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電車の音が変わった。見慣れた夜景が見える。この景色が見られるようになったのは、お助け部に入って、帰りが遅くなってからだ。

大きな河が流れている。その上を電車が走り抜けて行く。さまざまな光が川面に揺らいでいる。

他の人はどうか知らないが、電車の音は心地よく、耳に馴染んでくる。

背中合わせのまま、無言で先輩と会話するような感覚になっていた。

単純な言葉では表せない色が目の前に広がっている。思いっきりガラスに顔を近づけて、景色に見とれていた。

「じゃあね。」

「また会いましょう」

電車が止まり、人の波をかき分けながら二人は手を繋ぎながら降りていった。

猫実さんは明らかにさっきの会話を聞いていたと思わせる台詞を残して。微笑みながら、電車を降りていった。

さよならを言うように彼女のポニーテールが揺れる。

電車はゆっくりとしかし確実に加速していった。また一人になった。寂しくはなかった。

先輩がくれた言葉が、ずっと胸に残って、暖かかった。

自分の降りる駅につく。

今日は何故か、他の人の足音がやけに聞こえる日だった。

家に帰るってお風呂に入ると疲れは消し飛んで、なかなか眠れなくて、忘れたくなくて、ずっと今日のことを残しておきたくて、長い長い日記を書いた。

何かが、自分の中にある重いモヤのようなものが落ちた気がしたのだ。

少なくとも今は、巧にとって頑張らなくてもいい時間だった。

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