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DIVA  作者: メロン味
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DIVA第28章〜第29章

第28章【目覚めて、DIVA……】


サキとシロツメはやっと安全……な場所についた。でも、時間の問題かもしれないと、サキは言う。「……。私が言いたいことは、ただこれだけ……あなたの息子さん……そう、よつばが今、ここにいます。あなたと同じ場所……ここに。だから、子どもたちについては安心してくださいな。みつばも、よつばも。なんなら、彼らのともだちも一緒。そう、それで私の言いたいことは、ハナの声はよつばがもっているの。だから、彼を追いかけて声を奪おうとしてくる人たちがいるの。あなたは彼らを守ってほしい。私も、できる限りのことはするから。あなたの力になるから……。あなたは私について来てください。ハナのため、子どもたちのため……。そして、彼女を止めるため……。あなたは必要よ。」サキは、シロツメをあえて見ずに少し寂しそうに言う。「……。ハナの声……。それを、ハナに返せばいいのか……?」シロツメは本気で状況が理解できなく、困惑している。「そう。ハナの声には感情がある。それも10個もあるの………。でも、ほとんどはよつばがもってるはずよ、だから、必ずよつばにすべての声を持ってもらわないといけないの。だって……そうすればハナを簡単に目覚めさせられる。会いたいでしょう。もうずっと苦しかったでしょう。あなた……。だから、あなたには最後の我慢をしてほしい。私に付き合って。馬鹿馬鹿しいとでも、くだらないとでも思ってもらっていい。すべてはあなたの妻のため。………いい?」サキは、真剣にシロツメを見つめる。「………わかった。」シロツメも、呼吸を整えて、同じようにサキを見る。「ありがとう…。」サキはほんの少し笑った。サキは、ずっと無表情だったから、シロツメはちょっとびっくりした。こんなふうに笑える人なんだ……と。











「てことはお前……あと1個か2個でママの声が揃うってこと………??」みつばは、嬉しそうに笑う。「てことは……!ママは起きるの?!」みつばは嬉しそうにココロを見る。「……うん。そーだね。」ココロは、どこか不満そうに笑う。「よつば!!ありがとうっ!!お前が……弟でよかった……っ。」みつばはまた泣きそうになって、よつばの肩を持つ。「うん!!みつば!!ママに会おう!!」よつばは、やっとみつばの笑顔が見れて嬉しかった。正直、ハナに会うよりも幸せだった。よつばは、目の前の幸せを大切にしたいから、もうこのまま帰ってもいいくらいに満足だった。「やったよ!!みつば!!きゃっきゃっ!!」よつばはみつばと手を取ってぐるぐる周りだす。「しずかに。バレちゃうよ……レイニーズに。」ココロがよつばとみつばを止める。「え?れいにーず?」よつばが首を傾げる。「青と黄色の服を着てる人たちだよ!!お前、よく捕まらなかったよな。」みつばはそう言う。「へぇ……そうなの…」よつばはよくわかっていない。「多分、クローバー……君はオレンジの髪の色の人と、紫の髪の人と、ピンクの髪の人に追われてたよね。アイツらは、レイニーズで1番シゴトができるやつらだよ。ぼくにはアイツらが同じにしか見えないけどね。」ココロは不愉快そうにレイニーズの話をする。「ねいさーず……。こわいなぁ…」よつばは、不安そうに言う。「レイニーズ!」みつばは思わずつっこむ。「みつばくん……ってことは、よつばのキョーダイ??弟だっけ。」アオキがいきなり口を開く。「あっ?!弟じゃないっっ!!双子の兄だっっ!!」みつばはちょっとイラついて言う。「ごめんごめん。さっきの様子を見てると、おにいさんには見えなくて。」アオキはからかう。「〜〜〜!!」みつばは何が言おうとしたけど、その通りだったから、言葉が出なかった。「……。だって、双子なんだから兄も弟もないだろっ!!勝手に決められただけだしっ!!」みつばはなんとか言葉を絞り出す。「そうだねぇ。ブラザー。でも、兄の特権ってすげーぞ?うちのアニキなんて、兄ってだけで得しまくり〜。弟の俺は最底辺ですよ〜〜だ。あんな家、二度と帰らねー。一生アオハをちやほやしてらええだろ。」アオキは上品に話す。「……。でも、ぼくはさ。おにいちゃんだからってよつばの面倒を見させられたの。ありえないよ。だって、それをするのはパパとママの役目でしょう?それをなんでぼくにやらせてたのか……。」みつばは、寂しそうに言う。「ぼくだって、パパとママともっといっしょにいたかったのに。」みつばはまた泣きそうになる。「あーあ。かわいそうに。家族にぞんざいに扱われたんだな。俺もだよ。みつばちゃんっ。かわいちょーにぃ。だいじょうぶでちゅか?もう心配ないでちゅよ」そんなことを言ってアオキがみつばにくっついてくる。「やめろよ!ぼくは本気でいやだったのに!」みつばもう、アオキの獲物だ。「ごめんごめん、みつばきゅん〜。傷ついちゃったよね?ハグで治してあげよ〜かっ?」アオキはまたまたふざける。「やめろって!ぼくはそんな気分じゃないの!」みつばはアオキに怒る。「ふ〜ん?寂しくなっても知らないからねぇ。」アオキはニヤニヤして言う。「みつばにはぼくがいるよ。」よつばがみつばを抱きしめる。「だっ……だからっ……!!い、今はほっといてほしいんだってば!!」みつばが抵抗する。




