危険区域G
*マナコーポレーション実験室(マナ工学部門)*
数週間後、竜也は自分の机で既存の鉱石にマナが付くのか実験していた。
竜也「はあぁ!」
手に白いオーラを出し鉱石に触れるとピキと音共に割れた。
竜也「だめか…これで全滅か?」
割れている鉱石の山を見て言う。
竜也「外からマナを覆うようにして頑丈に出きるけど、内側にマナを浸透させるのは無理かー」
竜也「それだと、向こうの付与魔法とやってること同じなんだよなー」
うーんと次の策を考えてると携帯がなった。
竜也「はい、もしもし」
受付「竜也さん、社長がお呼びです、社長室に来るようにと」
竜也「わかりました、ありがとうございます」
携帯を切り、社長室に向かう。
*マナコーポレーション社長室*
竜也が社長室に入ると中塚、紫陽花、直木、浅井、一護、葵が居て、葵だけ不満げな顔をしていた。
竜也「えっと何かありましたか?」
葵「私だけお留守番です」
竜也はその答えに疑問を浮かべると中塚が答えた。
中塚「瀬野倉様我慢してくさい、今回の依頼は何が起こるのかわからないのですから、竜也君、政府からの依頼で危険区域の調査に行ってもらいたい」
危険区域。マナの濃度が高く結晶化、怪物化などの被害を出しやすい地域を封鎖した場所のこと。政府がマナコーポレーションの報告書をもとに制定した。現在10か所日本にはあり、都道府県ごと封鎖されている。
中塚「今回行ってもらいたいのは危険区域G、元群馬県だった場所です」
竜也「…」
紫陽花「お兄ちゃん…」
竜也「大丈夫」
心配そうにしていた紫陽花をなだめ竜也は中塚の話を聞く。
中塚「雨宮一家にとっては故郷だった場所に向かうのは酷だと思いましたがすみません、調査できる人材があなた方以外いないので」
竜也「いえ、大丈夫です」
中塚「…そうですか、浅井、今回調査する目的と説明を」
浅井「はい、今回の調査では、生態系の変化、マナ結晶の回収、今後の拠点の確保が目的です。生態系についてですが、上空から観た映像を確認したところ、瀬野倉様の世界の魔物が生息したことが確認できました。そのため魔物の討伐とその確保もお願いします。マナ結晶についてはマナを道具に付与することで回収可能と結果がでています。回収は一護さんの班に担当してもらいます。拠点の確保は安全性を確認できたらで良いので、宜しくお願いします」
浅井が質問はと皆に問いかける。一護が手を上げようとするが竜也によって止められた。一護は驚いた様子で竜也を見る。
中塚「ないようですね、では今日のところは解散です」
*マナコーポレーション廊下*
一護「竜也!」
竜也「とうさん…」
一護が珍しく怒っていた。さっき、制止したことにだろうと竜也は思っている。
一護「なんで止めた」
竜也「いつかこうなるってお互い覚悟してたことが来たんだよ」
一護「だが!」
竜也「とうさん!これは俺が決めたことだ」
一護は目を閉じ眉間にシワを寄せた。竜也には何か葛藤しているのだろうと感じ取れた。
一護「…はぁなら竜也生きて帰ってこい約束だ」
一護の覚悟が決まった。竜也に前線を任せて、自分たちはサポートに全力で取り組み帰ってくる場所を作ると。
竜也「わかってる」
竜也はそう言い残し、この場を後にした。残された一護の側に浅井がやってきた。
浅井「今回のこと先に謝罪します。お子さんに危険なことを強いたこと、本当は私たちがやらなくてはならない役割をできないこと」
一護「それを出すのなら私も同罪です。私がマナを使えるようになってたらと」
一護は自分の手を見て言う。
一護「それでも、あの子達が必要以上に責任を負わずに済むようにサポートすることが守る事と今は思っています」
浅井「ええ、そうですね」
2人は静かにそう決意した。
*危険区域Gフェンスゲート前*
調査結構日
竜也達は最後のミーティングを行っていた。
浅井「前線は竜也君と直木さんの2人をトップに進んでいきます。続いて紫陽花ちゃんが2人のサポートをする関係上直ぐ後ろに付いてもらいます。その後ろに雨宮さん率いる回収班が並ぶ形です。質問は…ないですね。では始めます」
フェンスゲートが開き竜也達は歩みを進めた。
*マナコーポレーションカフェテリア*
葵「……はあ」
友子「竜也達が心配かい?」
友子が葵に問いかける。
葵「それもありますが、寂しいです」
友子「同じ年の子がいないからかい?」
葵「はい…今まで大人の方々が周りいましたから、竜也さん達と会ってからの日々が新鮮で離れるのがこんなに寂しいなんて思いませんでした」
