表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/130

6-3「王都襲撃」

――ドォォォン!!


王都の南区画で、爆発が起きた。


石畳が砕け、建物の壁が崩れ落ちる。

悲鳴が広がり、人々が一斉に逃げ惑った。


「な、何だ……!?」


「魔物か!?」


「違う……あれは――!」


煙の中から現れたのは、灰色の巨体。


灰色兵器。


だが、これまでとは違う。


より大きく、より歪んでいる。


胸部の魔石は不安定に脈動し、周囲の魔力を無理やり引き剥がしていた。


「ギィィィ……!!」


異様な音を発しながら、一歩踏み出す。


そのたびに地面が沈む。


王都の中で。


人がいる場所で。


容赦なく。


――同時刻、王城。


「南区画で爆発! 灰色兵器を確認!」


伝令が叫び込む。


会議室の空気が一瞬で変わった。


フランソワーズが即座に動く。


「出るぞ!」


クレージュはすでに扉へ向かっていた。


「行きます」


リシェルが言う。


「私も――」


「ダメです」


クレージュが振り返る。


「ここにいてください」


「でも!」


「守る対象が外にいる」


短い言葉。


だが、それで十分だった。


リシェルは言葉を失う。


クレージュは続ける。


「だから、行きます」


そのまま駆け出す。


フレイが後を追う。


「いい判断だ」


エイドも静かに続く。


アルシェリアも言う。


「共鳴が必要」


フランソワーズが最後に言う。


「王女は私が守る」


扉が閉まる。


その音が、やけに重く響いた。


――南区画。


灰色兵器が腕を振り下ろす。


ドンッ!!


建物が崩壊する。


瓦礫が飛び散る。


「逃げろぉぉ!!」


人々が叫びながら走る。


だが間に合わない。


一人の子供が転んだ。


「……あ」


立ち上がれない。


迫る影。


次の瞬間。


風が走った。


「間に合った」


クレージュがそこにいた。


子供を抱え、一瞬で距離を離す。


「大丈夫か」


「う、うん……」


震える声。


クレージュは軽く頭を撫でる。


「もう大丈夫だ」


その言葉に、少しだけ安心が戻る。


だが。


灰色兵器は止まらない。


標的を変える。


今度はクレージュ。


「……来るか」


クレージュは剣を構えた。


フレイが横に並ぶ。


「派手にやるぞ」


アーニャが屋根の上に現れる。


「任せるにゃ!」


フランソワーズが到着する。


「市民を優先しろ!」


「了解!」


アルシェリアが前に出る。


「来るよ」


灰色兵器が踏み込む。


拳が振り下ろされる。


クレージュは真正面から踏み込んだ。


「……遅い」


一瞬で懐へ。


剣を振るう。


ガキンッ!!


装甲が軋む。


だが、硬い。


フレイが叫ぶ。


「右だ!」


フランソワーズが連撃。


関節部にヒビ。


アーニャが背後へ。


「削るにゃ!」


だが。


灰色兵器の魔力が膨張する。


「……まずい」


アルシェリアが言う。


「暴走する」


クレージュが理解する。


(巻き込まれる)


市民がいる。


逃げきれていない。


「ここで止める」


踏み込む。


アルシェリアも同時に動く。


距離が近づく。


空気が変わる。


共鳴。


灰色の流れが揺らぐ。


「今!」


クレージュが一点に集中。


全力で突き込む。


バチッ!!


魔石が歪む。


フレイが重ねる。


フランソワーズが斬る。


アーニャが削る。


そして――


ドォォン!!!


灰色兵器が崩壊した。


爆発。


だが制御された範囲内。


クレージュが風で衝撃を散らす。


瓦礫が舞い、やがて静まる。


沈黙。


そして――


歓声。


「助かった……!」


「騎士様……!」


「すごい……!」


クレージュは息を整えた。


だが、その目はまだ緩まない。


エイドが言う。


「終わりではない」


クレージュが空を見る。


黒い煙。


別の方向にも上がっている。


「……複数か」


フランソワーズが低く言う。


「同時襲撃」


アルシェリアが呟く。


「……本気だ」


クレージュは剣を握り直した。


王都は、戦場になった。

ご覧いただきありがとうございます。

次回もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