竜也の強化案会議
危険区域の調査から1ヶ月後、マナ結晶の実験が順調に進み、マナ結晶を使った機械の開発が行われた。まだ政府からのマナを使用した商品の展開は許可されてないため社内で使えるようにはなっている。
*マナコーポレーション訓練調査室*
竜也「3人ともこれを」
竜也は3人分の四角い携帯電話を渡した。
直木「なんだ?これ」
竜也「これはマナフォン、新しい携帯電話だよ」
紫陽花「これ、どうやって使うの?」
竜也「念じたり、言葉を使うんだ、浅井さんに連絡してみるね」
竜也はそう言い、マナフォンを耳に当てた。
竜也「もしもし、…はい繋がりました。…はい、マナフォン、モニターとスピーカーモード起動」
竜也がそうマナフォンに命令すると竜也達の前にモニターが写し出され浅井がいた。
浅井「うん、モニター正常に機能、皆の姿も見えてるよ」
紫陽花「すっごーい!見えてる!聞こえてる!」
浅井「紫陽花ちゃんの元気な声も聞こえてるよ」
紫陽花はモニター越しに浅井と会話を始めた。
直木「ん?葵、おまえが落ち着いてるなんて珍しいな、知ってたのか?」
葵「はい、私の世界にあった技術をマナ工学の方々にお話ししたら再現してくれました。なので今回は、私も開発に携わってます」
直木はなるほどと納得する。その後マナフォンを見て竜也に問いかける。
直木「なあ、竜也、これほかにも機能があるんだろう?教えてくれよ」
竜也「あとは…カメラとパソコンの機能があるよ」
直木「便利すぎだろ、マナフォン…」
竜也「うん、俺もそう思ってる。でも皆楽しそうに開発してたから止められなくてね」
ああと思い当たる節が直木にはあるのか納得した。
直木「そっちも政府から止められるんじゃないかバンバン新しい物ができてきて対応が間に合わないーって」
現在、マナ科学の方では魔法の開発を連日成功しているため報告書の処理が間に合っていなかった。
紫陽花「そうそう!せっかく飛ぶ魔法とか試したいのにできないの!」
とプカプカ浮かびながら紫陽花は言う。
竜也「そう言いながらもう飛んでるじゃん」
紫陽花はエヘヘといいながら室内を飛び続ける。
竜也「こっちも、マナフォンの開発に一区切りついたから、葵の護衛に集中かな」
直木「そのことなんだが」
直木は竜也に向かって真剣に言う。
直木「この中で一番弱いの竜也、おまえだぞ」
竜也「え?」
竜也は理解できてないのかその場で固まることしかできなかった。直木は追撃に言う。
直木「竜也、今いくつ技、魔法を使える?」
竜也「えっと、一閃に閃牙、閃光十字衝に肉体強化の魔法だけど」
直木「足りない、圧倒的に手数が足りてない。マナの量が同じだとしても戦術で簡単に負けるぞおまえ」
竜也「…」
紫陽花「直木!言い過ぎ!お兄ちゃんだって…」
直木「だから、技と魔法を作るぞ…俺たちで」
直木の言葉に一同賛成する。
紫陽花「もう、そうゆうことー?もう驚かせないでよ!」
葵「竜也さんの技開発!良いですね!」
竜也「お、お手柔らかに…」
そう願う竜也であった。
紫陽花がホワイトボードを持ち込み直木が主導の元、竜也の強化案を決める。
直木「竜也、今の戦闘スタイルを整理するが木刀を使った刀でいいんだよな?」
竜也「いや、少し違う。まだ見せてないけど大鎌と小さい鎌も使う」
直木「どんな感じに使ってるんだ?」
竜也「小さい方はブーメランとして、大鎌は敵を一掃するときに使ってる。攻撃が大振りだからあまり使う機会がないけど」
直木「なら、拳銃作れるか?」
竜也「え?作れるけど銃刀法でだめでしょ」
直木「本物じゃなくて木製でもいい作って魔弾打ってみろ」
竜也は言われるがまま、拳銃を作りマナの塊を打ち出すイメージをした。
竜也「シュート」
魔弾が打ち出され訓練室の壁にぶつかり消える。壁には当たった痕が残っていた。直木は何か思い付いたのかニヤリと笑った。
直木「紫陽花、使用武器に拳銃も書いておけ、あと2丁拳銃もな」
紫陽花「はーい」
竜也「え?」
直木「竜也、おまえの戦闘スタイルだが…全距離対応型になってもらうぞ」
数日後
竜也は直木から課題として、武器の切り替え練習と状況判断力の向上を言い渡された。その一貫として、紫陽花に魔方陣をひたすら作ってもらいビームを打たせる竜也はビームを対処しながらその魔方陣を壊すということをやっていた。
竜也「はあはあ、くっ!」
竜也は2丁拳銃で次々と魔法陣を壊していく。だがそれより早く魔法陣が再展開され、ビームが竜也目掛けて放たれる。
竜也「…!」
