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20話 鍛錬1

あれから数日が経過した。


エルナがヴァンパイアハンターに拉致した日、ソルカデンでは吸血鬼の話題は出てこなかった。

それは今尚健在でバレてはいない。

加えて、エルナが素顔を晒しても誰も彼女が吸血鬼とは指摘しない。

銀髪や碧眼に何か言われることも無い。


つまり何が言いたいのかというと……。


エルナが必要以上に警戒していたということである。

この感じなら、他の街に行ってもエルナが吸血鬼とバレることは無いだろう。

とはいえ、ヴァンパイアハンターのような例外もいるわけで………。


これは話し合った結果なんだが………。


「なんで俺がずっとお前についてないといけないんだ?」

「黙って」

「………え?」


元々、ヴァンパイアハンターは吸血鬼を発見できる能力を会得しているらしい。

それのせいでエルナは吸血鬼として見つかり連れ去られたという訳だ。


つまりこういうことである。


それにハンターじゃなくても、誰に攫われるかもしれないからずっと一緒いろ、と言われた。

『いやいや、さすがにそれは………』と反論をしたが、何故かいきなり吸血され俺の意見は聞いてもらえなかった。


ちょっと横暴過ぎませんかね?


「なぁ、さすがにずっといるのはキツイんだが?俺だって色々やりたいことあるし………」

「なに?文句ある?」

「……ッ。ある、言いたいことが山ほどある!」

「………っ!?な、なに………」

「確かにお前の懸念してることはわかる。警戒するのも仕方ないと思ってる。………けどな、さすがにそれを毎日やるのは俺の精神が疲れる。一緒にいるのは別にいいが。仮にも俺はまだ人間…………。一応、人間になるから………一人の時間を増やして欲しい」

「………ごめんなさい。なら、明日からは自由。だけど今日だけは付き合って」

「わかった」


その話をしたのが3日前。

今は2人で買い物をしている。


何でも、有り余る金があるから装備を買いたいとか。

ちなみに買い物を決行しようとしたきっかけは俺だった。

というか俺の金。


昨日の出来事だが、1人で外出していた時である。

たまたま、掲示板を見つけたので少しだけ覗いたのだが。

その時に、俺が殺したと思われるやつを見つけた。

俺が殺した9人のうち7人は賞金首に入っており、その受付が冒険者ギルドでやっていると載ってあるので行ってみることにした。


ギルドの中に入り、受付で賞金首のことを話すと疑うような目で見られたので、その遺跡に連れていった。

結果、俺の持ってた賞金首の身分証のカードと死体の顔が一致しているということで報奨金としてギルドから合計で115枚の金貨をもらった。


そして部屋に戻った時にそれをエルナに見られたことで買い物を決行された。


俺の金なんだが?


そんな感じで買い物をしており、先程今世で1番高い買い物をしたと思う。

それが今俺がはめている黒色の指輪だった。

この指輪は所謂、異空間収納魔法が付与されてる指輪だった。

これにより、必要最低限の荷物しか必要なくなる。

ちなみにこの指輪の金額は金貨100枚。


一言言うとすればアホだ。


高すぎる。

いや、別の空間に物を預けられるだけでもすごいものだ。

この異空間収納魔法はその指輪をはめている人物の魔力量によって決まる。

ひとつのものを収納するのに魔力は500くらい。

今の俺の魔力はあの戦いで10000を超えた。

約20個程、物を収納出来る。

このおかげでエルナが持ってたバックパックやテントなど重い荷物を持たくてもいいようになった。


随分楽になったものだ。


あとは、俺とエルナの服を選ぶだけ。

そろそろ今着ている制服とかケープコートは良いが根本的に合わない。

それに今は金貨15枚もあるのだ。

少しくらい使ったって問題はない。


そうして、俺たちは服屋に入った。

まずは俺の服からだ。

とりあえず、今着ているやつはもう使わない。

適当に選んでみる。

目に入ったのは白のフード付きコート。

腰くらいの長さのコートだ。

断熱防寒も備えており、俺にピッタリのものだった。


そこから白の長ズボンをとりシャツはワイシャツのような黒シャツで白のベストも入れる。

靴も新しくする。

ほとんど全身白で染めており、青のアクセントが混じっており所々に羽のマークが目に付いた。


これにするか


「決まった?」

「あぁ、ちょっとそこで着替えてくる」

「待ってる」

「いや、別に待たなくても自分の選んどけばいいんだけど……」

「いい、待ってる」

「わかった」


試着室に入り、早速着替える。

脱いだ服は全て、収納魔法にしまう。

数分で着替え終わり試着室を出る。

前には服を抱えて待っているエルナがいた。


「終わったぞ」

「ん……。似合ってる」

「そうか?ありがとう」

「うん。じゃあ、着替えてくる」


そう言ってエルナは試着室に入っていった。

また、数分が経過し試着室が開く。


「お待たせ」

「あぁ……」

「どう?」

「結構いいと思う」


出てきたエルナは綺麗の一言に尽きる。

白のミニスカートに白のタンクトップに白いコートを羽織っている。

コートの袖口は結構大きくダボダボである。

まぁ、言いたいことはひとつ。

俺と同じで白ずくめであるのはやめて欲しかった。


とはいえ、あいつが自ら新調したのだ。

ここは無理にでも乗らないとダメか。


「それでいいのか?」

「うん」

「じゃあ会計するか」


エルナも着ていた服を俺に預け収納魔法に入れられた。

ちなみに会計した時、定員にペアルックですか?て言われたのは言うまでもない。

しかも何故かエルナが顔を赤くするという意味がわからなかった。

お前俺を信用できないって自分で言ったやんけ。

それ忘れたんか?