「どこにいるの……?」




ハナの声だ……「ママっ!!ぼくはここだっ!!早くきて!!」みつばが……1番に反応した。「そ〜なの。今から行くから待ってなさい。」優しいハナの声がする……。「……まって。アレぜったいハナじゃない。」さくらがドアを睨む。「……えっ。」みつばはたじろぐ。「ハナはしゃべれないでしょ……声がないんだから。」さくらはそう言う。「えっ……じゃあ、こっちに来ちゃうっ!!どうしよう!!!!」みつばがパニックになる。「隠れよう。」さくらはみんなに目配せする。






ガチャ



と扉が開く。「いるんでしょう。みつば」ハナの美しい声が、聞き慣れた声に変わっていく……ジョンの声だ……。みつばはすぐにわかった。「おとなしくでてきなさ〜い。いるのはわかってるんだから〜。」声はジョンしか聞こえてこないが、足音は何個もするのでジョン1人ではないだろう。みつばたちは、とりあえずみんなで机の下に隠れていた。「ねぇ。みつば。見て。このケータイアイツらから盗んできた。これで逃げよう。」ココロはあの謎のケータイを取り出してみんなに見えるようにする。「えっ?!すご……っ!じゃあ、そうしよう。」みつばは謎のケータイを見つめる。「みなさん。これに触って。」ココロは謎のケータイをみんなの前に差し出す。「これってさっきも使ってなかった……?!」ゆりが驚いて言う。「そうだよ。早く触れてっ。」ココロがゆりの手を無理やりケータイにくっつける。「いくよ。」ココロが謎のケータイを操作する。「なに話してるのかな?」ジョンがニヤニヤして近づいてくる。ココロは、すばやく謎のケータイを操作した。……すると……。








