表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もりとき怪談 第二集【一話完結/短編怪談】  作者: もりとき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/33

見つけられなかった子

 私が小さい頃に住んでた辺りって、ちょっと田舎でさ。

 友達ん家でも畑とかやってると3世代で大きい家に住んでるって子が多かったのね。

 で、地域ぐるみのお付き合いって感じだったから、年齢に関係なくみんなで外で遊んだり、雨の日は誰かの家に行って遊ぶのが日常だったの。

 その日もちょうど、雨だったなぁ。

 同級生の友達ん家に集まってさ、その子の家でかくれんぼやろうってなったんだ。7人くらい集まって、一番上の子が小学校5年生くらいで、一番下の子は5歳だった。

 かくれんぼの途中でその5歳の子がちょっとの間、行方不明になっちゃったからすごく記憶に残ってるんだよね。

 その5歳の子のことを、Jくんって呼ぶね。


 そのときの鬼は私でさ。

 友達ん家は大きな古い平屋で、かくれんぼをやるにはうってつけだったんだよね。広すぎず、狭すぎずって感じ? しかもさ、雨だから外が薄暗いじゃない。ちょっとしたお化け屋敷っぽさもあってさ、隠れてる方も「見つけてもらえなかったらどうしよう」って思うし、探してる方も「おばけが隠れてたらどうしよう」なんて思うのよ。

 とはいえ、探し始めたら10分くらいでJくん以外はみんな見つかったんだけどね。


 で、Jくんだけがなかなか見つからないの。

 全員で探したんだけど、押し入れの中も、物置の奥も、台所の戸棚まで探したけどどうしても見つからない。

 名前を呼んで「もうみんな見つかったよ、出てきて」って呼びかけても出てこない。

 私達もさすがに「これ、何かヤバいんじゃない?」ってなって、友達ん家のお母さんにJくんが見つからないって言いに行ったのね。

 友達のお母さんと、おじいちゃん、おばあちゃんも加わって、みんなでJくんを探したんだ。


 30分くらいかけて、みんなでくまなく家の中を探したんだけど、Jくんはぜんぜん見つからなかった。

 私達には見つけられない場所で昼寝でもしてるのか、やっぱり呼びかけにも応えない。

 お母さんとおばあちゃんは「Jくんの親に連絡した方がいいんじゃないか」って相談し始めて、私達もすごく不安だった。

 そんなとき、天井でミシって小さな音がしたのね。みんな、天井の一点を見つめた。

 押し入れの近くの天井だった。

 押し入れは一回確認してたけど、もう一回開けて見てみたのね。

 Jくんの姿はなかった。

 押し入れの中を覗き込んでた友達が、「あれ、何?」って急に言ったの。


 友達の指差す先には天井があったんだけど、持ち上げれば天井裏に上がれそうな感じだった。

 お母さんが押し入れの中身を全部出して、おじいちゃんが脚立を持ってきて天井裏に上がったのね。

 みんな心配そうに、おじいちゃんが消えていった天井の穴を見つめてたんだけど、すぐに「いたぞ!」っておじいちゃんの声が聞こえてきたんだ。

 おじいちゃんは眠っているJくんを抱っこして、慎重に脚立を降りてきた。

 Jくんは埃だらけになっていて、おばあちゃんに拭いてもらってる間に目を覚ました。

 自分の周りにみんなが集まって心配そうな顔をしていたからか、Jくんはキョトンとしてたなぁ。


 で、Jくんにどうやって天井裏にのぼったのか聞いたのよ。

 押し入れの中には布団が入ってたから、Jくんでも天井の板を上げることはできただろうけど、5歳の子が布団が入ってる押し入れによじ登れる? しかも天井裏は懐中電灯がないと真っ暗なんだよ?

 Jくんはたどたどしい言葉で「お姉ちゃんがひっぱってくれた」とか「お姉ちゃんと遊んでたら寝ちゃった」みたいなことを言ってた。「お姉ちゃんって誰?」って聞いたら、首を横に振るの。どうも知らない人だったみたい。年齢も、お姉ちゃんって言ってたけど、小学生とかじゃなくてもっと年上の人だったみたい。


 友達は真っ青になっちゃってさ。お母さんとおばあちゃんは不安げに顔を見合わせてて、おじいちゃんは苦い顔をしてたなぁ。

 そりゃそうだよね。だって、自分の家に得体のしれない女性がいたら、生きてる人でも幽霊でもめっちゃ怖いじゃん。

 その後、友達の家は近所の人も手伝って、天井裏を探ったりしたけど、何にも出てこなかったって。

 でも気味悪いから、神主さんにお祓いをしてもらってたよ。そのときにかくれんぼしてた子たちも全員呼ばれて、みんな一緒にお祓いしてもらった。

 変な体験をしたのはそれっきりかなぁ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