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切妻屋根の家にて〜可愛いお客様が来てくれました!〜

いつもお読み頂き、ありがとうございます。


最近、空間倉庫頼みの回が多いので次回は、ちゃんと(?)リザが料理(空間倉庫へのストック)作りをする予定です。


後程加筆修正予定です。


 「はーい、お待たせしましたー」

 

 ドアを開いた先には、ふわふわの白髪の中に一本の角。頭の左右それぞれには触り心地が良さそうな垂れたウサ耳を生やした赤い瞳の少年、キュイがニコニコと笑顔でそこに立って居た。


 「よっ! リザねぇ、こんちはっ! さっき村長の家に行ったら引っ越したって聞いたから、場所を聞いてココに来たんだぞっ! あっ、そうだコレ! この間、助けてくれたお礼! 森リンゴだ。受けとってくれよ! そのままかじっても美味いけど搾ってジュースにしても美味いんだぞ!」

 「そうだったの。来てくれてありがとう、キュイ。わっ、そんな気を使わなくて良いのに! でも、ありがたく頂こうかな? 森リンゴって初めてだから嬉しい。楽しみに皆で頂くよ! どうもありがとう」


 キュイが持つ、何か丈夫な植物の蔦で編まれている平たく丸い飴色のツヤのあるカゴを受け取る。森リンゴは下部分三分の一位が黄色っぽく、残り上部分は真っ赤でツヤツヤした片手で持てる位の大きさのリンゴなんだけど結構大きい。カゴには八〜十個位入っていた。

 

 「そう言や、リザねぇは採取用のカゴ…今渡したようなやつな? 持ってるか?」

 

 そう聞かれて横に首を振る。


 「え? ううん。良さそうなのがあれば欲しいなと思っているから、余裕が出来たら村に見に行こうかなって思ってたんだ。キュイのこのカゴ素敵だね。こういうのを探そうかな?」


 今はリンゴが入っているから、それなりの重さを感じるけど、カゴだけなら軽そうで丈夫そうだし、派手さは無いけど可愛くて、私好みだ。(そもそも採取に派手さは特に必要ないな…)

 

 「そっか。んじゃ、そのカゴもリザねぇにやるよ!」

 「わあ、キュイありがとう…って!! いてて…いやいや、そんな悪いよ!」

 「いいんだ。ウチの村はそういうカゴとか他にも色々。工芸品が特産品なんだ。だから、家にもカゴはまだ沢山ある。妹達が練習で作ったのもあるしな! それにそれはオレが練習で作ったモンの一つで、売りモンでもないから! 気に入ってくれたなら、リザねぇが使ってくれよ!」


 そう本心から言ってくれているだろう明るい笑顔のキュイに『それじゃあ、遠慮なく貰っちゃおうかな! 素敵なカゴをどうもありがとうキュイ!』と、同じく笑顔でお礼を言った。


 キュイにお礼の気持ちを込めて。帰りに、今回は作り置き(とは言え空間倉庫に入っているから問題はない筈)で申し訳ないけど何か用意して持ち帰って貰おう。弟さんや妹さんは…甘い物は大丈夫そうだよね。ご両親も甘い物は食べるかな? もし苦手な場合も考えて、別の物も用意しておこう。糸虫から助けたお礼とは言われても貰い過ぎな気がするし。


 「そうだ、キュイ。ちょっとそこの椅子に腰掛けて待っていてくれる? 今、お茶淹れてくるね…いててて」

 「おう! ありがとって、リザねぇ。なんだ? どっか怪我でもしてるのか? 歩き方が何だか変だぞ?」

 「あはは…昨日、畑を作る為に外の草刈りをしたんだけど筋肉痛になっちゃってね…いててて」

 「そっかー、でも、リザねぇ魔法使えるじゃん? ロビンにぃも。何で使わなかったんだ?」


 え? 今何て言った、この子?? 


 「え?」

 

 ハッ!? いや、決して気づかなかったとかじゃないから。そうそう、アレだよアレ!


 「えっと、ね。薬草とかになる物もあるかなと思ってね? 丁寧にやりたかったのよ! 風魔法で刈り取ると草が混ざるし、火魔法だと加減を考えないと火事の心配もあるし?」


 薬草云々に関しては途中で気づいた事だったのだけど…まあ、そう言う事にしておくれキュイよ。

 

 「そっかー! リザねぇは考えてるなー!」

 「ま、まあねー?」

 

 なんて会話しながら。受け取ったリンゴは一度キッチンまで運んでから空間倉庫にしまって置く事にして、キッチンに向かった。


 それから。キュイに紅茶の他に、ハチミツをかけてバターをのせたシンプルなパンケーキを二枚重ねにして出す。キュイは『リザねぇ、これうまいなっ!』と喜んでくれたようで、私も嬉しくなった。


 「あ、そうそう。お土産用にもパンケーキと…ちょっとした物だけど、ご家族の分もおやつを用意してあるから、よかったら帰りに持っていってね」

 「ふぉ? いーの?」

 

 パンケーキを頬張りながらキュイが首を傾げる。うん、可愛いなこの子。


 「うん、勿論! 森リンゴと素敵なカゴのお礼に」

 

 あ、今日は無理だけど、さっきキュイに貰った森リンゴでジャムとか作るのも良いかもしれないなぁ。パンケーキに合いそう。今度作ってみようかな?


 「森リンゴはオレが助けてもらったお礼だから気にしなくていいのにー。でも、パンケーキ美味いからな! くれるんなら貰うぞっ! 色々ありがとっ、リザねぇ!」

 「いえいえ、こちらこそ!」

 

 スッと。にこにこしているキュイに手を伸ばし頭を撫でる。ふわふわの髪や耳は、やはり良い手触りでずっと撫でていたくなったけど――…


 「ふおっ!? んー…リザねぇなら撫でてもいいんだけどさー…って! な、撫ですぎだっ! リザねぇ、いつまで撫でてんだ?!」


 …――ちょっと、怒られてしまった。



ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

(ブクマや評価、コメント等、いつも励みになっています。)

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