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4-23「灰色の残滓」

クレージュを触媒と狙う者。


ここから

「灰色を止める」から

「灰色の設計者を追う」へ移行していく。

魔導院地下。


灰色の村と倉庫街の記録水晶が並べられている。


淡い光が揺れ、波形が空中に映し出される。


「似ている」


クレージュが呟く。


魔導院長は静かに頷いた。


「吸引ではない」


「収束だ」


「だが中心が存在しない」


倉庫街は一点。


灰色の村は複数。


「……段階実験」


クレージュの声が低くなる。


最初は小規模。


次は広域。


「規模を上げている」


魔導院長の指が、別の波形を表示する。


「これを見ろ」


灰色の村当日の最終ログ。


最後の数秒。


波形が不自然に“切れている”。


「消失?」


「違う」


院長の目が鋭くなる。


「回収だ」


空気が凍る。


「……回収?」


「暴走で消えたのではない」


「集められた」


クレージュの背中に冷たい汗が流れる。


「どこへ」


沈黙。


答えはまだない。


だが一つだけ確かなこと。


灰色は事故ではない。


目的がある。



その夜。


王都南区、廃工房。


アーニャが鼻をひくつかせる。


「……残ってるにゃ」


石壁に触れる。


魔力の残り香。


「薄いけど、倉庫街と同じ匂い」


クレージュは目を閉じる。


風を使う。


空気の流れを辿る。


ごく微細な魔力の粒子が、

城壁外へ向かっている。


「外へ逃がしてる」


フレイが低く言う。


「王都内で完結させない気か」


「痕跡を分散させてる」


計算された動き。


犯人は焦っていない。


むしろ余裕がある。


その時、フランソワーズが現れる。


「王都外縁で同種の微弱反応」


「三か所」


クレージュが顔を上げる。


「同時?」


「ほぼ同時刻」


拡散。


分散。


追跡困難化。


「……術式は完成に近づいてる」


フレイの声が重い。


クレージュは静かに言う。


「でも未完成だ」


「だから実験してる」


その時。


微かな振動。


地面が一瞬だけ震える。


全員が身構える。


だが何も起きない。


「今のは?」


アーニャが目を細める。


クレージュは顔をしかめる。


「……共鳴」


「何と?」


「俺」


空気が止まる。


灰色術式は、

六彩に反応している。


核。


触媒。


エイドの言葉が蘇る。


お前は核になり得る


クレージュはゆっくり拳を握る。


(俺を使う気だ)


だが怒りではない。


冷静。


保つ。


フランソワーズが静かに言う。


「あなたを狙う可能性がある」


「分かってます」


「王宮は警戒を強めます」


フレイが肩を鳴らす。


「やっと本命が出てきたな」


だが敵は姿を見せない。


痕跡だけ。


回路だけ。


残滓だけ。

お読みいただきありがとうございます。


これはもう

王都の問題ではなかなってきました。

そう

大陸規模の問題へと発展していくのです。

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