃない。優勝する。」コアトルが答えた。
「じゃあ優勝しろ!。俺にも優勝すると誓え!。」ポポルがまくし立てた。
「絶対に優勝してやる。」コアトルは、そう言い放つと白馬ウィングにまたがった。
そして入場して来たカサスに近寄り、その周りを回りながらカサスに声を掛けた。
「カサス!いつもは武術の師匠だけど、今日はライバルだっ。」
「勝つために容赦はしない。僕は優勝する。いいね。」
「ほう、コアトル。頼もしいお言葉。どこまで出来るか見せてもらおう。」
不敵な笑みを見せるカサス。
ポポル達が自分達の席に戻り、二人が定位置に付いた。
プオー プオー プオ―――。
ドン ドン ドン―――。
最終決勝戦が、始まった。




