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DIVA  作者: メロン味
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DIVA第5章〜第6章

第五章【バラバラの声】

『あな……た』



この声は……


シロツメは目を開ける。「ハナ…?」草木が生えていて、自然豊かで綺麗な場所に、ぽつんとハナがいた。シロツメは遠くにいるハナに近づいた。「ハナ!なんで僕を捨てたの……?!でも!それより……っ!!」シロツメはハナを見るなり、激しい怒りが込み上げてきた。「どうしてよつばを捨てたんだっ!!」シロツメは怒鳴るのに慣れていないので、だいぶ疲れていた。でも、なかなかハナに近づけない。ちゃんと前に進んでいるのに。ハナはずっと口を動かしているけど、なんにも聞こえない。「なんだよ?!聞こえないよっ…!!」シロツメはポロポロ涙が溢れた。『私の声が』ハナの声がかすかにした。「声…?」シロツメは耳を澄ます。『たす…けっ』『声を………』『子どもたち……』ハナは何か言っているようだが、わけがわからない。「子どもたち…?君が捨てたんじゃないの?!」シロツメはボロボロの顔でいう。ハナは強く首を横に振った。『声…!!』『飛び散っ』『声っ!!』ハナは大きく体を動かして一生懸命何かを伝えようとした。



でも、シロツメはまた目を開けた。「パパ〜?今日はお休みだよ」とよつばが上に乗っかって起こしてきた。「あっ……あぁ……ははっ………朝ごはん……食べよっか。」シロツメは突然のことで頭が混乱していた。あれは夢……?ただの……?シロツメはそう思いながら朝ごはんを用意する。「パパ!今日は夢見町で海を見に行くよ!ぼく、あそこの海大好きなの〜!」よつばはニコニコして言う。「あぁ…いいね。海には入らないでね。休日しか入れないからってね。」シロツメはよつばに注意する。「うん!わかった!」よつばの返事がいい時は怪しい……けど、毎回一人で出かけてるし、まぁ、大丈夫だろうと、シロツメは思った。シロツメとよつばはご飯を食べ終わり、よつばは外へ出かけに行った。「またね!パパ!」「うん。気をつけておいで。」とシロツメはよつばを見送った。よつばは気分るんるんで歩いて行った。よつばはいつも通り電車に乗り、夢見町へと向かった。「うわあ〜…!海だあ〜!」よつばは目を輝かせて海を見渡す。「ちょっとだけなら……いいよねっ!」よつばは少し足を海に入れた。もちろん。靴は脱いで。でも、その直後。よつばの体に波がフッかかってきた。よつばはあっという間にビチョビチョに……。よつばが入ってから、波が強い?よつばは足を引きづられるような感覚になった。「うわあああ?!」周りの観光客や地元の人は慌てて逃げている。「まって?!なんでぼくだけー!!?」よつばは波に飲まれてしまった!息ができなくて、とっても苦しい……誰かに助けてもらいたいくらいだ………


『よつば…』


「?」女の人の声……よつばの名をかすかに呼ぶ声がした。その直後!


「バブル!!」

と大きな声がして、よつばはびっくりした。すると、よつばの体の周りには丸い泡のようなものが出来ていた。「うわぁ〜!すごい!」よつばはその泡を触ったり、動き回ってみたりした。すると、遠くから話し声がする。「あれは人間かしら……溺れていたわよね?」「そうですね。その可能性が高いかと…それに。足がありますよ。」「まだちっちゃいのね!」よつばはその声がする方をじっと見ていた。


「こんにちは!あ〜名前とかってある?」とピンクのヒレをした人魚が聞いてきた。「ぼく?ぼくは、よつばっ!!」よつばは、元気に答えた。「おう!ヨツバ……いいわね!私は花魁!そして、こっちの青いのは水子よ!」「すいこさんと、おいらんさん?うわぁ〜!すごい!人魚だあぁ〜!」よつばは人魚を見て大興奮。「うふっ。喜んでるみたいで、うれしいっ!そーだ!せっかくここへ来たんだから、あたしのお家にしょ〜たいしてあげようか?」と花魁。「姫様。会ったばかりの者にそこまでしなくとも。それに、この者は陸で過ごしている生き物です!早く元の場所へ返した方が……」水子がそう言うと、花魁がすかさず「ほんと、水子はお硬いんだから!ちょっとだけよ、ちょっと!!ね〜?いいでしょぉ〜??」と花魁は水子に訴えかける。「はぁ。もう好きにしてください。」水子は呆れてそう答えた。「やった〜!おいでなさい!陸の者よ!」と花魁はよつばのバブルを押す。「ここがあたしのおうちよ〜!」花魁は自慢げによつばに話す。「うわぁ〜!すご〜い!」よつばはあたりを見渡す。「あれはなあに?」よつばが指を指すと、花魁はバブルを押してよつばを連れて行った。「姫さ……ゔぅ!!」水子は唸りだした。「どうしていつもいつもいつもいつもアンタは……」水子は小さくそうつぶやいたが、イライラが隠せていない。水色だった髪が赤く染まりだし、水子は見た目までおかしくなってきた。



