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出来損ないと呼ばれ追放された魔王の子供は国を創造し王となる  作者: 蒼崎しんのすけ


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第二部 第四章『終幕への反撃』

黒い光は都市全体を覆い尽くした


鳥は羽ばたいたまま止まり、風は流れることを忘れる


市場では、笑っていた子どもも、商品を並べていた商人も、その瞬間の姿で静止していた


まるで世界そのものが、一枚の絵になったかのようだった


だが、その静止した世界で動ける者がいた


アーク


ゼル


ノア


イリス


そして、終焉議員ネメシス


終幕の世界


ネメシスは四人を見回した


「《終幕》の中で動ける者は 世界から外れた存在だけだ」


「他の者は既に終わっている」


アークは静かに剣を抜く


「終わったんじゃない」


「お前が終わったと決めつけているだけだ」


ネメシスは首を傾げた


「違いはない」


アークの挑戦


アークは両手を広げる


「《クリエイト》――生命再接続!」


白い光が都市へ広がる


静止した人々へ命の光が流れ込む


一人


また一人


指先が震え始める


ネメシスの瞳が初めて揺れた


「……終幕を書き換えた?」


アークは額に汗を流しながら答える


「違う」


「終わっていない命を、終わっていない場所へ戻しただけだ」


ゼルの覚悟


ゼルは笑いながら前へ出た


「兄上が世界を繋ぐなら 俺は道を開ける!」


彼は右腕を天へ突き上げる


「《断界・極式》!」


空間が裂ける


しかし今回は敵ではなく、自分自身を切り離した


「寿命! 限界! 恐怖!」


「全部、この戦いが終わるまで切り捨てる!」


黒い稲妻が全身を包む


アークが叫ぶ


「そんなことをしたら!」


ゼルは振り返らず笑った。


「生き残ったら戻せばいい!」


彼の魔力は都市全体を震わせるほど膨れ上がった


二人の観測


ノアとイリスは目を閉じる


未来は見えない


ならば――


二人は互いの手を重ねた


ノアが言う


「未来じゃない」


イリスが続ける


「今、この瞬間を観測する」


二人の力が融合する


静止していた時間の中に、一本だけ道が生まれる


それはネメシスへ続く道だった。


「見えた!」


初めての傷


ゼルが駆ける


今までで最速


ネメシスが迎え撃つ


「終幕」


黒い力が放たれる


しかしノアとイリスが叫ぶ


「そこじゃない!」


ゼルは一歩だけ軌道を変えた


断界が走る


ネメシスの仮面に一本の傷が刻まれた


静寂


ネメシスは自分の頬に触れる


指先に付いたのは――


赤い血


彼は何千年ぶりかも分からないほど久しぶりに、自分が傷ついたことを知った。


ゆっくりと仮面に触れ、小さく呟く


「……痛み」


その声には驚きと、どこか懐かしさが混じっていた。


新たな終幕


ネメシスは割れた仮面を外す


現れたのは若い男の顔だった


しかし、その瞳には数え切れないほど長い年月の孤独が宿っている


彼は四人を見つめ、静かに言った。


「なるほど」


「君たちは……私を止められるかもしれない」


その瞬間


彼の背後に、巨大な黒い扉が現れる


扉には無数の世界の紋章が刻まれていた。


オルディスが遠くから叫ぶ


「逃げてください!」


「その扉は……!」


ネメシスはゆっくり振り返る


「《終焉の門》」


「議会が封印した すべての世界を終わらせる権能」


黒い扉がゆっくりと開き始める


その向こうから現れようとしていたのは、ネメシスですら制御しきれない"終わり"そのものだった。

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