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森の中で  作者: 蘇芳 誉
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落ち着いたので、

「お茶、淹れなおしますね。」

新しく淹れて

「どうぞ。」

「ありがとう。」

「マリウスさん、ハンカチ出来上がったの。ジョバンニさんに、渡してもらえるかな?」

「ああ、いいぞ。預かるよ。」

よかったー。

「ところで、アルジャンの事は、秘密なんだろう?ロンドとじい様には言っておきたいんだが・・・駄目か?」

「うーん。」

アルを見る。

『そうだな。我の事は、知られたくない。が、お前だけでは、何かあった時困るか。・・・その者達は、信じられるのか?クレアや我を利用せぬと言い切れるのか?』

「まぁ、フェンリルなんて、伝説でしか知らないからな。誰も見た事ないし、本当に存在するとは、思わないだろうなぁ。だが、アルジャンが、クレアと一緒にいると知ったら、安心すると思うんだ。」

『クレア、お前から見て、どうだ?信じられる者達か?』

「私、ロンドさんは大丈夫だと思う。本当は、今日、マリウスさんとロンドさんに話すつもりだったんだけど、アルが婚約者だけって言ったから、マリウスさんにきてもらったんだよ?ロンドさんは、知り合って何年もたつけど、最初から優しくて薬草や採取の仕方なんかを教えてくれたの。孤児だからって意地悪しないし、この瞳も綺麗って言ってくれたの。それに、マリウスさんの心配もしてくれる人だよ。・・・ジョバンニさんは、1回しか会った事ないから、大丈夫とは言いきれないかな。でもね、言い伝えの事とか、巻き込まれる可能性とか教えてくれた。私が瞳の事で勘違いして泣いた時も、ちゃんと謝ってくれたから、信じたいって、思う。」

『そうか、クレアが信じられると言うなら、よかろう。だが、その2人だけだ。もし、他の者に言ったり、利用しようとした時は、覚悟せよ!それは、お前にも言える事だからな!』

「わかってる。2人にも、きちんと伝えるから、安心してくれ。」

「あのっ、あのね、私も言っとく事があるの。何言ってるんだ?って思われるかもしれないんだけど・・・」

でも言葉が出てこない。口だけパクパクしてる。

「言いにくい事なら、無理に話さなくていいぞ?」

「ううん、大丈夫。」

深呼吸をして、

「私、前世の記憶があるの。高校・・学生だったんだけど、学校から帰る途中事故で死んだんだと思う。気がついたら、赤ちゃんだった。産まれてすぐ捨てられたの。双子だったから・・・双子は不吉だからって、男の子は跡取りだから、女の子はいらない、捨ててきなさいって言われて、私捨てられたの。抱っこされて、揺れが心地よくて、寝ちゃって気がついたら孤児院にいたの。こんな話信じられないかもだけど、気味悪い事言ってるって思われるかもだけど、本当なの。」

涙が溢れそうになるけど、泣いちゃダメ!

『我がいる。そんな記憶があったところで、クレアは、クレアだ。そうであろう?』

「そうだぞ、クレア。クレアはクレアだ。気にする事はない。双子が、不吉なんて事はないんだ。そんな事を言って、子供を捨てるなんて、人間じゃないな。これからは、アルジャンも俺もいるんだから、安心しろ!」

「あり・・ありが・と・・」

やっぱり泣いて、泣き疲れて寝てしまった。


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