竜也は左の拳銃を木刀に変え、斬撃を放ちビームごと魔法陣を切り破壊する。そのまま右手の拳銃を鎌に変え背後の魔法陣目掛けて投げて壊す。さらに魔方陣が展開される。
竜也「ターゲット…マルチロック…乱れ打つ!」
竜也は再び2丁拳銃を作り次々と破壊していくが何個か打ち漏らした。その魔方陣からビームが放たれる。
竜也「…っち!」
竜也は2丁拳銃をそのまま、投げ身代わりにして残りのビームも避ける。魔方陣が追い討ちにと近づいてくる。竜也は木刀を二刀流にして、マナを籠める。
竜也「閃光連斬!」
無数の斬撃を魔方陣目掛けて放ち壊していく。
直木「紫陽花、最後」
紫陽花「任せて!」
紫陽花は巨大な魔法陣を作り、ビームを放とうとする。竜也は居合いの姿勢をとり技を放つ。
竜也「我流・断空!」
竜也は空間ごと切り最後の魔方陣を破壊する。
竜也「ゼーハー…ゼーハー」
竜也はその場で倒れて息を切らす。そこに3人が近づいてくる。
葵「お疲れ様です。癒しますね、ヒール」
葵は緑色のオーラで竜也を包み疲れを癒していく。そこに直木が評価する。
直木「武器の切り替えはましになったが、技の選択がまだまだダメだな。マルチロックは精度が甘い、あと閃光連斬はやりすぎだ、あそこは閃牙でも間に合った」
竜也「アド…バイス、ありが…とう、はぁはぁ」
紫陽花「お兄ちゃん…大丈夫?」
竜也「紫陽花…の…空間…把握…能力には…驚いたよ…これ凄く頭…痛い!」
直木「ならマルチロックは止めるか?」
竜也「いや、補助道具をあとで作るよ」
竜也は息を整えてそう答える。
竜也「ありがとう、葵」
葵「いえ、お力に慣れて嬉しいです!」
竜也は葵にお礼を言い直木にある質問をする。
竜也「直木達はいつもこんなきついことやってるのか?」
直木「ああ、前回の調査の時に思ったんだ。このままだといずれ危険区域の魔物に殺される。だから紫陽花に頼んで、大群の対処の訓練とフェンリルに手合わせしてもらっている」
竜也「フェンリルから?」
直木「ああ、俺も気に入られたのかよく話しかけてくるぞ」
竜也は以前からフェンリルに聞きたかった光竜について話せるチャンスなのではと思った。
竜也「今、話せる?」
直木「今か?ちょっと待て……わかった、竜也少し変わるぞ」
竜也「お願い」
直木はそう言い目を閉じた。つぎの瞬間、目を開いたら灰色の目をしていた。
フェンリル「竜也、我に何のようだ」
直木の身体を借りたフェンリルが問う。
竜也「最初にあった時に話してくれた光竜について聞きたい」
フェンリル「そのことか…光竜は我と共に力を高めあった中でな、善きライバルにして友であった。やつは人間を愛しいつでもどんなことがあったか話して楽しそうにしていた。だが人間達によって倒され姿を消してしまった…」
竜也「人間を恨んでないのか」
フェンリル「恨んだ。だから人間達を蹂躙して光竜の手向けとした。だがな残ったのは虚しさだけだった」
フェンリル「そんな時だ、やつの言葉を思い出したのは私がいなくなったらお見上げ話を沢山聞かせてくれとな、だから世界中を回って人間達をみてきた。この世界に飛ばされた時もそのようにした」
フェンリル「竜也、お主からなぜ光竜の気配がするのかわからんが我は運命だと感じてる。故に近くで見守ろうとしてる。この者の身体主が我と気配が似てるのでな器として利用させてもらっている」
フェンリルは最後に言う。
フェンリル「竜也、いつかお主が力を付けたら一戦交わろうぞ。楽しみにしておる。そのときまでこやつに鍛えてもらうがいい」
フェンリルはそう言い残し気配を消した。直木は目を覚ましこう続ける。
直木「ま、フェンリルからの要望もあって竜也を鍛えてる部分もあるが、この中で弱いのも事実だ。気を引き締めろよ」
竜也「わかったよ、紫陽花頼む」
竜也はそう言い返し再び構えて課題をこなし始めた。葵は紫陽花に近づき話しかける。
葵「竜也さんの苦戦してる姿初めて見ました。いつもなんでもできるイメージだったので」
紫陽花「お兄ちゃん、自分には才能がないっていつも言って陰でいっぱい努力してるんだ」
葵「そうなんですか?」
紫陽花「うん、お兄ちゃん誰かのためだったら何でも頑張れる人だから諦めたりは決してしないんだ」
葵「誰かのために…」
紫陽花「その中に葵お姉ちゃんもちゃんといるよ」
葵「え?」
紫陽花「だって家族だもん」
葵「そうですね」
葵はそう返事をして竜也の方を見る。竜也は魔方陣からのビームを避けながら直木と戦っていた。葵はそんな竜也の姿を見てドキドキしていた。
葵(なんでしょう?この胸のドキドキは)
葵はまだ自分の気持ちが何か知るよしもなかった。