「………?うそだろ……まさか。」ジョンは驚いてる言う。「……まって?!私のケータイが……!!」コスモがポケットや服を触って言う。「バカなのっ?!あんたっ!!何してんのよ!!」クルコがコスモをビンタする。「やめてよ!!こっちだって、わざとじゃないんだからっ!!」コスモがビンタし返す。「おいおい。こんな時にそんなケンカすんなよ〜〜。………レイニーズ。全員に次ぐ。めんどくさいことになった。とにかくガキ全員を捕まえろ。ただ、ココロ様だけは丁重に扱えよ。」ジョンはコスモたちをなだめ、レイニーズ全体に指示を出す。「了解です!リーダー!!」と、レイニーズは敬礼する。レイニーズはバラバラに。でも、均等に。「来い。お前ら。」ジョンはコスモとクルコを呼ぶ。3人で輪になる。「いいか。お前らは俺と行動しろ。そして、バラちゃ〜ん。」ジョンは近くで聞いていたバラみを呼ぶ。「あ……はい。」バラみは、ゆっくり出てくる。「君はレイニーズちゃんたちと一緒に探し回ってね。お前は見つけるのがうまそうだしなぁ。」と、ジョンは言う。「はっ……はいっ。」バラみはとりあえず歩き出す。子どもたち……。バラみは一生懸命子どもたちを探す。でも、見当たらない……何か手がかりは……。バラみは、ふと謎のケータイを見る。「ん………?」バラみは、右上のマークに注目する。そのマークをタップすると、レイニーズの仲間たちの名前が出てきた。どうやら、持ち主に近づくとケータイ同士が反応して見つかりやすくなるらしい。「!!!この中から、コスモさんのを探せば……っ!!」バラみは駆け足になって探す。ただし、レイニーズは多い……この中から探すのは、日が暮れそうだ……。他のレイニーズ達もバラみの様にこの機能に気付いたものは何人かいるとは思うが、こんなに大量の人から探すのは大変だろう。バラみはそれでも、とにかく走る。「………。いつまで持つかな……。この状況……。」ココロはくたくたになって言う。「もう疲れたよ……。」みつばもくたくただ。「………。あれ。このドアは……?」よつばは、ふと目についたドアが気になった。ココロたちにバレないようによつばはドアを開く。
















よつばがその部屋に入ると、そこにはたくさんの本があった。「………?」よつばは、不思議そうにそれらを眺める。ふと、足元に何かがあたる感触があり、よつばは下を見る。「……本…?日記かなぁ……きたない…。」よつばは、その本をこっそり開く。



1日目  


子供が生まれた。名前はココロにした。名前の由来?それは、心。心って色んな形があるでしょう?とても素敵なの。だから、この子にも色んな体験をしてほくて、そういう名前にしたの。まぁ……辞書で調べたことなのだけど。最初、生まれてすぐに泣かなくて、とても体調が悪そうだった。私は、本気で神様を憎んだ。ココロにこんな思いをさせて、許すものかと。でも、ココロは無事に生きていた。涙を流して泣いていた。あと、私はしばらくは動けないみたいで、寝たきりの生活になるみたい。仲間のみんなに話すのが楽しみ。


2日目  


夫がいない。きっと捨てられたんだ。だって、子どもができた時から様子がおかしかった。私たちと生きていく気なんて、最初からなかったんでしょう。もう二度と顔も見たくない。消えて。 



3日目


嫌な夢ばかり見る。夢日記はよくないみたいだから書かないけど、正直辛いな。ココロも最近ずっと泣いてばかり。ちゃんとお世話してるのに、なんで泣いてばかりなの? 


4日目


夜道に捨てられた子供を見つけた。名前は、クルコというらしい。さっきお母さんがおいてったばかりみたい。あぁ。かわいそうに。だから、私が家で預かることにした。これからよろしくね。


5日目


5日目と書いてあるけれど、前の日記から結構経ってるの。あれから子どもたちがたくさん増えたので、森の奥の方に使われていない施設があったので、そこで暮らし始めることにした。ココロも広くて気に入ってるみたいよ。よかった。あと、子どもたちは、私の名前をとってレイニーズって名乗ってる。おもしろいわね。この子たちは、私を欲してくれる。私を愛してくれる。だから、私も答えなければ。



6日目


ハナの声がうっとおしい。うるさい。黙って。ハナは私のやることなすことに文句を言ってくる。子供を増やすのは間違ってるって。そんなことを言われたって、あの子たちが私無しで生きていけると思ってるの?ハナは1番信用してる仲間だから、彼女にだけ話したのに。毎日口うるさくそう言ってくる。ハナの歌声は最近とても評価されている。私よりも、他の仲間よりも。ハナの歌なんて、私しか知らなかったのに。私がいなければ一生、歌でなんて生きていけないはずだったのに。何もしないで人に愛されるあなたが私に文句言わないで。


7日目


ある日、ハナの声を録音して音波計などで彼女の声を調べてみた。すると、おもしろいことにふつうでは人間がだせない超音波?のようなものがあった。私は専門家でもなんでもないけど、やっぱりハナの声はおかしい。私だけがそれに気がついている。みんな、ハナにすっかり騙されて。馬鹿みたい。







