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出来損ないと呼ばれ追放された魔王の子供は国を創造し王となる  作者: 蒼崎しんのすけ


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第二部 第六章『世界管理議会・議長』

第二部 第六章『世界管理議会・議長』


終焉の門の奥


無数の世界の残骸が渦を巻く中心で、一つの巨大な玉座がゆっくりと姿を現した


その玉座に座る存在は、人の姿をしていた


白い長髪。


黒い法衣


年齢も性別も判別できない、静かな顔


だが、その瞳だけは宇宙のように深かった


オルディスが震える声で呟く


「……議長」


ネメシスは静かに膝をつく


「お目覚めになられたのですね」


その存在は、ゆっくりと目を開いた


沈黙の支配者


議長は四人を見つめる


怒りも喜びもない


ただ観察している


やがて、穏やかな声で言った


「君たちが第三七世界の守護者か」


アークは一歩前へ出る


「あなたが世界管理議会の議長だな」


議長は頷く


「そうだ」


「私はすべての世界を管理する者」


「名は……クロノス」


その名が告げられた瞬間、時間そのものが震えた。


創設者


クロノスは静かに語り始める


「私は最初の世界で生まれた」


「そこで私は見た」


映像が広がる


宇宙誕生以前


数え切れない文明が、争いと欲望によって滅びていく


一つの世界が暴走し、周囲の世界を飲み込む


宇宙そのものが崩壊していく光景


「私は唯一の生存者だった」


クロノスは目を閉じる


「だから議会を作った」


「二度と宇宙を滅ぼさないために」


アークの反論


アークは黙って聞いていた


そして静かに口を開く


「……その願いは本物だ」


「だが、お前は間違えた」


クロノスは首を傾げる。


「間違い?」


「世界を守るために 世界を消してどうする。」


沈黙が流れる


クロノスは小さく笑った


それは何億年ぶりかの笑みだった


「設計者も オルディスも」


「ネメシスも」


「皆 同じことを言った」


「そして最後には私と同じ結論へ至った」


真実


イリスが観測を始める


すると驚愕の事実が見えた


「違う……」


ノアも叫ぶ


「この人……」


クロノスの身体は透けていた


彼は生きていない


何億年も前に命を落とし


意志だけが議会を動かし続けていた


議会は生者の組織ではない


創設者クロノスの、消えきれなかった使命が形を保っているだけだった


新たな選択


ネメシスは玉座を見つめる


長い沈黙の後、初めて議長へ問いかけた


「議長」


「私は……間違っていましたか」


クロノスは優しく答える


「違う」


「君は私の願いを叶えようとしてくれた」


その言葉にネメシスは涙を流す


何百万年もの間、命令だけを遂行してきた男が、初めて感情をあらわにした


最後の宣告


クロノスはゆっくりと立ち上がる


宇宙が揺れる


「私は君たちを認めよう」


アークたちに希望がよぎる


しかし次の言葉で、その希望は砕かれた。


「だからこそ試す」


議長の背後に、無数の世界が浮かび上がる


「もし君たちが本当に世界を救えるというなら――」


「一つも滅ぼさず すべてを救ってみせよ」


その瞬間、数千の世界への扉が一斉に開いた。


炎に包まれる世界


氷に閉ざされた世界


魔法が存在しない世界


機械文明の世界


そして、すでに滅び始めている世界。


クロノスは静かに告げる


「期限は一年」


「できなければ、私は全世界を終わらせる」


宇宙規模の試練が始まった


アークたちの新たな戦いは、自分たちの世界を守ることではない


あらゆる世界を救う旅へと変わっていくのだった。

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