一方、よつばと花魁は色んなところへ顔を出していた。「ほら見て!ヨツバ!これはあなたも好きそう。」「わぁ〜!かわいいっ!これ、もらってもいい!?」よつばは、ピンク色のスプーンを手に取った。「もっちろ〜ん。ここにはたくさん同じようなものがあるからね〜♪」花魁は色んなものを取り出そう……とした。


「花魁様!大変です!水子様が……」


一人の人魚が真剣に花魁にそう言ってきた。「はっ?!水子がなに?!」「大変ですっ!あれが水子様なのかもわからないのですが……ちょっと来てください!」人魚が花魁を連れ出す……「まって!ヨツバを誰か見てー!」と花魁は叫ぶ。そう。よつばは自分からは動けないのだ。バブルの中にいる今は……。



「アー!ハッハッハッ!!こんにちはっ。オヒメサマ。これからは私がここの支配者だー!!」

そこには変わり果てた水子がいた……体が大きくなっていて、人魚たちを潰してしまいそうな勢いで泳いでいた。水子は手に持っているステッキで、人魚達を洗脳し、自分に従わせているようだ。「サヨナラ……哀れな花魁……。お前にもこの痛みを味わわせてやる!!ハーッ!!ハッハッハッ!!!」水子は悪魔のような高笑いをした。よつばはそんな水子を見ていると、歌声が聞こえてきた。それは、きれいな歌声……でも、少し力強く聞こえる。そう、それは水子の声ではないけど、彼女から聞こえてくる………。「水子!!どうしちゃったの!!」花魁は水子を見上げて叫ぶ。「お前のようなやつがここを統べるなんて……笑える。私のほうがもっとうまくやれる!!……だから、アンタには消えてもらう。」水子がステッキを花魁に向けた。よつばは、どうしても今水子を止めらなければ。と思い、必死にバブルを触ったり叩いたりした。……でもびくともしない。よつばは最後に思いっきり叩いた!ポンッ!とバブルが割れた。でも、途端に息が苦しい……。よつばは、必死に水子へ近づこうとしたが……よつばは泳げない……。声も出ない……。意識が遠のいてしまいそう………。よつばは、花魁から貰ったピンクのスプーンを水子にむけて投げた。水子には当たらなかったけど、水子はよつばの存在に気がついた。「あら……陸の者。かわいそうに。この無責任なオヒメサマの被害にあって……よし、『バブルッ!!』」水子がそう叫ぶと、またよつばにバブルが現れた。「はぁっ…?!はあ…っ?!……」よつばは呼吸を整えた。「すいこさん!こんなこと、やめてっ!!」よつばは必死に水子に唱える。「やめません。あなたは関係ないでしょう。早く元の場所へ……。」水子がそう言うけど、よつばは続ける。「あのねっ……!あの……ぼく……ママがいないの……。」よつばはいきなりなぜかそう言った。「まま……?なんです?それは。」水子は首を傾げる。「ママはぼくを産んでくれた人。とても大事な人なの。みんないるけど、ぼくにはいないの。」よつばは悲しくなってくる。「産んでくれた人…?私たち人魚は、皆そのような人はいません……なぜなら私たちは砂から生まれるのです。そこから徐々に今の私たちになるの。」水子はそう返す。「へぇ。でも、ママがいないのは、寂しいよ……。」よつばは泣くほどではないが、しゅんとした。「まま……。あなたにとって、大事な方だった……?」水子は急に涙を流しだした。「私の友達は、若くして亡くなりました……。それほど大事な人ですか……?」水子はよつばへと近寄る。「うん。」よつばは真剣に頷く。「そんなっ……そんな人がいないなんてっ……!」水子はもっと泣き出した。……すると、