よつばは、書いてあることがよく分からず、渋い顔をして見ていた。




「なにしてるの?」



……ターコイズの髪を持つ。美しい女性……。DIVAのレインだ。




よつばは、本を慌てて服の中に入れて隠す。大きすぎるから、ポケットには入らない……。「あ、あの……本がいっぱいですごいと思ってみてました。」よつばは、レインのただならぬ雰囲気を察してそう言う。レインは、とても微笑んでいるが、よつばにはただ笑ってるようには見えない。なんとなく……怖いのだ。「あら……そう。ここは寒いでしょう?他のところへ行ったら…?あなたにはきっと、ここにある本を読んでも理解できないと思うの。レインは、圧をかけてくる。「はいっ」よつばは、ココロたちがいる場所へ足早に戻った。










すると………そこにはバラみがいた。「やめてっ!!バラみさんっ!!」ゆりが謎のケータイへと手を伸ばすバラみを抑える。「でもっ……でもっ……!!」バラみは泣きそうになりながら謎のケータイへ指を伸ばす。「ダメッ!!」それをゆりが必死に抑える……。







「う、うああああ!!」

バラみは叫びだした。……とすると、バラみは光を放ち出した……。





バラみの姿は変わっていた……バラみは、大声で叫ぶ「もういやああああ!!ダレカタスケテっ!!!」バラみはゆりの両肩を掴んで揺さぶる。「いたいいたいいたいいたい!!」ゆりは力強く揺らされて首がぐわんぐわんになる。バラみはパニックになって、部屋中を荒らし始めた……まるで、いつも学校で暴れていたみたいに……。



「なんだっ?!」「なになにっ?!」レイニーズたちが、大きな物音にざわつく。居場所がバレてしまった……。「あそこかっ。」ジョンがニヤつく。「お前ら!音のする方へ急げっ!!今すぐだあぁ!!」ジョンは指を指してケータイに叫ぶ。



「うおおおお!!」


やる気のある叫び声が聞こえて、ジョンは満足そうに微笑む。









「ばっばっばっ………バラみさんっ?!?!」ゆりはものすごくびっくりして叫ぶ。「どうしよう……!これじゃあ、なんにも聞こえないよっ!!」よつばは困って叫ぶ。








「………!!バラみさん…………!!!!」



シュガーが遠くの部屋から反応する。この音に聞き覚えがある……。いつもバラみが暴れている時の音。シュガーは、急いで音が聞こえる方へ走り出す。











「ああああああっ………!!!!」バラみは、おかしくなって絶叫する。聞いてるだけで、見ているだけで痛々しい。バラみの声はとても苦しそうだった。「いやっ……!!いやっ………!!!!もういやっ!!!!!」バラみは部屋を荒らすのをやめて、しゃがみ込む……。「バラみちゃん?!」レイニーズと同じ服を着たリンが部屋に入ってくる。「あ!!なに!!その服!!!」ゆりがリンに向かってそう叫ぶと、後ろからたくさんの足音が……。「お〜っと〜。バラみ。君だったのか。」ジョンがニヤリと笑う。「お前はやってくれると信じてたよ。その声は僕のもの。かわいいかわいいバラちゃん。さぁ、よこせ。その声を。」ジョンはバラみのあごをあげて引き寄せる。でも、バラみはジョンをビンタして、距離を取った。「……ちっ。あの女を捕えろ。」ジョンはバラみを睨みつけ、レイニーズに指示を出す。レイニーズは、バラみを捕らえようとみんなで彼女を抑えるが、バラみの力が強すぎて、みんな振り下ろされてしまう。








