メーロディアの町にて〜目的地キタムラへ!〜
後程加筆修正予定です。(5/14 後半にリザとロビンの会話を少し追加しました。)
時刻は二十時。ファラティリア領、メーロディアの町へと着いた。この町から三日程、乗り合い馬車で進むと、いよいよ辺境の村キタムラ…の手前の町に到着である。(そこから歩いてキタムラへ行く事になるんだよね)
「ふー、着いたねー! 今日はもう宿見つけたら休みたいなぁ」
「その前に明日の馬車の発車時刻を調べておこうか。今日は大分進んだ事だし…そうだな、朝少し町を見てからの出発にする?」
「うん! そうしよう! もう少しでキタムラに着くし、村で十分な買い物が出来るかは解らないから…今までも少しずつ買い物しておいたけど、もう少し買い物もしておきたいな」
ロビンの提案に頷き、私達は少し余裕を持てる時間帯の馬車の時間を調べて。次に宿探しをしたら、停車場から一番近い宿は冒険者向けの宿だった。(すぐ近くに冒険者ギルドもある。特に用もない為、寄る予定は無いけど)なので、そこに足を運んだところ、部屋は空いていたし料金も安かったので、ここに泊まる事にした。
受付には筋肉モリモリの厳ついオヤジさんが一人、腕組みをして立っていた。元々は冒険者だったのかもしれない。何だか威圧感のようなものがあるなぁ。
「はいよ。二階の一号室、二号室の鍵だ。料金はチェックアウトの時に鍵の返却と一緒に払ってくれ。飯は朝食か夕食、どちらか選べる。あんた達は今日のみの宿泊だから…今から夕食を食堂で食べるか、明日の朝食かだが…どっちにする?」
「せっかくだし。朝は町の中で色々見ながら食べたいから、夕食の方が良いかな? 軽い物なら食べられるし。ロビンは?」
「俺も朝は町中で構わないよ。そうだね、少しお腹も空いた事だし…夕食の方にしようか」
と言う訳で。
「夕食にします」
そう受付の厳ついオヤジさん(ギルドの職員かな…?)に告げると。番号付きの木の札を渡された。食堂は後二時間位で閉まるから部屋に荷物を置いたら、すぐ食堂に行くようにと言われたので。
「はい。ありがとうございます」
私とロビンは受付の厳ついオヤジさんにお礼を言って階段を上がり、部屋に荷物を置いて食堂へと向かったのだった。ちなみに部屋は至ってシンプルな部屋で、木の机と、背もたれの無い丸い木の椅子、ベッドがあるだけだった。
食堂の扉を開け、中に入ると給仕係のシンプルなエプロンと三角巾を着けたお姉さんが注文方法等を教えてくれたのだけど――…
「いらっしゃい! ええと宿泊のお客さんだね! メニューはここから選んでね! 決まったら、その番号札と追加注文がある時はその分の代金を持ってカウンターで注文してちょうだい!「ララちゃーん、こっち酒おかわりー!!」ハイハイ、ちょっと待ってて! 席は空いてるとこ、好きなとこ座って! それじゃ、ごゆっくりどうぞー!」
…――どこの宿の食堂も夜は特に忙しそうな気がした。
軽めに夕飯を済ませた私達は、それぞれ部屋に入り今日はもう休む事にした。(あ、休む前に、お風呂には入って来た。男女別の大浴場があり、私もロビンもしっかり入浴は済ませました)
そして、翌朝六時半。チェックアウトした私達はメーロディアの町を歩いている。
「んー、清々しい空気だね!」
「そうだね。まだ割と早い時間だから人も少ないし、歩きやすいね」
通りを歩いているのは乗り合い馬車の始発に向かう人達や、早めに町を出る予定のありそうな冒険者パーティーらしき人達位だった。
クキュルルル…グルルゥ。
「……ぐ。ロビン。き、聞こえた?」
お腹が鳴ってしまった…我、空腹也。いや何キャラだよ。
「ん? 何が? さ、まずは朝ご飯にしよう」
ああ…にっこり笑う、ロビンの笑顔が眩しいな。気遣ってくれてありがとう…。これが前世の後輩(新人)だったら。
『あーっはははは! せーんぱい、何すか今の音! 腹に何飼ってんすかー? 餌やり大丈夫っすか?!』
そうからかって来たに違いない。
それから、朝早くから開いているお店を数軒見つけて。その内の一軒。パン屋さんにてサンドイッチと、温かいお茶(薬草を使った薬草茶だった。味はほんのり甘くて苦味も無く。優しい味だった)を買い、外で食べられるようにと備え付けてあった丸い木のテーブルにサンドイッチとお茶を置き、木の椅子に腰掛け、二人でもぐもぐと食べた。
「乗り合い馬車の時間まで、後一時間と少し、か」
「そっか。それじゃ、この辺りのお店を見て回るのが丁度良さそうだね」
食べ終えた、サンドイッチが入っていた袋をゴミ入れに捨て、お茶の入っていたカップは店先にある回収用の箱に入れて。
