2.第11章 ウサギ狩り1
ヤコック王が大会の開会宣言をしている最中、遅れてコアトルが選手達の列に加わった。
ヤコック王の宣言が、一瞬途切れた。
王の隣に居た王女ヴェールがヤコック王に、ささやいた。
「エカリーのせいで、コアトルは遅れたんだわ!!!。」
「しつけの出来ていないエカリーのせいよ。」
「コアトルを、叱らないであげて!!!。」
ヤコック王は、その言葉を聞き流し、開会宣言を無事に終わらせた。
王女ヴェールは、気分が収まらない様子で、眉間にしわを寄せたまま拳闘場の選手達の動きを見ていた。
選手達は二手に分かれ、円形拳闘場と大広場に集合していった。
コアトルは、円形拳闘場での参加となった。
午後からの競技開始となっていたので、一回の競技は短い時間内での争いとなっていた。
馬上から会場に放たれた野兎を射止めるのは、なかなか至難の業で、一匹も射止められない者が、続出した。
そのような状況の中でコアトルは、めざましいウサギの数を計上して、会場を沸かせていた。
一回の競技で、5匹から10匹のウサギを射止めていた。
王家で代々飼われている、美しい毛並みの、白い馬にまたがった金髪の少年が、白いマントをひるがえしている姿は、会場の全女性を虜にした。
コアトルは、ほとんど手綱には手をかけず、両足で白馬を操った。
空いた両手には、やや短めの弓、ショート・ボウと、矢を3本指の間に差し、素早く矢を連射した。
ここまで上達するには、王家の白馬との連携を日々とっていた賜だった。
右足のひざを白馬の腹に押し当て左に向かわせ、走り込む時は、両足のかかとを強く蹴上げた。
その足の動きにピッタリと、白馬の動きが同調するまで、何回も練習をしていたのだ。
その華麗な馬上の弓さばき、白馬との同調した動きに、観衆達は魅了された。
ただ、円形拳闘場を沸かせていたのはコアトルだけではない。
もう一人、長い弓、ロング・ボウを巧みに操る選手がいた。