水子は元の姿になり、体の大きさも元に戻っていた。そして、彼女と一緒に【赤い光】が落ちてきた。「あっ……!」よつばは赤い光を指差した。「んっ?」花魁は首を傾げる。「あの赤いやつ!取って!」よつばは必死に花魁に伝えた。「わあ〜?!なにあれ?!きれ〜!待ってて!」花魁は素早く取りに行き、よつばのいるバブルへ押し込んだ。「わあ〜!」よつばはその光を見て、キレイだと思った。「……。ごめんなさい。姫。」すると、水子が泣き顔でこちらにやってきた。「水子……。あなたも色々あったのね。私こそ、ごめんなさい……。いつもあなたの言うこと、聞いてなかった。……これからは………できる限り、頑張るからっ。……あたしと一緒にいて!!あなたはあたしの一番の【友達】よっ!!」花魁はそう言って、水子を抱きしめた。「うっ……うっ………っ!!」水子は大声で泣き始めた。「ごめんなさぁぁい!!」水子は花魁を抱きしめ返した。




「ヨツバ、掴まっててね!」「ヨツバ様、ご迷惑をおかけしました……。何かお辛いことがあったら、私が相談に乗りますから。」「うん!!ありがとう!!」よつばは二人にバブルを押され、上へと上がっていく。暗い海から、段々と青い空が見えてきて、よつばは何だか安心した。バブルが陸に顔を出すと、パンッ!と割れ、よつばはそのまま波に流された。「うわあ〜きもちい〜♪」よつばはまるでアトラクションのように楽しんだ。「うわっ?!」「?」よつばが見上げると、そこには…「さくらちゃん!」さくらがいた。  

 第五章終わり

第六章【町の不良…『極の極み』……?】

しばらくすると、さくらの頭に何個か花が咲いた。「!なあに?それ。」よつばがすかさず食いつく。「な、なんでもない。」さくらは頭に付いた花を払う。落ちた花が波にさらわれた。よつばはその様子をじっと見ている。「……。そんなに濡れてたら風邪ひくよ。」さくらはビチョビチョのよつばを見て言った。「え?でも、きょうはあったかいよ!」よつばは笑って言う。「もう帰ったら?」さくらは顔をしかめる。「えぇぇ……せっかく、さくらちゃんに会えたのに……。帰りたくないよ〜……」よつばの足に波がまとわりついている。さくらは、少し呆れた顔をして、「ほら、これ着て。」とさくらの着ていたパーカーをよつばに被せた。「え〜?これ、濡れちゃうよ。」よつばは少し困った。「うん。いいの。どうせそれ、小さくなってきてたし。ママにはテキトーに言っとくから。」さくらはよつばとは目を合わせずに話す。「うん。」よつばはさくらをまっすぐ見つめている。「あのね!ぼく、人魚を見たんだよ!」よつばが元気いっぱいに話す。さくらは、「えぇ〜?嘘でしょ……そんなのいるわけないよ。」「でも、本当に見たんだもの!!本当にいたよっ!!」よつばはムッとして答える。「大きい人魚もいたよ!!すごく怒ってた!……でも……泣いてたよ、友達のことを思い出したから。」よつばは急にしゅんとしだした。「へぇ……そっ。」さくらは全く信じてない。「うん。」よつばはうなずく。「ねぇ。じゃあどっかブラブラする?」さくらはよつばに聞く。「え?!いーよ!!」よつばは大きな声で喜んだ。「どこいくの?」よつばが興味津々に聞く。「ん〜……。特にない。」と、さくらは答える。「え〜……そんなあ〜……」よつばはちょっとガッカリした。「ここらへん歩くだけだよ。夢見町を。」さくらは当たり前のように言った。「うん………!」よつばは気を取り直して、さくらについていった。特になんの会話もなく、二人は歩いていた。本当は、よつばはさくらとたくさん話したいのに……。でも、何を話していいのか、お互い分からない。でも、さくらは別に話さなくても良さそうだ。さくらは会話をするのが、そこまで好きではないのだ。二人はそのまま歩いていくと、町中を一周してしまっていた。よつばは、さくらに聞く。「ねぇ……。ぼさくらちゃん。さくらちゃんはなんでいつも怒ってるの?」よつばはふと疑問に思い、話しかけた。「は……?な、なに。そ……」さくらは大きく戸惑いを見せる。「そ、そんなことないわよっ。」さくらは明らかに動揺している。「ふ〜〜ん。」よつばはさくらの顔をのぞき込む。「ただ、そう見えるだけでしょっ。あたし、別に怒ってないから。」「やっぱり、怒ってるよ!!」よつばが町中に響くくらいの大声を出す。「ちょ、ちょっと!やめてよ…っ!」さくらは急いで路地裏によつばを連れ込む。「でも、やっぱり、怒ってるよ〜…」よつばは困った顔をする。「ふっ…ふふっ……だから。怒ってないってば!」さくらはなぜか大声でそう叫ぶ。「なぁに?お前ら、うちらの縄張りにひょこひょこやってきておいて、そんな話しかしないのかぁ?!」奥から、女の人の怖い声がした。「だれかいる…!」さくらは小声で呟く奥の方に3人組…?が見える。「だ、だれですか〜?」よつばがでかい声でそういうもので、さくらは慌てて口をふさいだ。「あんたバカなの?!ああぁぁーー!!」さくらは小声で叫ぶ。「あ?しりたいんか?ワレェ。」遠くにいた3人組が近づいてきた。「姉さん……まだこの子達は小さい子どもですよ……。」体格の大きい男が言う。「でもジロ〜ちゃん。世の中には逃れられないもんってのはかならずあるんやで。」と三つ編みの人が呟く。



