第40話 銀河的な、スペース的な街
しばらく廊下を歩く。
周囲は宇宙を舞台にしたSFでみるようなデザイン。
ドアも自動で斜めに割れて上下に開く。
「ウォーズの方か、トレックの方か。
どっちにせよ、
収容所のスチームパンク感はないな。」
案内された先はまた駐車場だった。
そこで、俺一人で車に乗せられた。
運転させられるのかと思ったら、
車内にハンドルも何も見当たらない。
「無人の自動操縦か?」
俺以外車内にいない。
だが、案内してきた人は乗り込まず、
外から車のドアを閉じてしまう
そして、車はひとりでに動き出した。
「いや、案内の人もいなくなったじゃねぇか。」
思わずぼやいたが、
外に出た瞬間広がる光景に俺は言葉を失った。
ロボットを作ろうとしたこともあり、
ロボットが出る作品は映画も漫画も小説も一通り目にした。
それらにはいろんなパターンの未来の街が描かれていた。
俺自身も想像したこともあるが、
これはちょっと予想外だった。
「……こりゃ格差どころじゃねぇな。」
時刻はわからないが、夜になって日が落ちた。
なのに、昼間のように明るい街。
街路樹や道路は前世で見たもので変わりないが、
目についた建物がすごい。
まず、高層ビルしかない。
しかも、高層ビルなのに壁が総ガラス張りだったり。
窓が一つもなかったり。
そして、人がいない。
車も俺を乗せたこの一台しか走っていない。
夜だが、時間はそこまで遅くないはずだ。
むしろ帰宅ラッシュとかくらいだろう。
なのに、左右の窓のどちらを見ても人が見つからない。
人がいない代わりなのか、ロボットたちが街を行く。
解放軍の隠れ家のように、
清掃や力仕事をやっているようだ。
人型のロボットも肉体労働に従事している。
「こんな量のロボットが日常で動作してるのは、
夢みたいだけど。
悪夢の部類だ。」
まるでロボットの街だ。
これを維持、運営するのにどれだけの資源が必要なのか。
「……街に人がいないのは、
人口が少なくなってるから、と仮定しよう。
なら、壁の外の人と中の人の違いはなんなんだ?
経済的な差なのか、身分的な差なのか。
どっちにせよここまで人口が減少してるのに、
人を壁の中に入れない理由はなんだ?
選民意識が邪魔してるのか?」
ここまで人がいないなら、
壁の外にいた人たちを入れても良いのではなかろうか。
そう思ってしまうくらい人がいない。
繁華街のような所も通ったが、誰もいない。
「政治的な問題もあるのか?
なんにせよ、
人がいないなら街灯の意味がないだろ。
ロボットたちのために明るくしてるなら、
本末転倒だ。」
これが人口減少、労働者不足に対する機械化の行き着く先なのか。
思わず頭を抱えてしまう。
人がいないためだろう。
ごみ一つ落ちていない。
きれいな街だが。
「イラスト見てる気分だわ。」
俺はそんな街の中をどんどん進んでいく。
さて、どんなところに連れていかれるのか。
とても嫌な予感がする。