「あのさ、ロビン。さっきここに来る時に開店準備していたお肉屋さんと八百屋さん、魚屋さんに寄ってもいい? あ、後開いていれば、金物屋さんも! もし、ロビンの行きたいお店があれば、この店(パン屋)で待ち合わせでも良いんだけど、どうかな?」
今日はこの間と違って夜に近い時間でもないし、見て回りたいお店も、皆隣り合わせだったり、向かいにあったりするから一人で行動しても問題ないだろう。(それに、ナンパとかそんなに頻繁にあったりしないでしょう、それこそヒロインちゃんじゃないんだから)
少し考える素振りを見せたロビンは『うーん、俺は武器屋を見ておきたいんだけど…そこだけ見たらすぐ合流するから。この辺りの店を見ていてくれる? 俺が合流するまでは店先なり、女性の店員さんの近くに居るなりしていて?』と言う事で。
「うん! 分かった。それじゃこの辺りに居るね!」
開き始めた店を見て回る事にした。まずは――…
「おはようございまーす!」
「はい、いらっしゃい!」
「保存食を作りたいんで牛肉が欲しいんですけどー…」
「はいはい、牛肉ね! それならビッグ・バッファロの肉なんてどうだい? 今朝ギルドから仕入れたばかりだから新鮮だよ! 三キロで金貨一枚と銀貨八枚だ! お得だよ!」
「うーん、三キロは欲しいけどカバンが一杯になっちゃうから…半分で銀貨八枚になりません?」
ちなみに銀貨十枚で、金貨一枚分の価値になる。ちゃっかり値引き込みで交渉するものの――…
「半分で売るのは構わんが銀貨は九枚だな。これでも大分値引しているからなぁ」
「うーん。それじゃ、銀貨八枚と銅貨五枚!」
「銀貨八枚と銅貨八枚! これ以上は本当に無理だ」
「はい! 銀貨八枚と銅貨八枚、買います!」
「…しっかりしてるなぁ、嬢ちゃん。はいよ、ビッグ・バッファロの肉、一・五キロだ」
「わあ! ありがとうございます!」
…――と。肉屋の恰幅の良いおじさんと値引交渉をしつつ、少し負けて貰う事が出来てニコニコしながら次のお店へ。
次に向かった八百屋さんでは、傷が付いてしまった物だけど、と。林檎を三個サービスしてくれた。どうやら、先程の肉屋さんでのやり取りを見ていたらしく、値引き交渉されるよりはサービス品を渡した方が良いと思われていたらしい。
そして、丁度魚屋さんでの買い物を終えた頃にロビンがやって来て合流した。パンパンになった私のボストンバッグを見て『俺が持とうか?』(中には朝、宿で買った氷を革袋に入れた物も入っている。乗り合い馬車に乗る前に、どこか目立たない場所で買った物を空間倉庫に移すつもりだ)と言ってくれたけど、大丈夫だと言っておいた。
それから、ロビンと金物屋さんへ行き(そろそろ時間が…! な状態ではあったけれど)良さそうな片手鍋とフライパン、寸胴鍋、フライ返し、包丁等を購入したのだけれど――…
「ははは…買い過ぎ、だよね?」
…――バッグはパンパンだし。もうね、バッグのジッパー開けたら多分閉まらないと思うんだ。いっそ、鍋とか…被るか?
「リザ、今買った物は俺に持たせて? 見ての通り、俺の両手は空いているだろう? それなのにリザが、こんなに沢山の荷物を抱えていたら『あの男冷たいな』って思われてしまうだろう?」
アホな事を考える私に。ロビンが冗談を混ぜつつ、気兼ねなく預けられるようにと。救いの手を差し伸べてくれた。
「ごめんね、ロビン」
「いいんだよ。これでも力は結構あるんだ。だから、これ位は全然軽いし気にしないで、リザ」
そんな訳で。結局ロビンに荷物持ちを手伝って貰いつつ。少し急ぎながら、近くに見つけた路地裏に入り、そこでパパッとバッグの中の食料と、金物屋さんで購入した物達を空間倉庫にしまい込んで、私達は乗り合い馬車の停車場へと向かった。
そして。数日後――…
「間もなく〜、ピアニシィ。ピアニシィの町です。大岩山地区キタムラへお越しのお客様は〜、こちらでお降り下さい〜。次はフォルティシー、フォルティシーの町へ向かいます」
(着いた。この町から村までは歩きらしいけど、日が落ちるまでには着く、筈)
…――いよいよ、念願のスローライフ生活を始めるべく。私はキタムラへ向けて歩みを進めて行った。
ここまでお読み下さりありがとうございます…!!
次回からキタムラ編に入ります…!ようやくスローライフ開始です。
(5/13 日間ランキング 異世界/転移・転生(恋愛)にて、28→26位になっていました。ブクマや評価、感想等、応援して頂きましてありがとうございます…!!これからも、どうぞ宜しくお願いします。)




