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異世界交差(ワールドクロス)  作者: 影人形
雨宮竜也 中学生編
17/20

前兆

*雨宮家・リビング*


8月も終盤、夏休みが終わりを差し掛かっている頃竜也は家族でテレビを見ていた。


TV「危険区域Aの周囲で魔物と思われる生物が目撃される事例が多発しております。周辺区域の住人には避難勧告を発令し、調査を進める方向です。続いてのニュースです。来年度から新設されるマナ法人の学校について、政治家であり法人の会長、岩崎さんよりお話を聞きます…」


竜也「父さん」


一護「どうした、竜也?」


竜也「危険区域Aの管理ってまだ決まってないよね?調査依頼来てるでしょ…」


一護「…そうだ、しかも危険区域Aの場所は元秋田県だ。暫くは家をあけることになる」


竜也「いつ」


一護「明日だ」


紫陽花「えーー!!急に!!」


紫陽花は突然の出張報告に驚いていた。一護は続けて竜也と紫陽花に言葉を掛ける。


一護「社長から口止めされててな、それに竜也、紫陽花…君たちは会社に所属しているとはいえまだ子どもで夏休み中だ。仕事のことを考えて欲しくなかった。これは社長と父さん達の意思でもある」


竜也「……トワも知ってたな」


夏休みのある時からいなくなっていたトワに竜也はマナフォンを取り出し問いかける。


トワ「肯定します。浅井様より口止めさてました。私は嘘をつく機能がまだ存在してないためこの情報を入手してからマスターの側から離れていました。申し訳ございません」


竜也「周りに止められてたんでしょ?謝る必要はないよ。むしろ良く約束を守ったね。偉いよ」


トワ「ありがとうございます」


一護「まっ残り少ない夏休みを満喫しなさい。父さんはこれから会議があるから行ってくるよ」


友子「いってらっしゃい」


一護「ああ、行ってくる」


一護はそう言い家をでていった。その後、友子が2人に心配している様子で言う。


友子「お父さんは2人に夏休みくらい仕事のことを忘れて楽しく過ごして欲しいって思ってるの。本当だったら私も2人に研究より学校生活して青春を謳歌して貰いって思ってる」


竜也「…」


紫陽花「お母さん…」


友子「それでも、やりたいこと…夢があるんでしょ?だからこの気持ちを押し付けたりしない。ただ必要以上に背負い込まないで、これだけは守って」


竜也「わかってる」


紫陽花「はい!」


2人は両親…周りの大人達の思いを受け止める。自分たちを心配してくれる人が多くいることが竜也にとってありがたいことだった。友子は2人の返事を聞いて、安心した表情をしてキッチンに向かいコップを洗い始める。


紫陽花「お兄ちゃん、良かったね。周りにいっぱい守ってくれる人がいて」


竜也「そうだね」


竜也はそう紫陽花に返事をして、テレビに向き直して、ニュースの続きを見始めた。その表情には複雑な顔をして。紫陽花はその顔を見て、また声をかける。


紫陽花「ねぇ、お兄ちゃん」


竜也「何?紫陽花」


紫陽花「今から葵お姉ちゃんの所に行こうよ!」


竜也「どうした、急に」


紫陽花「いいから!いこ!トワちゃん、葵お姉ちゃんの場所分かる?」


トワ「はい、現在、マナ・コーポレーションの道場で素振りをしてます」


紫陽花「よし、いこー!」


竜也「ちょっ、紫陽花、引っ張らないで」


紫陽花は竜也の袖を引っ張りマナ・コーポレーションへ向けて歩き始めた。その様子を見てた友子は思う。


友子(竜也、あなたがどんな責任を背負っているのか分からないけど、雨宮の心得忘れるんじゃないよ)



*マナ・コーポレーション 道場*


葵は刀を握り葉月と対面していた。刀には刃はないが確かにある重みに葵の中で緊張感が生まれていた。


葵(重い…真剣じゃなくても分かります…これは道を間違えれば命を奪えるものと…怖い)


竜也が頑なに真剣を使わない理由を肌で感じとる。


葵(でも、正しく使う意志があれば、間違いを…道を外さずにすむと…)


葵は覚悟を固めて刀を握り直す。葉月はその様子を見て頷く。


葉月「意思は固まったみたいですね」


葵「はい!」


葉月「それでは、夏最後の追い込み行きますよ」


葉月はその合図と共に走りだし、葵の背後取ろうとする。葵は迎え撃つ選択をして目で葉月の動きを追う。


葉月「その選択をしますか、ならば、身体強化…俊足」


葉月は足にマナを内側から放ち走るスピードを上げる。そのスピードに葵は目で追えず見失ってしまう。


葵「どこ…」


葉月「ここです!」


葵「うっ」


葵は声を頼りに構えるも、葉月の凪払いが刀に当たり、体制を崩されてる。


葉月「追撃、そこ!」


葵「まだです!」


葵は足にマナを纏わせて、葉月の刀を握っている手に蹴りを当て攻撃の軌道をずらす。その後距離をとる。


葉月「やりますね」


葵「まだまだです。葉月さんの動きについていけてないので」


葉月「ならば、対応される前に叩くまでです」


そう言いまた、葉月はスピードで撹乱させそうとする。


葵(どうしたら…見えない敵には…そうです!マナの流れを感じとれば!)


