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第33話 対抗戦の種目決め

「それで、みんなはもう何の競技にするか決めたの?」


沙耶香が少し困ったような表情で俺たちに尋ねる。

正直なところ、俺自身もどんな競技を選べばいいのかよく分かっていなかった。


「とりあえず、一対一の決闘は確定でいいだろ。先に書いておくぞ」


ハヴィックが真っ先に、白紙へ競技名を書き込んで横に置いた。

これで一つは決まった。

となれば、あとは残りの競技を考えればいい。


「でも、私たちが出たら確実に勝てそうな競技って何かあるかな?」


その時。

カミラが何か思いついたように、白紙へ文字を書き始めた。

書き終えると、その紙をこちらへ向ける。


「魔導具修理競争!?」


確かに、うちの部らしい競技だ。それに、何よりカミラの得意分野でもある。

それを見て何か閃いたのか、ハヴィックもすぐに筆を走らせ始めた。

そして少しして、自信満々に自分の案を見せてくる。

――魔導装甲殲滅戦。


「却下!」


俺は即座に否定した。

そもそも、魔導装甲を持っている相手なんてほとんどいないだろ。


「じゃあ、これはどうだ? 魔導装甲模擬殲滅戦」


「却下……」


『模擬』が増えただけじゃないか……。


「誰がそれであんたと勝負できるのよ」


ようやくカミラもそこを突っ込んだ。


「持ってないほうが悪いだろ」


……。

こいつ、完全に自分が確実に勝てる競技だけ選ぼうとしてるな。


「はいはい。じゃあ、これならいいだろ?」


最後にハヴィックが書き直したのは――

――魔導機械レース。

これならまだ分かる。

それなら俺も、もう少しうちの部らしい競技を考えてみよう。

しばらく悩んだ末。

思いついたのは一つだけだった。

――障害救助競技。

正直、それ以上何も思いつかなかったので、とりあえずそのまま書いてみる。


「いいじゃん! シュン君、これすごく私たちの部っぽいよ!」


「うん。私もそう思う」


「救助なら、俺の魔導装甲も負けないぞ」


思っていた以上に好評だった。


「じゃあ、沙耶香は何か決めたのか?」


「実は……一つだけ思いついたんだけど。でも、うちの部とはあんまり関係ないかなって……」


「別にいいんじゃない? 沙耶香ちゃん」


カミラがすぐに答える。


「部の活動と関係あるかどうかなんて、そこまで気にしなくていいでしょ。自分が楽しめそうな競技を選べばいいのよ」


「カミラちゃん――」


どうやら沙耶香は俺たちのことを気にして、なかなか書けずにいたらしい。

でも、カミラの言う通りだ。

みんなで参加する行事なんだから。

自分が楽しめる競技を選べばいい。

沙耶香の表情も、さっきより明るくなった。

そして最後に。

彼女は白紙へ、自分が出したい競技を書き込んだ。

――魔法風船戦。

その頃。

部室の外では――

ミリアン先生がこっそりと魔法を使い、扉越しに中の会話を聞いていた。

いつも周りのことを気にかける沙耶香。

少し頑固で、時々勝手に行動することもあるけれど、決して人の話を聞かないわけではないカミラ。

自分にとっての力や技術とは何なのかを、少しずつ見つめ直し始めているハヴィック。

そして、自分から前に出ることは少ないものの、必要な時にはさりげなく誰かの背中を押すヴィナ・シュン。

気づけば。

まったく性格の違う四人も、少しずつ一つの部らしくなってきていた。

ミリアン先生は、小さく微笑む。


「さて……部活動対抗戦では、どんな姿を見せてくれるのかしらね」

更新が遅れてしまってすみません!

台風の影響で、自宅のネットが完全に繋がらなくなってしまいました。

お読みいただきありがとうございます。


「続きを読みたい!」と少しでも思っていただけましたら、


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