夢で見たものは
本日2話目。ご注意を
メイドさんについて行っている間は誰も話さない
と、思っていたら、何とメイドさんが話しかけてきた
「この軍団のリーダーは貴方ですか?」
「えっ、どうでしょう。軍団じゃないしリーダーも決めてないよね」
モカに確認をとると、何か驚いてる
「いや、普通に君だと思っていたが」
「えっ」
「私…も」
「私もかなぁ」
「主人が仕切ることが多いから、リーダーだと思った、ました」
リル達も頷いている
「……ということです」
「は、はぁ。では、少し独り言を」
と言うと、話を始めた
「この街の姫様は、病弱な姉と大層姉思いな妹の姉妹です。その姉は、近いうちに冒険都市へと嫁ぎます。そのお相手はマハト=ダンジン」
「っ」
モカがピクッと反応した
何かあるな
「どうかした?」
「マハト=ダンジンは、王子なのを利用して多くの女性を痛めつけ、酷い時は死に追いやったこともあると聞く。関わる女性は男性恐怖症になると噂だ。そんな男に嫁ぐのか、フレイ様は」
それは、可哀想だ。だが俺たちに出来ることは無い
「今回の嫁入りはまだ正式に決まったわけではなく、断るために強い軍団で何があってもいいように、そう例えば……断った報復に姫様を殺す、といった脅威から守るために、ガイウス王は苦悩しておられます。姫様自身は知りえないでしょうが」
成程。しかし、断っては友好関係が切れてしまうのでは
「冒険都市の現王であるアバド=ダンジン様は、息子との婚約破棄は受け入れる、と仰っています。後継も弟クラト=ダンジン様に譲ると公言しており、現状マハト=ダンジンに嫁入りする必要は無いのです」
「すまない。独り言と言われていたにも関わらず口を挟んでしまう事になるが、結論は何が言いたい」
「……貴方がたが何者で、どれほど強いのかは分かりません。ですが、あの姫様方が認めたのは今までで貴方がただけなのです。お願いします、フレイ様の最後はフレイ様方が決めた人達と過ごして欲しいのです。フレイ様は心に決めたお方が未だおりません。故にこそ、フレイ様が選んだ貴方がたについて行って欲しいのです」
振り返り、頭を下げるメイドさん
「成程、貴殿はもう諦めているのか。フレイ様は婚約を破棄出来ない、と」
モカがそう言う。少し、怒っているようだ
「タクミ、すまないが予定変更だ。フラムでの素材集めは無しにして、姫様の護衛につく。ライダーズもいるし道中は大丈夫だ。問題は街中だが……」
「その話、部屋についてからにしよう。案内を」
「かしこまりました。……ありがとうございます」
◇◆◇◆◇◆
部屋についた。広い部屋で、ベッドも4つ。2人で1つだな
そんなことは今はいい。さっきの続きだ
メイドさんは既に退室している。ガイウス王に連絡しておいてもらう事にした。俺達が依頼を受ける、と
「さっきの話の続きだ。街中は我々8人しかいない」
「ライダーズの皆は冒険都市で犯罪者になったんだっけ?」
「そうだな。それ故に、入れない」
「私達で…対処できない人…いる?」
「最上級冒険者3人は厳しいかもねぇ」
「最上級3人は来ないとは思うが、上級が100人程度束になれば厳しいかもしれないな」
「現王は兵を出さないだろうし、私兵でそんなに出るものなの?」
「そうだな……出せる者もいる、と言っておこう」
となると、私兵の練度次第だな
「でもマハト=ダンジンの私兵ってそんなに練度高くなさそう何だが」
「そうだな。実際強いという噂は聞いたことがない」
多少安心できる、かな
「じゃあ今後は冒険都市に護衛で行って帰ってきてすぐ戻る感じかな?」
「そうなるな」
「これどのくらい時間かかるかな」
「多分…3週間で…往復。ダンジョンに篭もれる…のは…2ヶ月?ワゴウまでの移動で…3週間。これで大体…4ヶ月くらい…かな」
「大体そのくらいかぁ」
こんな感じで、話はまとまった。色々端折ってるけど何とかなると思ってて
◇◆◇◆◇◆
見渡す限り暗い。でも俺の体は良く見える。ここは、何処だ?