葵は目を閉じてマナの流れを感じ始める。すると、声が聴こえてきた。


???「はやーい」「みんなあつまれー!」「楽しい」「てき、このへん」「つぎあそこにいくよー」


葵の耳には確かに聞こえたマナの声しかも一部のマナは自分に味方してくれてて、場所を教えてくれている。その情報を信じて葵は斬擊を放つ。


葵「そこです!」


葉月「うわっあぶな…!」


葉月の進行方向に斬擊を放つことで動きが止まり視界にとらえることができた。


葵「今です!鏡華月!」


葉月「しまった!」


葵の攻撃に葉月は一歩反応が遅れて、刀で防御する構えをし、刀同士がぶつかる。


葉月「重い……!」


葵「う…うぅあああ!」


葵は緑のオーラが全身から流れ出て力を籠める。葉月も負けじと全身にオーラを纏い押し返そうとする。


葉月「はああぁぁぁぁッ!」


葵「あああぁぁぁぁッ!」


お互いのオーラがぶつかり合い空間に振動が広がる。その場にいた門下生、研究員がぶつかり合うオーラを浴びて冷や汗をかいてこの試合の行く末を見守っている。そこに竜也と紫陽花が道場に入る。すると、突然二人からオーラが消え倒れた。


竜也「えっとこの状況は?」


門下生「竜也くん、いらっしゃい。今、瀬野倉様と葉月さんが夏休み最後の本気試合をしてました」


竜也「それで、葵と葉月さんはオーラをだし続けてマナの消費が激しくなって倒れたと…」


門下生「そうだと思います」


紫陽花「お兄ちゃーん、二人とも目を回しておきないよー」


竜也「……取りあえずマナ回路のマナを元に戻すか、紫陽花てつだって」


紫陽花「はーい」


竜也は葵の身体に手を当ててマナを少しづつ流し始めた。紫陽花も同様に葉月にマナを流して安定化させる。10分位で二人は目を覚ました。


葵「あれ、最後は…」


葉月「うぅ身体が重い…マナ切れとは鍛練が足りませんね」


竜也「二人とも大丈夫?」


葵「はい、ありがとうございます。まだ身体が重たいですね」


葉月「紫陽花ちゃん、ありがとう。私もです」


紫陽花「スッゴいマナの衝突だったね!なんかビリビリした!それで、こう…兎に角すごかった!」


竜也「落ち着け、紫陽花。お二人ともお疲れさまでした。でも、なんであそこまで本気を?」


竜也は興奮して、目をキラキラさせている紫陽花を頭を撫でて、落ち着かせつつ質問をした。


葉月「私と師範が暫く道場を空けるので一度実力を見ようかと思いまして」


その言葉に竜也は思い当たるものがあった。先ほど家でした会話だ。


竜也「もしかして、危険区域の調査ですか?」


葉月「おや、伝達されたのですね。その通りです。師範と私は調査班の護衛として同行することになりました。師範はすでに現地に向かっています」


竜也「そうですか…」


葉月「…竜也さん、大丈夫です。皆を守って見せますよ。だから安心して研究に修行、学校生活を楽しんでください」


竜也「はい…」


葉月「それと葵さん」


葵「はい!」


葉月「先ほどの試合いい経験ができました。あなたはもっと強くなれますよ」


葵「ありがとうございます!」


葉月「それでは私も準備がありますので失礼します」


葉月は道場に一礼して後にした。残った人達も研究に戻る者、明日の準備を進める者、特訓に励む者に別れ始めた。集まった3人で葵が問いかける


葵「お二人はどうしてここへ?」


竜也「紫陽花につれてこられた」


竜也はそう答えると紫陽花に振り向く。葵も続けて紫陽花の方を向くと紫陽花はフッフッフッと笑いながら背中に隠した物を取り出す。


紫陽花「じゃっじゃーん!魔法少女が主役のロボットアニメ!これ見たかったから一緒に見よ!」


竜也「なにその危険な組み合わせは…」


葵「いいですね、見ましょう!竜也さんも」


竜也は2人のキラキラした目で見ているのを見て諦めて見ることにした。アニメは普通に王道のロボット展開で楽しく見れた。



竜也「紫陽花、このアニメ…魔法少女必要ある?」

紫陽花「なにいってるの!?ロボットにかわいい女の子は必要でしょ!」

竜也「魔法は!?」

紫陽花「魔法なんて、当たり前に使えるから新鮮味ないでしょ」

竜也「そういえば現実が魔法が使えるファンタジーだったわ」

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