なるほどね、と友子は言いながら経験したことがないから戸惑ってるとも思いある提案をした。
友子「葵ちゃん、竜也達が帰ってきたらお疲れ様会でも開こうかい?料理を作ってさ」
葵「お料理ですか?…はい!やってみたいです」
葵の顔に笑顔が戻り、友子の提案に賛成した。2人はキッチンに戻り料理の練習を始めた。
*危険区域G・山道*
竜也達は襲ってきた猪の討伐をしていた。猪の身体の一部はマナ結晶化され暴走していることがわかっていた。
直木「竜也!木刀で受け流せ!力はあっちの方が上だ!」
竜也「わかった!」
直木の指示のもと木刀を両手で構え猪の突進を受け流す。受け流された猪は木にぶつかり、動きが止まった。その隙を紫陽花が逃さず魔法で追撃した。
紫陽花「いくよー!ビーム!」
紫の光線が猪を貫通して仕留める。紫陽花は次の標的を複数にして攻撃態勢をとる。
紫陽花「ターゲット…マルチロックオン!魔方陣展開…フルバースト!いっけー!」
紫陽花の背後に展開された複数の魔方陣から紫の光線が猪達に向かい、次々と倒していく。残った最後の猪を直木が仕留める。
直木「牙突!」
鋭い爪が猪に突き刺さり倒れる。浅井が周りのマナを計測器で計り危険がないか調べる。
浅井「マイナス粒子観測なし、マナの変動なし、安全性クリア!回収班は作業を開始してください」
回収班が猪を車に運んだり、植物の採取、環境の変化を調べだした。竜也達は周辺の警戒をしながら先の戦闘を振り返っていた。
竜也「紫陽花、さっきのマルチロック、あれどうやってるんだ?」
紫陽花「あー、あれ?前にアニメでやってたの真似してみたの!そしたらできた!」
翼がはえてるロボットかっこよかったなーと紫陽花がアニメを思い出している横で直木が小声で聞いてきた。
直木「なあ、おまえの妹さん天才肌ってやつか?ここ数週間に実験体になったが毎日新しい魔法を使えるようになってくるし、浅井さんはそれを見て狂喜乱舞するしで大変だぞ」
竜也「ちょっと待ていろいろとツッコミたいことがでてきたんだか?!」
え?紫陽花、直木相手に実験していたの?!毎日、新しい魔法できているの?浅井さんは…いつも通りとして、と竜也の頭ではそんなことが思考していた。
竜也「…うちの妹がご迷惑かけてすみません」
直木「…苦労してたんだな」
竜也は直木に謝ることを始めたが何故か苦労が共感された。その時、一護が慌てた様子で竜也達の方へ来た。
一護「竜也!さっき班の人から報告があって巨大な四足歩行の足跡が見つかった…もしかしたらこいつらの親玉の可能性がある。一旦引くぞ」
竜也達は頷き、急いでフェンスゲートの方へ向かうが浅井から敵性反応がありこちらに向かってきてるとの報告が入った。
竜也「浅井さん!車に乗って安全距離まで退避!回収班はこのまま危険区域から離脱!ここは3人で食い止めます!」
3人は武器を取り出し、迎え撃つ構えをとった。
一護が止めに入ろうとするが浅井がここは私が残るのでと言うことで渋々納得し退避した。
竜也「浅井さん、敵の数は?」
浅井「7です。大きいのが1つ、残りはさっきの猪と同じ反応なのでこの山のボスかと、竜也君、私が危険だと判断したら閃光弾で怯ませるからその時に逃げるよ」
竜也「わかりました」
直木「紫陽花!俺が狼化して、気配を伝える!行けるな!」
直木は狼化して紫陽花の背中に手を付ける。すると灰色のオーラが紫陽花に流れて行く。紫陽花は弓を構えて叫ぶ。
紫陽花「ターゲットロック!ホーミングショット!いっけーー!!」
弓を引いて、七つの光の矢が山奥に向かう。
浅井「敵性反応7つ止まりました、6はマナの反応減少中…いや、違う大型に吸収されています!このままだと手に終えなくなります!」
竜也「行こう」
四人は反応があった場所へむかう。ヒト型の影が見え物陰から様子を見ると猪のマナ結晶を食べている豚の魔物…オークがいた。
紫陽花「うそ…」
直木「おいおいまじかよ」
浅井「初めて見ました」
竜也「あれが向こうの魔物…」
竜也達は改めて思う。この世界が幻想であったものが現実としてあること、そして自分たちの目の前にに倒さなければ行けない脅威がそこにいることを。
直木「なあ、紫陽花、おまえの魔法いつもどこからアイデア浮かんでくるんだ?」
紫陽花「うーんとね、アニメ!魔法少女とかロボット、それから王道のファンタジー!」
直木「それ見て真似してるだけか?」
紫陽花「そうだよ!イメージして、マナにおねがーいって」
直木(これからアニメ作る人の妄想が紫陽花によってどんどん現実になっていくのか)
直木は遠い目でそう思った




