閑話 本部
通信を切ったバネロ。
本部内に漂う雰囲気は異様の一言。
「……本当にあれが男か?」
バネロの心境を代弁するように誰かが呟いた。
知能が低く、身体能力が高い、
子供を産めない個体を男と言う。
ここにいる誰もが、
男をそう言う風に認知していた。
「あんなに話を。
しかも、私としっかり交渉をしたぞ。」
バネロは頭を抱えながら呟いた。
これは異常だ。
「今の会話を録音してるな?
『円卓』を召集する。
緊急招集だ。
今の会話を円卓のメンバーに展開しろ。
後、資源保護施設でのこともまとめてあるのか?
それも展開しておけ。」
『円卓』。
世界政府における十二人のトップが直に顔を合わせて行う最高会議。
「……元帥閣下。
あれを『円卓』に連れていくのですか?」
「そうだ。
絶対に連れてこい。
傷をつけるな。薬物もなしだ。
厳命しておけ。」
バネロは思案する。
あの男が何を提案するかは別にして、
あの存在を自分個人で処理できない。
個人で処理した場合、
あんなに大事になっている時点で隠蔽は難しい。
『円卓』の誰かは既に察知している可能性すらある。
それを相談も根回しもなく処理すれば、
叩かれるのは必須だ。
「あれが何なのかは一旦おいておけ。
他の円卓メンバーがなにか知ってるかも分からん。
とにかく、
私があれに言ったように心身共に無事にここへ連れてこい。」
現場も含め、全員がバネロに従う。