「うちらは、『極の極みっ!!』」「ルルちゃん…?とってもかわいいね!」よつばは笑顔で答える。「ありがと。ねぇ、お兄ちゃん?その…かみはなあに?」ルルはポスターを見つめる。「んぅ?コレ……あっ」よつばは手元のポスターを見た途端、やるべきことを思い出した。「これ!渡さなきゃいけないの!もらって!」よつばはルルに強引にポスターを手渡した。「わっ。ありがと。お兄ちゃん。また会えるといいね。」そう言ってルルは去っていった。「…?うんっ!」よつばはルルに手を振った。ルルも振り返した。よつばはそのあとすぐさま気持ちを切り替え、ポスターを人に渡しに行った。中には、話しかけても無視をされたり、文句を言われたりもしたけど、よつばは屈しなかった。でも、いい事もあった。子供連れのお母さんがよつばにお礼を言ってくれたり、通りすがりのハゲててメガネをかけていて、鼻毛が生えていて、太っちょのサラリーマンのおじさんにもに喜んでもらえたりした。「ありがとう…!私の会社にも知らせておくよ。」と嬉しそうに受け取ってくれていた。よつばはこんなことが何個かあって、とても嬉しい気持ちになり、悲しい気持ちを忘れてしまうほどだった。よつばは、なんとかポスターを配り終えたので、真ん中の噴水広場へ向かった。そこには、もうさくらが佇んでいて、それにもう夕方だった。太陽が海と重なり合っていた。


「決めるぜ豪快!

見てろよ爽快!

