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異世界交差(ワールドクロス)  作者: 影人形
雨宮竜也 中学生編
19/20

母は強し

*マナ・コーポレーション 研究室*


研究員「直木さん、これお願いします」


直木「はい、さっきのやつはまとめ終わったので確認お願いします」


研究員「ありがとうございます。…さすがです。分かりやすくまとめられてますね。将来先生として、教える立場になってもいいのでは?いい線いくと思いますよ」


直木「はは、考えておきます」


紫陽花「ねぇねぇ!お兄ちゃん!エアボートの先を鋭くして突撃するのはどうかな!」


竜也「コスパが悪い」


紫陽花「えー!なんで?」


竜也「どうせ、突撃したあと戦闘になってエアボートのことを忘れて帰ってくるのが目に見えるから。毎回作り直すの嫌だよ」


葵「では、魔法で製作するのはどうでしょうか?」


紫陽花「葵お姉ちゃんナイスアイデア!それじゃあ早速……できた!」


竜也「紫陽花のチート化が進んでる……」


研究室では直木と唯一残っていた研究員が報告書を纏めている。残りのメンバーはエアボートの改良に着手していた。


研究員「直木さん、手伝っていただきありがとうございます。あの研究馬鹿達が遊んでいるせいで一人では終わらなくて」


直木「いいんですよ。浅井さんがいても同じ状況になっていましたし」


研究員「いつものパターンですね」


研究員・直木「……はぁ」


竜也「苦労してるなー」


竜也は2人の心労に共感しつつも、いずれは自分もやることなんだよなと思った。


竜也(今は甘えさせてもらおう)


紫陽花「お兄ちゃん!お兄ちゃん!見てみて、飛ばして敵に当たったら爆発するようにしたよー!」


竜也「なにと戦う気だよ」


紫陽花「んーとね!敵の拠点に向けて飛ばすの!アニメでやってた!」


竜也「敵の作戦でやってたのか?」 


紫陽花「うんん、主人公側の作戦」


竜也「えっ今のアニメそんなこと主人公側でやってんの」


紫陽花「うん♪キシュウジャーってアニメ」


葵「わぁあ面白そうです!」


竜也「いや、やめたほうがいいぞ。名前からして奇襲をテーマにしてるんじゃないか」


紫陽花「うん、そうだよーキシュウジャーが悪を先手必勝であの手この手で倒すの!」


竜也「どんな作戦があったんだ?」


紫陽花「えーと、変身したときに出る爆発で倒したり、逃げた敵を先回りして倒したり、変身前に暗殺したりとかかな」 


竜也「こっっわ!」


葵「でも、私も紫陽花ちゃんに進められてアニメを見てますけどいつ放送されてるものですか?」


葵の素朴な疑問に何故か紫陽花の表情が固まった。そして竜也はその変化にまさかと思い紫陽花を問い詰める。


竜也「紫陽花…ま・さ・かだと思うが深夜アニメ見てるんじゃないよなニコッ」


紫陽花「お、お兄ちゃん…顔が怖いよ…ほらスマイル、スマーイルニコッ」


竜也「兄ちゃんは笑顔だぞニコッ……正直に話せ見てるんだろ」


紫陽花「ご、ごめんなさーい!!」


その後竜也から母親の友子にこの事が伝わり後日紫陽花はおやつ抜き、サラダ多めの料理を3日続いた。なぜ3日かというと本来一週間の所紫陽花が根を上げて竜也のひっつき虫になってしまい竜也が動けなくなってしまったからだ。



*マナ・コーポレーション カフェテリア*


ある日の昼食、いつもの子ども達4人はカフェテリアで一つのテーブルを囲っていた。竜也は一人テーブルに頭を着けている。


竜也「なんで、俺まで被害受けなきゃいけないんだ…」


直木「まぁ…なんだ…ドンマイとしか言いようがないな」


葵「あの時の紫陽花ちゃん、ずっと竜也さんに抱きついてましたからね。可愛かったです」


紫陽花「お兄ちゃん成分吸収して大☆復活!!」


竜也「だいたい紫陽花が深夜アニメをリアタイしてるのが今回の罰の引き金になったんだろ!せめて嘘でも録画したものっていってよ!」


紫陽花「やだよ!お母さんに嘘つくなんて!すぐにバレて余計に怒るんだから!知ってるでしょ!」


竜也「ぐぅぅ」


直木「そんなに怒ると怖いのか?友子さん普段優しいからそんなイメージないな」


葵「私もです」


竜也「簡単に言うと理詰めの鬼…」


直木・葵「理詰めの鬼?」


紫陽花「私たちが何が間違ってるか正論で詰めてきて、逃げ場をなくして心を折ってくるの…思い出しただけで身体がブルブル震える…」


葵「それはまぁ…」


直木「鬼…だな」


紫陽花「でしょ!お母さんそのモードになったら容赦しないんだから!いつもは優しいのに罰の時になると……」


紫陽花が話続ける背後で近づいてくる音がした。竜也、葵、直木はその人物を見ると身震いをして紫陽花を止めにかかる。


紫陽花「でね!お母さんたら」


葵「あっ紫陽花ちゃん…そ、そこまでにしたほうがよろしいかと…」


直木「あ、葵の言うととおりだ…や、やめておいた方がいい…!」


竜也「南無ー」


紫陽花「?どうしたの3人とも、それよりお母さんだよ」


友子「私がなんだって?」


ピト


紫陽花の動きが止まった。正確には背後にの圧によって動けなくなった。紫陽花助けを求めて3人の方を見るが直木は冷や汗が止まらずにいた。次に葵を見ると背後にいる友子の圧で唖然としていた。最後に希望となる兄を見ると見捨てたのかすでに両手を擦り合わせてお経を読んでいた。紫陽花は何かの間違いで背後にいるのは母親じゃないと願って振り向く。


