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 なんか白い。

 広い、場所だ。

 壺を持っている。

 なんかぐにゃぐにゃして変な手触りの壺を持っている。表面には、南アジアンな顔が形取られている。

 なぜかそれを、僕は両手で持っている。

 あっちの方で、人が列に並んでいる。みんな壺を持っていた列になっている。

「はーい、これから壺を割っていきます」

 作業服を着た夜桜先輩が、丸めた新聞紙を持って言った。すこし、先輩を見て安心した。うん、先輩は安定感のある美人だ。

 すると丸めた新聞紙で、次から次へと人の手から壺をはたき落とし始めた。

 しばらくその様子を、列から外れて見ていた。ほろほろと、並んだ人の手から壺が落ちて行く。みんなつるつるとしたデザインで、僕の壺とは大違いだ。どうしてだろうか

 ガシャン。近くで割と大きな音がした。手に持っていた壺が落ちた。割れた。しまった、気が抜けていた。

 落としてしまった壺の残骸を眺めて、どうしようかと考えていると、どこからともなく、猫実さんがやってきた。猫実さんが目の前に走ってきた。すると挨拶もせずに、しゃがみこんで壺のかけらを集め始めた。無我夢中である。

 ふりふりと揺れるポニーテール。丸まった背中。かちゃかちゃと壊れた壺の破片を組み合わせている。

 ただ何も考えずに、彼女の動きを観察していた。

「できました」

 にっこり笑って、壺を渡してくるが、割れる前と形が違っている。すっごく、ぐちゃぐちゃで不気味になっている。それでも、猫実さんは気味が悪いそぶりを見せずに両手を伸ばして、胸の前に差し出してくる。

「とっても大切にしてたんですよね。どうぞ。うふっ」

 天使のような笑顔に、不気味な茶色い壺、、、の面影もない謎の物質。それでも巧は受け取る。

 まあ、いいか。

 安心しかけた途端、

「おい!何やってる!?」

 作業服を着た夜桜先輩がこちらに気づいた。振り向きざまに長い髪が、揺れる。

「やべえ、逃げろ!」

 鋭い眼光に射抜かれて、ただならぬ恐怖を感じた。

 真っ白いだだっ広い空間を走る。だが後ろに近く足音。やがて肩に手が載せられる。他人の体温。感触。

「うわあ!」

 足がもつれて転んだ。



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