極の極みやあぁぁああ!!」



「……は?」さくらは、つい声をもらしてしまった。「ゔゔん。(咳払い)だーかーらー!もう一度……」「いやいいです。」もう一度言おうとするコユキをさくらは止めた。「はあ?何度も言うからええんやろ!アホ!」コユキはさくらに言った。「………あの〜私たち、忙しいので……もう帰りま……」さくらがよつばの手を取った瞬間……「待て!!ガキども!!」コユキが叫んだ。「た、たのむぅ……あんたらに急遽お願いやぁ……。このポスター配ってくれるだけでええから!ほれ、こづかいもた〜んまり用意してるで〜??ほれ……500エン……!」コユキは自信満々に500円を出し、さくらの手に無理やり置いた。「500円……?」さくらは納得いってないようだ。「ほら、このポスター……。お祭りのポスターや。うちらの先祖が代々やってきた大事な祭りなんや……!頼む………!どうか、そのポスター、貼るだけでええから!うちらも貼るし、終わったら帰ってもええ!あ!せやけど、お祭りには来てほし〜な〜♪後悔はさせへんから!」コユキは目を輝かせながらさくらを見る。「お願いします!この哀れで愚かな姉さんを救ってやってください!」とスズコ。「近年、お客が少ないんです!お願いたします…!」とジロウ。さくらはなんとか断ろうと口を開くと…「いいよ!」っと、よつばの元気な返事が……。さくらは無意識に頭を叩いた。「も〜!!あんた、何考えてんのっ!!」さくらはよつばに怒鳴った。「はい!これ〜!ここに集合してや!おおきに〜」とコユキ達は引っ込んでいってしまった。「あ〜!もうっ!なんなんのよっ…祭りって?!」さくらはイライラしながらポスターを見る。「夢見町でやるんだ……あ〜……あの小さい神社の人達かぁ〜……。」さくらは、思い当たるところがあるらしい。「さくらちゃんっ!一緒に行こ〜よっ!」よつばはさくらの手を取って、ぴょんぴょんジャンプした。「……?でもこれ……あぁ……夜の8時……?なら、今日ママは夜遅いし、行けるかも……。」さくらは独り言のつもりで行った。「ほんと?!じゃーパパ連れてきてもいい?!」よつばが大はしゃぎする。「うん……でも、まずはこのポスター終わらせないと……」さくらの持っているポスターは最低でも20枚近くはある。子供だからと、この程度で済ませてくれたのだろう……あの三人なりに。「これって許可取ってんのかな?」さくらはポスターをまじまじと見て言う。「きょか〜?」よつばが首を傾げる。「そっ。許可取らないと貼れないんだよ…。あっ。いいこと思いついたかも。」よつばとさくらは、夢見町の市役所へと入っていった。「すみません。このポスターを公園で配ってもいいでしょうか?」さくらは20枚ほどのポスターを机に置く。「……。なるほど。………了解しました。それでは、夜遅くならないうちに配り終えてくださいね。」と、ポスターが返された。「よし、よつばくん。今から言うことをよく聞いて、ゆめのみやこ公園でこのポスターを配るわ。あたしで10枚。あんたで10枚。これ全部なくなるまで、手当たりしだいに人に話しかけて。歩き回ってもいいから。配り終えたら、公園の真ん中にある、噴水広場に来て。花がいっぱいある場所……そう、花が……」さくらはどこか遠くを見るようにいう。「わかった?」さくらはよつばに向き直り方を掴む。「うん!わかった!」よつばはそう言うと一目散に走り出した。「………。あの子、大丈夫かなぁ〜………」とさくらはぽつり。と呟いた。よつばは案の定ゆめのみやこ公園を散策していた。「ねぇね。おにいちゃん。」小さなツインテールの女の子が話しかけてきた。「ん?キミはだあれ?」よつばの方がおにいちゃんなのに、幼くよつばは聞く。「あたし、ルル。」よつばはその景色に見惚れた。「わあ〜…!」と呟くと、さくらがよつばに気がついた。「よつばくん。ちゃんと配ったの?」と、さくらが聞いてきた。この綺麗な景色に、周りの花、そしてさくら、それらがとても美しくてよつばはぼ〜っとしていた。「うん。」よつばはさくらにうっとりしていた。「ならいいけど。」さくらは曖昧なよつばに呆れていた。「で?行くの?アイツらのお祭り。」さくらはよつばにたずねた。「う〜ん……パパ呼びに行ったら間に合わなくなっちゃうなぁ〜………」よつばは困った…。



一方その頃、シロツメは一人時間を満喫していた頃だった。すると……見知らぬ番号から電話が……シロツメは仕事とかの大事な連絡かもしれないと、その電話に出た。「もしもし…」シロツメが話すと、「パ、パパですか?」とよつばの声。「よ、よ、よつばっ?!な、何で電話してるの?」シロツメが驚いて聞くと、「あのね、さくらちゃんのケータイ!」よつばは元気いっぱいにそう答えた。「さくら…ちゃん…?それは、お友達?」「うん!さくらちゃん、いるよ!話す?」よつばがその、さくらという人物に変わろうとするので「い、いや、いいよ。お前だけで。ど、どうしたの?」「あのね、パパ。今日ね、夢見町のお祭りに行きたくて、8時から始まるから一人で帰れないの。」よつばが言う。「そっ、そっか……じゃあ、パパも行くよ。今なら間に合うと思うし。先に行ってなさい。いい?そこから動くなよ。」「うん!わかったー!」とすぐに電話が切れた。シロツメはすぐに出かける準備をした。今ならまだ電車で間に合う!