紫陽花「……お、お母さん……」


友子「罰のあとどうしてるか様子を見に来てみたら…どうやら懲りてないようだね」


紫陽花「いやぁ…そのぉ…」


友子「追加でキッチンで皿洗い!」


紫陽花「ちょっとまっ…グヘェ」


紫陽花は友子に首根っこを掴まれてキッチンの奥へ連れ去られてしまった。残った3人はどっかで見た光景っと思っていた。


葵「紫陽花ちゃん大丈夫でしょうか?」


竜也「あいつの自業自得だほっとこう」


直木「なんだったんだ、あの圧は…絶対に逆らってはダメだって本能で感じたぞ」


竜也「はじめてか?」


直木「ああ、うちの親は俺を見捨ててたからな、一人で生きてきた」


竜也「そうなのか」


直木「だから、こうやって好き勝手自分で生き方を決められるんだけどな」


葵「お強いですね」


直木「強くなきゃ生き残れないからな!だから今周りの大人達に守られて生きているってのがこんなにいいものなんて知らなかった」


竜也「直木」


直木「だからこの環境は俺が守るって気合いが入るものだぜ」


竜也「たのむよ、マナ・コーポレーションの暴力担当」


直木「おまえも期待してるぜ。マナ・コーポレーションのマッド担当!」


竜也と直木はグータッチをして親睦をより深めた。葵はその様子を見て男同士の友情!素晴らしいですと一人で盛り上がっていた。




*危険区域A*

浅井達、調査班は山岳地帯を抜けて平地ヘと出た。周りには住宅街が広がっているが所々マナ結晶化が進んでおり風化していっている。


浅井「ふぅようやく平地に出ましたね。ドローンでまわりを見てみます。皆さんは周辺の警戒をお願いします」


浅井は素早くドローンを展開して、上空からの映像を確認する。ドローンから写し出された映像には、マナ結晶化している住宅街が写し出されていた。


浅井「ここもひどい有り様ですね。よりによって自然豊かだった所で…ん?」


浅井はドローンの映像に違和感を持ち、違和感がするほうへドローンを向かわせるとマナ結晶が多くありそこで魔物が活発に活動している場所を見つけた。


浅井「あそこが魔物の発生地点か!いやまて違う」


ドローンの映像を最大ズームにして確認すると、そこには大きな門があった。大きさにして二階建ての家くらいのサイズであり、門の前に貴族派の人間が魔物を門から呼びだしていた。さらにマナ結晶を見ると大人から子供まで結晶化されている人達から光の粒子がでて、門に吸われているのが確認できた。


浅井「外道が…!」


葉月「浅井さん!?なにがあったんですか!…!!」


一護「2人とも!」


浅井と葉月の様子が気になり一護が駆け寄るとすぐに浅井が命令を出した。


浅井「今すぐ!会社に連絡を繋げてください!」


一護「わかった!」


一護は命令にしたがい、マナフォンで秘密裏の回線を開いた。その間浅井の心の中では複雑な気持ちがあった。


中塚「浅井くん、この回線を開いたとなると緊急の案件だな。なにがあった」


浅井は淡々と報告を始めた。


浅井「危険区域Aの住宅街中心にて、貴族派と見られる一派がマナ結晶化した人達を使い門を作り魔物を呼び寄せてます。至急竜也くん達の派遣をお願いします」


一護「竜也達を!?」


中塚「理由は」


浅井「今の我々の火力では門を破壊することが不可能なこと、そしてマナ結晶化された人達を戻す可能性がある瀬野倉様のお力が必要と判断しました」


中塚「……わかった、派遣しよう」


一護「社長!」


中塚「雨宮くん、わかっている。これは大人が対応しなければならない案件だ。だが危険因子は無視できない…わかってくれ…私も嫌なのだ」


一護「わかりました…っ」


中塚「では、準備でき次第そちらに送る」


通信はそこで終了した。葉月は一護に近づいて声をかける。


葉月「雨宮さん、私たちにできることはあの子達が必要以上に責任を背負わせないことです。そこに集中しましょ?」


一護「……はい」


一護は自分の力不足に嘆きつつも、切り替えて目の前の仕事に集中するのであった。


友子「ほら魔法使ったら1からやり直しさせるからね!」

紫陽花「いやーー!!!」

キッチンの料理人「どんなに子どもが優れてようと親には勝てないんですね」

友子「ふふ、母は強よ。ほら手を止めない!」

紫陽花「つめたーい!!」

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