「バラみさん……。まって。」



バラみを綺麗な声が呼ぶ……。バラみはその声に吸い込まれるような感覚になる。












「うっ……うっ……」幼いバラみは、机につっぷして泣いている。肩が震えて、話せもしない状態だった。バラみは、ゆり達のこと、アオハのことを思い返していた。出会えてよかった……。だけど、それよりも悲しいことが多かった。本当は、ゆりたちともっと遊びたかったし、アオハとも愛し合ってみたかった………。きっと、そんなことが出来ていたら、どれほど幸せで満たされていたんだろう。今まで、思い通りにいかないことばっかりで苦しかった……辛かった……寂しかった………。ママは優しく私を認めてくれたけど、パパはあたしを冷たく突き放した。だれか、あたしを愛して。心から、愛してよ……。ゆりちゃん、リンちゃん………。あなたたちはいつも2人で楽しそうに遊んでた。あたしは、それを窓の中から眺めるだけ……ずっと、家にいたからね。外に出たくても、出られなかったの。雨が降る日も、晴れていても、雪が降っていても、ずっとあたしはひとりぼっちだった………。あたしのこと、誰か……誰が愛してくれるの?あたし、いつか………素敵な人……。




「バラみさん。」耳元でそっと声がする……バラみは、ゆっくり顔をあげ、横を見る。「………あなたは……?」バラみはシュガーを見て、驚く。あまりにも……美しい人だったから………。「バラみさん。そんなに泣かないで。」シュガー、悲しそうにバラみを見て、指先で涙を拭く。「………!」バラみは、シュガーの美しい姿に緊張する。こんな人が……自分のすぐ目の前にいるなんて。「バラみさん………。あなたは、とっても素敵な人だから………。そんな顔をしないで。あなたは、僕のすべてだ。」シュガーは、バラみの手の上に自身の手を覆い被せる。バラみは、更に涙を流す。「バラみさん……僕を見て。」シュガーはバラみの瞳を独占する。ずっと、ずっと………。彼女のことを独り占めしたかった。やっと、やっと………。シュガーは、長い髪の毛をほどいて……。


シュガーは、バラみの唇を奪う。




バラみは、彼にすべてを吸い取られているような感覚になった。それと同時に、涙が溢れ出てきた。私を、心から愛してくれる人……。それはあなただったんだ。バラみも、シュガーを抱き寄せて愛を伝える。





バラみは、前の姿にゆっくりと戻っていく……。その瞬間はとてもロマンチックだった。まるで、どこかのおとぎ話に出てくるお姫様と王子様みたいに。でも、ジョンだけは、無表情だった。もう、どんなものを見ても聞いても何も感じられなくなってしまったのかもしれない。「……ありがとう。シュガー……。」バラみがそう言うと、声が出てきた。そう、あの光だ。よつばは、その光を捕まえようと手を伸ばす。光は、やっぱりよつばの方へ向かっていく。「………!!まてっ!!」ジョンも光を追う。「あの光を捕まえろ!」ジョンは叫ぶ。レイニーズは、ジョンの指示に従って動き始める。でも……。光を捕まえることができない。触ることができないのだ。「リーダー!!捕まえられない!!」レイニーズはそう叫ぶ。「は?!そんな……。」ジョンは頭を抱える。




よつばの目の前に声が来た時………!!ココロがその声を鷲掴みにした。「やった!!これで……!!ママに褒めてもらえるっっ!!お前らなんかよりも、ぼくのがずっと偉い!!ざまあみろ!!」ココロはそう言ってどこかへ走り去る。「え?!こ、ココロくん!!うそっ!!やめて!!」よつばが叫ぶけど、ココロは足を止めない。よつばがココロを追いかける。さくら、アオキ、ゆり、みつばもよつばに続いて走る。「……。ココロ様の邪魔をさせるな!!!アイツらを止めろ!!!」ジョンは、謎のケータイから全体にアナウンスする。声が響いて、よつばたちにも聞こえている。「まってー!!!それがないと!!ママにあえないの!!!」よつばは、必死に叫ぶけど、ココロは止まらない……。「やめてっ!!なんでこんなことするの!!もう……!」よつばは、泣きそうになって言う。だって、早く家に帰りたいから。一刻も早く。「うるさい!!ぼくはママの1番になるんだっ!!!!もう邪魔しないでっ!!!!」ココロは絶叫する。