「さくらちゃん!パパ来るよ!うれし〜な〜♪」よつばはい楽しそうだ。「良かったね。」さくらは冷たく返す。「うん!うれしい!」よつばは無邪気にそう返す。「あっそ。」さくらは少し、口をとがらせて言う。よつばは、さくらの様子が変なことはうっすらだが分かっていた。「うん…そう。」よつばは少し気分が落ちた。



さっそくお祭りの会場へ足を運ぶと、思ったより人がいた。「こんなに小さな神社なのに…?」さくらは驚いてあたりを見渡す。「やったー!人がたくさんっ!食べ物もたくさんっ!」よつばは目を輝かせている。「皆様。この度はこの祭りに来ていただきありがとうございます。今まで私達が運営してきた中で一番お客様の数が多いです。本当に来てくださり、ありがとうございます。」と、コユキの堅苦しいアナウンスが。「あの人たちだ……」さくらは眉間にシワを寄せた。「それと、宣伝活動に関わってくれた皆様、誠にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。」と、コユキ達は頭を深く下げた。「もしかして、あなた方がコユキ達がお世話になったお客様どすか?」と、何やら背が高くて綺麗な女性が話しかけてきた。「私はコユキの姉のユキコと申します。よろしゅうおたの申します。」

ユキコは上品に頭を下げた。「コユキ達がご迷惑をおかけいたしました。大変申し訳ございません。もしよろしゅうございましたら、私めの運営しとる旅館、および喫茶店にも起こしくださいな」ユキコはよつばとさくらに、また綺麗なお辞儀をする。「旅館……?すごいですね……。というか、本当にあの人のお姉さんなの…?」とさくらが尋ねる。「そうですね……あの子も、もっと素直になれば、更に人から信頼を得られると思うのどすが……。あのバカは頑固なものでして。ジローちゃんやスズコちゃんにも、迷惑をかけて……。直したほうがええと思いますけど、やっぱり、無理なもんは変えられないやなぁ……と。」ユキコはスンとして答えた。「でも、あの人たちおもしろいよ!」よつばが言う。「…!ありがとうございます。そう言ってくださりうれしゅうございます。コユキ達も見た目はそうは見えへんと思いますが、本当は心から喜んではるんですよ。」とユキコは微笑む。「ちなみに、お二人の名前は何と申すのですか?」とユキコは聞く。「ぼくはよつば!」「私はさくら。」と二人が言うと……。「よつば?さくら?……とにかく、ありがとな〜!お前ら〜!」とコユキが土下座してきた。「コユキィ〜困っとるやろ。大げさすぎや。しゃんとしぃ。」と、ユキコが無理やり立たせた。「ネェちゃん。ちゃんと誠意見せんとあかんやろ!」コユキが言う。「アホか!やりすぎてもおかしいそやさかい!よく考えりゃわかるやろボケェ」ユキコはコユキの肩を掴み揺らす。「うぃ〜…」コユキは疲れ果てた様子だ。「それでは、また。よつばさん、さくらさん。」ユキコはコユキ達を連れて、奥へと奥へと進んでいった。「じゃあな〜!ガキども〜!」とコユキ。「ガキども!いい子にするんやぞ〜?野菜も食べて大きくなるんやで〜」とスズコ。「二人ともまたお会いしましょね〜!今度会ったら何か買ったります!」とジロウ。嵐のように過ぎていった……。「よ、よつば〜?」と、シロツメがやってきた。「パパ!」よつばはシロツメを抱きしめに走った。「よつば!走っちゃだめだろ…ほら…」シロツメはさくらを見た。さくらからは、なんとも不思議な空気を感じる。シロツメはなんだか急かされている気がして、「よつば、あの子が……その〜……さくらちゃん?」「そうだよ!」よつばはさくらをグイグイ押してシロツメの前に連れてきた。「……こんばんは。」さくらはそう言った。「……こんばんは」シロツメももちろん返す……。シロツメは、さくらに何か違和感を感じていた。子供…っぽくない?もしかしたら、うちの子が子供っぽすぎて、今の子はみんなこんな感じなのかもしれないが……。さくらだけはなぜか異常な違和感を感じた。気のせい気のせい、とシロツメはよつば達に付いていった。







「さくら〜ただいま。遅くなってごめん。ご飯食べた?」さくなが家に帰ると、部屋全体が暗いままだった。「もう寝たのかしら…」さくなはとりあえず、リビングの明かりをつける。「えっ」そこには手を付けられていない食事がラップを付けたまま置かれていた。さくなは嫌な予感がした。急いで上の階のさくらの部屋へ向かう。がチャッとドアを開いた。……


やっぱりいない。

さくらがいない。




       第六章終わり

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