表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/130

4-28「未完成の退場」

魔導院地下ホール。


灰色の魔法陣が脈打っている。


クレージュの胸の奥が熱い。


共鳴。


六彩が反応している。


だが――


「止める!」


クレージュは踏み出す。


風属性を使う。


回路の流れを乱す。


だが灰色は巨大だ。


地下全体を覆う回路。


その時。


エイドが前に出た。


「下がれ」


静かな声。


次の瞬間。


彼の周囲の空間が歪む。


灰色とは違う。


完全な魔力制御。


エイドは指を軽く振る。


「封鎖」


空間が固定される。


灰色回路の流れが止まる。


魔導院長が息を呑む。


「空間管理……」


黒衣の男たちが驚く。


「管理者が直接来るとは」


エイドは表情を変えない。


「ここまでの実験は見逃していた」


「だが」


彼の目が冷たくなる。


「王都中枢は越境だ」


クレージュが回路を見る。


今なら断てる。


「今です!」


土属性。


回路の中心を破壊する。


ドンッ


灰色の魔法陣が崩れる。


魔力が散る。


地下の歪みが消える。


だが――


黒衣の男が笑う。


「十分だ」


「何?」


男は指を鳴らす。


残った灰色の刻印が光る。


「観測完了」


「六彩は安定」


「触媒適性、確認」


クレージュの背中が冷える。


(やっぱりそれが目的)


フレイが斬り込む。


だが男は下がる。


灰色の煙。


転移式。


フランソワーズが叫ぶ。


「逃げる!」


エイドが手をかざす。


空間が締まる。


だが灰色がそれを歪める。


「……転移補助術式」


エイドが低く呟く。


「準備がいい」


黒衣の男が最後に言う。


「六彩」


「次は回収だ」


灰色の光。


三人の姿が消える。


静寂。


地下ホールには壊れた回路だけが残る。


魔導院長が座り込む。


「……止まった」


フレイが息を吐く。


「だが完全じゃない」


クレージュも理解している。


敵の目的は


破壊ではない。


確認。


六彩は触媒として使える。


それが証明された。


フランソワーズがクレージュを見る。


「狙われる」


「はい」


クレージュは頷く。


エイドがゆっくり歩く。


灰色回路の残骸を見る。


そして言う。


「これは」


「組織的研究だ」


魔導院長も頷く。


「戦争期理論の完全再現」


エイドがクレージュを見る。


「少年」


「お前は」


言葉を選ぶ。


「世界規模案件になった」


地下に重い沈黙が落ちる。


灰色術式。


模倣。


そして六彩触媒。


敵はまだ姿を見せない。


だが一つだけ確かなこと。


狙いはクレージュ。

お読みいただきありがとうございます!

次回もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