       第28章終わり














第29章【あいにきたよ、ハナ。】「見て。DIVAのみなさま。」サキとシロツメは、実はDIVAたちと合流していた。「ハナ……?」キャリーナが反応する。ハナが、目の前にいるのだ………。ハナは、ガラス張りの棺のようなところで眠っている。シロツメは、目の前に彼女がいることが信じられなくて、なんにも言えない……「今のままでは、ハナは死んでるようなものよ。声が必要なの……。」サキは、悲しそうに言う。「ハナの声って、あの子しか持ってないわよね。」スパイスがサキに言う。「……そう、きっと、あなたちの中で浮かんでる人が。」「よつばくんよ。」キャリーナが言う。「……。そう。よつば。彼がハナの声を持ってる。もうすぐですべてそろうはず。だから、早く彼と合流しないと。」サキはそう言って、ドアを開く。







「あら。あなたたち。こんなところにいたの?」そこにはレインがいた。「れ、れ、れ、れ、レイン?!」DIVAたちは、一気に驚く。「う、う、う、う、うそっ?!ど、どうしてっ……。」キャリーナが苦しそうに言う。「あのね。今わたし、とてもいい気分なの。」レインは嬉しそうに笑う。「あっ……あんた……。いきなりこんなところに出てきて……。なんなの……?」スパイスは、レインを睨む。「あっ。あなたはハナの旦那さんよね?なんであんなハナなんかにこんなに良い人ができたのかしら。どうして?私よりも劣っているはずなのに。」レインはシロツメを睨む。「アンタ……。その言い方はないんじゃないのっっ?!?!」キャリーナがレインに飛びかかろうとしたが、スパイスとオリーブがキャリーナを抑えつける。「キャリーナっ!!ダメっっ!!落ち着いてっっ!!」スパイスはキャリーナに同情しているが、さすがに手は出せない。「キャリーナさんっ!!」オリーブも、小さな体で必死にキャリーナを抑える。「アンタ……っ!!ふざけんじゃないわよっっ!!ここまで来てあたしたちをコケにするなんてっっ!!アンタにとって!!ハナは仲間じゃなかったの?!」キャリーナは取り乱す。「そうかも。ハナなんて。あ、ねぇ。聞いてよ。それよりも、私、すごく気分がいいの。なんでか知りたい??今日、ついにハナの声がすべて揃うの。だって、あの子がここにいるからね。」レインはにっこり笑う。「はぁっ?!ふざけんなっ!!なんだよ!?それっ!!??」キャリーナは半狂乱になって叫ぶ。



「あ……。お…お前がハナを?」




シロツメはレインを睨む。「……。そう。私がハナをあなたたちから奪った。ねぇ、私を見て。私の声を……聞いてよ。」レインは泣きそうになってみんなにそう言う。「……は?」シロツメは、レインの言っている意味がわからない。「あなたは、何を言っている。……は、はやくハナを返してくれ……。もうそれ以外に興味がないよ、あんたなんかにっっ!!」シロツメはレインに怒鳴る。「………。ハナは私のものよ。だって、私がハナをここまで導いてきた。あなたたちはハナのこと、何にも知らないのよ。私のことだってね!!知らないくせに、ギャーギャーギャーギャー言って、うっとおしいのっっ!!……。でもね。私には、約束された未来がある。ほら。」レインはたちまちオレンジの髪になり、姿を変える。「ままっっ!!」


