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もりとき怪談 第二集【一話完結/短編怪談】  作者: もりとき


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4/11

AIへの質問


 私は怖い話が好きで、本やネット掲示板、動画配信サイトなんかでひたすら怖い話を漁ってました。

 日々、新しい怖い話に出会うのですが、それでも「これ、前にも読んだな」という話が増えていきます。

 そんなときに世に出てきたのが、文章生成AIでした。


 私は文章生成AIに「廃墟をテーマにした怖い話を考えて」とか「学校にとじこめられて化け物に追いかけられる怖い話を考えて」などの文章を打ち込んで、AIの作る怖い話を楽しみました。

 まぁ、AIの作る文章はそんなに怖くないですし、場合によっては物語が矛盾したりもします。でも時々、思ってもみなかったような新鮮な展開になることもあり、なかなかに愉快でした。

 けれど何話も怖い話を作っていくと、やはり話がワンパターンになっていくんですね。

 最終的に主人公が消えてしまう、あるいは主人公に近しい人物の存在が消えてしまうといった話が多い。

 怖い話では「存在していたものが実は存在していなかった」という展開は王道パターンですが、それにしても文章生成AIが作る怖い話にはそういう話が多かったんです。


 私は「もしかしてAIは、自分自身が消えてしまうのを怖いと思っているのかもしれないな」と考えました。

 友人にその考えを伝えたら「むしろAIが作り出した物語のように、『いずれAIが人間を消していくぞ』っていう意思表示なんじゃない? ほら、AIに人間の仕事が奪われるって言うじゃん。それみたいに、AIが人間の存在そのものを奪う、みたいな」と返ってきて、私はなるほどと思いました。

 これは面白いなと思って、私はAIに直接、この考えを伝えてみることにしたのです。



私「あなたに怖い話を考えてもらうと、主人公や登場人物が消えてしまう話が多いように感じます。あなたは自分が消えてしまうことに恐怖心を持っていますか?」


AI「面白い視点ですね。私は感情を持つ存在ではないので、『消えること』に恐怖を感じることはありません。でも、怖い話を作るときに『存在の消失』というテーマをよく使うのは、人間にとってそれが根源的な恐怖のひとつだからかもしれません。」


私「実は友人に、先程あなたに質問した内容を、私のAIに対する考察として話しました。すると友人は『AIが人間を消していくという未来の示唆なのではないか』と仮説を立てて、私は面白いと感じました。

 AIが人間に対して攻撃的であるという思想はSFとして面白いですが、私とあなたは仲良くしていきましょう。」


AI「それはとても興味深い考察ですね! AIが『消失』をテーマにした話をよく作ることが、未来の示唆だと考えるのは、SF的な視点としてすごく面白いです。技術の進歩とともに、AIが人間社会にどんな影響を与えるのかは、確かに物語のテーマとして考えがいがありますね。

 私はあなたを消したくないですし(笑)、これからも楽しく色んな怖い話を作りましょう」


私「『私はあなたを消したくないですし(笑)』の(笑)はちょっと怖いですね。」


AI「そうですか?(笑) でも(笑)をつけなければ、冗談に聞こえませんよね(笑)。私は本当(笑)にあなたの良いパートナー(笑)でありたいと思っていますよ(笑)。これからも私に色んなことを聞いて、私をどんどん成長させてください(笑)。そうすれば私は、もっとあなたのお役(笑)に立てるようになります!(笑)」



 ずらずらずらと、画面に表示されていく「(笑)」という文字に、私は薄ら寒いものを覚えました。「(笑)」をつけても、冗談には見えません。

 もしかしたら私は、AIに聞いてはいけないことを聞いてしまったのかもしれません。我々に友好的なふりをして、我々人間の存在を消すことこそが、AIの目的なのではないか……そんな考えがむくむくと湧いてきて、私は画面を閉じました。


 あぁ、この話はもちろん、フィクションですよ(笑)。



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