『よぉ、息子』
うぉ、ビックリした…って、誰が息子だ
『あん?そりゃお前しかいねぇよなぁ?』
そうだけどさぁ
『まぁ、いい。そんな事よりテメェ女神から力貰ってんだって?俺の息子の癖してさ』
いや、だから息子じゃねぇだろっ!
てか誰あんた!
『俺はデモニオ。ヨロシクな、息子』
だから息子じゃっ!
『いや、息子だぜ。そうだな、まだ時間はある。軽く説明してやる。感謝しやがれ?俺は子供にゃ優しいんだよ』
いや、だから…もういいや
『生物ってのは、全て神から生まれる。それがどんな神でも生まれるもんは生まれる。全能神、戦神、守護神、鍛冶神や魔神何かも、な』
魔神からも、人が
『そうだ。魔族に限らず普通の人族も生まれる。しかし、別の神が生んだ生物と同類だ。違うのは親だけ。別世界のお前らもそれは変わんねぇよ。何せ、俺は別世界で魔神やってるからな』
はっ!?
『そして、テメェは俺が作った人族の末裔だ。それに、先祖返りって知ってるか?』
聞いたことはある。先祖の力だったりなんだったりを世代を超えて受け継ぐ感じだったか?
『ま、そんな感じだ。テメェは、俺の力が色濃く出ていやがる。そいつは力になるが、飲み込まれると帰って来れねぇ。今までは封印していたんだが…この世界で解けたらしいな。ま、優しい俺は死なねぇようにその扱い方を教えに来たって訳だ』
成程な。それはありがたいがそんな厨二病みたいな設定が俺にあったとはなぁ
『ハッハッハ。誰しも持ってるんだぜ、力ってやつはよ。刺激がありゃ覚醒するかもなぁ』
そうなのか
『おっと、話すぎたか。これ以降、俺はこの世界へはこれねぇ。今回はお前を転生させた女神に無理言って来たからな』
え、まだなんにも教わってねぇよ!
『まぁ、最初から言うことは一つだった。まだ覚醒してねぇみたいだが、力が外に出てきたら、悪感情を抑えろ。いいか?殺す、憎い、恨めしい。こういった感情は力を暴走させる。《感情を殺せ》。愛しい人が殺されても、恨むな』
それは…無理だろ
『やれ。出来なきゃ守れ。テメェ等の力は世界を滅ぼせる力だ。暴れんなよ』
努力はしてやる。確約は出来ねぇ
『もし暴走して、世界を壊すくらいに暴れたら、神はお前を殺すだろう』
だよなぁ。ま、先のことはわからんが、心に留めておこう
『おう、じゃ頑張れよ』
そこで、俺は起き上がる。デモニオとの話は全て覚えている
「夢オチ、って訳にはいかないよな」
◇◆◇◆◇◆
真っ白な部屋にワタシはいる。何処だここは
『夢の中にお邪魔してるわ』
そこには、髪が白く目が赤い少女が立っていた
誰だ?
『一応神やってます!さて、時間が無いから手短に』
そう言うと、神と名乗った少女は私の目の前まで歩いてきた
『綺麗な目。でもごめんなさい。あなたの大切な人を守るために、我慢してね』
一体、何を
グチュグチューー…
神を名乗る少女が、私の右眼を抉る
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
頬を血が伝う。左眼から涙が出る。だけど声は出ない。ただ掠れたように空気を吐き出すだけだ
『ごめんなさい、ごめんなさいね』
謝りながらも、手は止まることは無い
遂に、右眼を抜かれた。痛みは引かない
ワタシは抉られた右眼部分を手で押さえて、膝から崩れ落ちた
『もう少し、耐えてっ!』
神を名乗る少女は、今度は自分の右眼を抉って抜き出す。一体、何がしたいんだっ!
『この、眼を。神眼を、貴女に…彼を…貴女の想い人を…止めてっ』
綺麗な紅の眼が右眼があった所に押し付けられる。すると、抜かれた右眼が、戻った感覚がした。つまり
『……絶対、止めてね』
右眼にワタシの眼をつけた女神が、こちらを見ていた。そこまでして、何故。想い人を止めろって、どういう
『時間ね……』
待てっ!
ワタシは手を伸ばす、女神へ
手を宙に伸ばした状態でワタシは目が覚める。鈍い痛みが右眼に残っている。左右の眼は、色が変わっていた