ココロがその瞬間、飛び込んできた。「ママ、見て!!これ……ぼく初めて手に入れたの!!これ……見てっ!!ママっ!!」ココロは、レインに光を見せる。「ココロくんっ!!」すると、よつばの叫び声がした。レインは、ココロには目もくれずによつばの方へ向かう。「……っまま……ままっ。まま!!ままっ!!」ココロは、レインのドレスの裾を持って、掴まる。レインは、微動だにしない。「ちょうだい。その声。だいじょうぶよ。私は、あなたを愛してあげられる。みんなを均等に愛すの。だいじょうぶよ……あなたのことだって…守ってあげるから……。」レインは、そう言ってよつばに優しく微笑む。「ままあああ!!おねがい……ごめんなさい……うっ……うっ……。」ココロは、子供のようにレインに泣きつく。子どもであれば……だれだって親に見てほしい。「ママ……っ。ぼくをおいてかないで……。ひとりにしないで。」ココロが、レインのスカートにくっつく。レインは、ココロの重みであまり動けない。「………。」レインは、ココロの重さを感じる。お腹の中にいた頃みたいだ。でも、確実に大きくなっている。ココロは、生まれた時、命に危険があった。ココロは、生まれた時に泣かなかったのだ。レインは、赤ちゃんは生まれた時に必ず泣くと聞いていたので、とても不安になった。近所のおばあさんおじいさん夫婦が、1人で過ごすレインのことをひどく心配していて、色々教えてもらっていた。この頃から、夫とは連絡がつかなくなっていた。レインは、それでも、ココロのために頑張ってきた。DIVAの活動を増やして、体調が悪い時も、無理をして笑っていた。レインは、無理をするのがとても得意だ。だって、自分さえ我慢していれば皆んな綺麗な自分だけを見ていてくれる。レインは、嘘でも嫌なところをみんなに見せたくなかった。それもすべてこの子のため。だけど、生まれた子はもう助からないかもしれないとのこと。レインは、もう過呼吸になって、レイジョンの心をあたためてくれたのは、レインしかいない。ジョンは、いつも強がっていて、みんなには見えない闇を隠してる。でも、レインには筒抜けだ。隠そうたって、隠せない。だから、ジョンはレインを愛している。レインは、こんな自分を唯一愛してくれる。居場所がない自分を認めてくれる。そんなレインがだいすきだから……。彼女のために、頑張ってきた。すべてを捧げてきた………。みつばも、そうだ。支えられながら、ひとまず眠りについた。レインは、もう寝ることすらめんどうに感じた。もう、何もしたくない。




その次の日の朝。大きな赤ちゃんの泣き声がして、レインは飛び起きた。「あっ……!あっ……!!」レインは、看護師さんからココロをもらい、だいじにだいじに抱きしめた。「あぁ……。ココロ…。」レインは、ココロの名前を呼ぶことしかできなかった。彼が生きてるだけで、もうそれだけで幸せだから。





すぐ近くで我が子が泣き叫んでいる。レインは、ココロの方を振り向き、ココロを抱きしめた。ココロは、とてもびっくりした。こんな風に抱きしめてもらったのは、いつぶりだろう。もう、ずっとずっとこうしていなかった気がする。ココロは、更に涙が溢れ出て、レインを抱きしめ返す。「ママっ。」ココロは、涙声で話しづらそうだ。「……。ココロっ。」それは、レインもおんなじだった。あぁ、私はなにをしていたんだろう。「……。あぁ…」レイニーズも、ちょうどその場にいた。ジョンは、それを見てショックを受けていた。ジョンも……レインがだいすきだからだ。ジョンの心をあたためてくれたのは、レインしかいない。ジョンは、いつも強がっていて、みんなには見えない闇を隠してる。でも、レインには筒抜けだ。隠そうたって、隠せない。だから、ジョンはレインを愛している。レインは、こんな自分を唯一愛してくれる。居場所がない自分を認めてくれる。そんなレインがだいすきだから……。彼女のために、頑張ってきた。すべてを捧げてきた………。みつばも、そうだ。みつばは、レインの優しさを知っている。最初は怖く見えたけど、今では普通の人だ。みつばはココロの悩みや苦しみをいっぱい聞いてあげていた。ココロは、見知らぬ子どもばかりに構う母親が嫌だった。本当は、自分だけを見てほしい。愛してほしい。ココロは本当に苦しかった。レイニーズなんて、大嫌いだった。レインは、ココロを強く、強く抱きしめる。気づけば、彼女は元の姿に戻っていた。ココロは、やっと母親に見てもらえた。ココロは、とても満足した。ずっと、ずっと、ずっとこうしてほしかったんだ。ママに見てほしかっただけなの。ココロは、安心して、なんだか、眠くなってきた。「声………!!」よつばは、声に手を伸ばす。10個目っ!!よつばは光に手を伸ばす。これでハナを……!!






「あれ?そういえば、さくらちゃんがいない。」スパイスが、辺りをキョロキョロ見渡す。










すると、背後から歌声が聞こえた。












それは遠くから、だけど、しっかりと。その声が響くと、光はそちらへ吸い寄せられていく。「えっ?!なんでっ?!あっ…わっ……」よつばの中にあった声が、一気に失われていく………。





その声の先にはさくらがいた。









第29章終わり

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