いや、それくらい今は信用されてると考えていいだろう。

値段は………銀貨87枚。

結構したな。

まぁでも、制服から開放されたのは良かったかな。

さて、そろそろ店を出ないと………


「これからどうする?俺は鍛錬のついでに依頼を受けようと思ってるけど」

「…………私はいい、遠慮する」

「分かった………」


それから別行動になった。

俺はさっき言った通り、鍛錬だ。

あの戦いで実感したのは現実世界に存在しなかった魔法の効果が強い。

あのゼインという男も身体強化の魔法でスピードやパワーを上げていた。

大して俺は、能力で対抗。

たまたま、相手が術中にハマってくれたおかげで勝てたが今後も相手が思い通りに動いてくれるとは限らない。


「剣術はこの世界でも通用するのは分かった。能力も魔力を消費するのは結構痛いが通用する。切り札として使えそうだ。あとは魔法か………。詠唱スピードがな。無詠唱だと威力が落ちるし。けど、鍛えるしかないよな。得意な属性だけでもやる価値はあるだろうし。やるか」


ギルドに着いたので中に入る。

最近俺は、よく噂されている。

なんでも、賞金首を7人やったとかで賞金狙いという風に言われ始めている。

俺は、冒険者ギルドに加入してないので正規の報酬より1割引かれる。

受付の人に加入しませんか?と誘われるが、そこまで金に困ってないし情報なんて掲示板やギルドで話をかければいいだけ。

なので入る必要も無いと思うし、入るつもりもないので誘いは断っている。


とはいえ、俺みたいなガキなよく狙われる。

賞金首を一気に狩ってしまったせいか、その報奨金を狙って襲ってくる奴らが多くなった。


ほら、そんなことを話しているうちまたやってきた。

何度も返り討ちにしているのだが、懲りない奴らだ。


「よォ!また来たのか?おめぇさん金あんだろ?俺たちさぁ、貧乏だからさぁ 金がねぇんだよ」

「…………」


周りを見るとジョッキを持って笑っている奴らがいて、飲みかけのジョッキを1本見つけた。

酔ってるのか。

この世界でも酔っ払いがめんどくさいのは変わりないらしい。


「ちょっとばかし分けてくれねぇか?ほら、金貨50枚くらい…………な?」

「めんどくさっ」

「んだとぉ!!俺たちが困ってるのに!てめぇは見捨てるのか!?」

「いや、大体さ金に困ってるならこんな時間から酒なんて悠長に飲めねぇよ。馬鹿か?…………いや、馬鹿だったな。すまん、考えるまでもなかったな」

「グッ!?こ、この野郎!!」


いきなり掴みかかってくる。

酔っ払ってるのと怒りで冷静じゃない。

単調な動きにため息を着く。


「アホくさ」

「うぉっ!?」


体を横に逸らし、腕を掴んでから相手の力を利用してそのまま伏せ、腕を捻った。

膝で背中を押して、抵抗させないようにする。


「イダイ!?ぎ、ギブ、ギブギブ!?す、すまん!?俺が悪かったから!?頼むから辞めてくれ!!」

「はぁ…だったらこんな面倒なことさせるな。時間の無駄だ」


周りが俺の方を見ているがどうでもいい。

受付の方に行く。

受付嬢に何故か笑顔で拍手された。


「凄いですね。体格が全然違うのによくあんなのに勝てましたね」

「まぁ、背が大きいから強いって言う訳ではありませんから」

「確かにそうかもしれませんね。それで、ギルドに入る気になりましたか?」

「いや、何度も言ってるけど入る気ないから」

「えぇ〜、貴方が入ってくれれば絶対Bランクまで行けると思いますけど」

「俺はそこまで冒険者のランクとかそういうの興味無いんで」

「………まぁ、そうですね。興味があれば普通の人は入りますよね。それで今回などのようなご要件ですか?」

「魔法を使う魔獣と戦いたいんですけど」

「分かりました。ただ、何度も言った通りギルドに加入してない人は報酬の1割が差し引かれます。それに、パーティも組めません。全て自己責任です。それでもいいですか?」

「はい」

「分かりました。では、依頼の受注をお願いします」

「はい」


受付嬢が1枚の紙を俺の方に並べる。

【ゴブリン連隊の討伐 Bランク】

【北の荒地を占領しているゴブリン連隊を討伐せよ。主な敵はゴブリンエリート 1体、ゴブリンナイト9体、ゴブリンライダー5体、ゴブリンウィザード3体、ゴブリンビショップ2体。合計で20体のゴブリン、推奨Bランク、パーティ必須】


受付に置いてある判子を押す。


「はい!では受注が完了しました。期限は5日です。頑張ってください!」


その言葉を背にして俺はギルドを出ていった。

今のうちに色々必要な物を買っておこう。

ついでだしな。

そんなことを考えながら俺は雑貨屋に向かった。

読んでくださりありがとうございました。

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