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森の中で  作者: 蘇芳 誉
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さて、塩とハーブをもみこんだ鶏肉を小麦粉をつけてあげていく。

この前、マリウスさんと買い物した時に、大きな商会で醤油を見つけた。でも、高くて、小さな瓶に入ったので銀貨3枚だよっ!買えないよ?マリウスさんたら、私が欲しがってるのを察して買ってしまったけど。もう、驚きで、他の調味料があるか見るの忘れてたよ。まぁ、無理なものはしょうがない。あるもので、美味しく食べれればいいかな。

ふふ、光の玉が浮いてる〜。食べたいのかなぁ。

マリウスさん、大丈夫かなぁ。

腕試しって・・・

アルも、もう無茶はしないと思うけど・・・



森の中を歩いていると、アルジャンが足を止めて

『この先に、いるな。おまえ、狩ってこい。』

「この先だな?アルジャンはここにいるのか?」

『我は、ここにいるから、早く狩ってこい!』

腕試しと言っていたから、大人しく狩りにいく。

大きなイノシシだった。久しぶりの狩りだな。さっきの事もあるから、油断せずに狩らないとな。狩ったあと、アルジャンのいるところに戻ろうとすると、アルジャンが現れ、

『我の食事だ。我は食べているが、血の匂いで集まったものを、おまえが狩るんだ。いいな!』

はぁ?お前の食事かよ!腕試しじゃないのかっ!

まあ、鍛錬してなかったし、久しぶりの狩りだからな。今日は、狩ってやるよ。アルジャンが気配を抑えているからか、色々集まってきた。

数が多く、段々と息が上がってくる。チッ、やっぱり体力が落ちたか。

動きが鈍くなってきたからか、アルジャンが、気配を解放すると、一目散に逃げて行った。

『そろそろ戻るか。帰りも、狩るのは、お前だぞ!』

「わかった。」

家に戻る間に聞かれる。

『お前は、クレアをどう思っている?本当に結婚するのか?』

「どうといわれてもなぁ。知り合って間もないから、お互いの事を知っていこうと思ってるが、アルジャンと、知り合いだとはな・・・」

はぁーーとため息をつく。

「まぁ、クレアは、俺が、公爵家の次男だと知っても態度は変わらなかった。普通は、媚びてきたり、色々ねだってきたりするんだがな。臭い香水もつけてないし。俺にとっては、理想の婚約者だな。まぁ年の差があるが、クレアが、嫌がらなければ、このまま結婚してもいいなと思うくらいには、気に入っている。」

『そうか。お前が、本気なら、我が言う事ではない。だが、本気でないなら、クレアを利用したり傷つけたりしたら許さぬからな!』

「ああ、肝に銘じとくよ。で、他に話があるんじゃないのか?」

『勘は、悪くないようだな。っと、その前に、あそこの豚を狩ってこい。』

言われたとうり、豚を狩ってくると、

『この森を見てどう思う?』

グルッと見回して、

「森なんて、こんなもんじゃないのか?何かかわったか?」

『わからぬか・・森の力が失われておる。それをクレアが、少しずつ満たしているのだ。』

「クレアが?どうやって?」

『歌を歌ってな。少しずつ力が満ちていっている。』

「歌で・・・」

『それよりも、クレアには、国を繁栄させるような加護を女神が授けるわけがない、クレアがいても繁栄しないと言ってある。だが、加護によっては、影響するかもしれぬ。欲しがる愚か者はでてくるだろう。』

「本当にクレアがいても繁栄しないのか?」

『わからぬ。クレアの加護がどのようなものなのか・・加護の使い方にもよるだろうが・・・クレアが、不安がっていたからな、安心させるために言ったのだが・・・』

「そんなに、不安そうだったのか?」

『ああ、本人は気付いてなかっただろうが、王家や貴族は嫌いだと泣きそうな情けない顔で言いながら、体が震えておったから、思わずな。』

「そうか、そうだよな。不安になって当然だよな。そこまで、気がまわらなかった。すまない。」

『クレアと話す時に、話を合わせてくれればよい。』

家に着いたので、クレアに豚を渡すと急いで解体しなきゃ!教えて!と言って一緒にさせられた。たまには、いいか。

食事を用意してくれてたから、ありがたくいただく。

アルジャンも、森で食べてたくせに、また食べている。まぁ、うまいからな、食べたくなるだろう。

食べっぷりを見て足りないと思ったのか、解体した豚肉を焼いて持ってきた。

「調味料がないから、似たような味付でごめんなさい。」

「いや、うまいよ。調味料があれば、もっと上手くなるのか?なんの調味料だ?この間の醤油か?買ってくるか。」

「いえいえ、大丈夫です。お金貯めて自分で買いますから。」

「遠慮しなくていいんだぞ!」

スープもおかわりして、満足だ。

クレアが片付けて、お茶を持ってきた。

「アル、どうだったのかな?」


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