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19話 素顔

はい、タイトル通りです。

殺した


床には5人の死体、約半分は血で濡れている。


俺が7人、自分の手で。

後悔はない。

それに………もう。


いや、今はそんなことよりも


「エルナ………。大丈夫か?」


エルナをウィスキー樽で運んでいた2人組が見えない。

きっと、奥の扉の方にいるのだろう。

死体を物色する。

身分証明になりそうなものを探す。

もしかしたら使えるかもしれないからだ。

前を歩く。

途中で探検を拾いながら奥にある扉を見つめる。


残り6900


ドアノブを捻り中に入る。


ッ!


「さてと、尋問しちゃいますか?」

「あぁ、すぐに終わらせてこいつを早く売ろう」

「うっへへ!!…ん?お、おい!?」

「どうした?って誰だ!?」


俺が追ってた2人組を見つけたのだが……そこにはもう1人、椅子に縛り付けられているエルナを発見する。

驚いてる2人だがそんなことよりエルナを見る。

傷を負ってる形跡はない………が、幾つか銀の仮面に亀裂が入ってる。

割れるのも時間の問題か………。


それにしても………。


「俺はそいつを取り戻しに来た」

「へっ!それはご苦労なこって。だがなぁ、あいつらを倒せないと俺らには勝てないぜ」

「………ひとつ言っておくぞ。あの5人は倒した」

「は?」

「死体はそこら辺にいるから見るといい」

「う、嘘だろ………。…………ッ!?おい!!こいつを殺すぞ!?どうなってもいいのか!?」

「……………」


椅子に縛られてるエルナに剣を向ける。

早速エルナを人質として使ってきたか。

その間にガタイのいい男がこちらに歩み寄ってくる。

剣を抜き、突きの構えを始めた。

対してこちらは八相の構え。

狙うは………


急所


今も尚、魔法と能力は使えない。


残り6400


着々とカウンターは減っている。

計算するに大体1分で魔力は500消費される。

持ち時間はあと12分ってところか。

充分だ。


「死ね」

「──ッ!」


蒼月で相手の攻撃を受け流し、そのまま間合いに入り、首を切る。


ぷしゃあああぁぁぁーーー


血しぶき上げて、男は倒れた。

それを見たもう1人の男は酷く脅えており………


「く、来るなぁああああああああああああ!?こいつがどうなってもいいのか!!」

「………俺は別にどうなってもいいぞ。ただ、殺せば困るのはお前らだからな。売れなければ金にならない。それに仲間の情報も吐けない。…………ま、そもそもお前は死ぬけどな」

「ぁあああああああああああああああ!?」

「うるせぇよ」


残り5900


カタカタと剣を震わせながら構える。

が………しかし、殺される事に怯えてる奴など、結局相手にならない。

吸血鬼はもう頭から外れている。

奴にはもう自分が助かる道しか考えてない。

保身


それだけ


ズカズカと近づいて行き、何もしない男の心臓を一突き。

思いっきり刺した。


「馬鹿が………。殺し合いにそんな感情持ち込むなよ。戦いなんて楽しくない。楽しんじゃいけないのに………。殺気なんて要らない。必要がない。それは足枷となりやがて自分を殺すことになる。カウント終了」


《了承、カウント終了》

《カウントに使用した魔力は戻ってきません》


………さて、そろそろエルナを助けないとな。


「エルナ、エルナ!」

「…………………」


起きる気配がない。

何か薬を盛られたか?

仕方ない、このまま運ぼう。

縛ってる縄を解き、抱き上げる瞬間。


留め具が外れてたのか銀の仮面は床に落ち、パリンッと綺麗に割れてしまった。


「あ…………………」


そして、その顔が露わになる。

ロングの銀髪が垂れ落ち、スッとした綺麗な顔立ちがくっきりと俺の瞳に映った。

その顔を見て綺麗だと思う反面、仮面のことはどう説明しようか悩んだ。


まぁ、割れたやつ持っていけば大丈夫……………大丈夫なはず!


そこから、エルナを抱いて俺は部屋を出ていった。

死体の近くを通れば、あたかもバトル漫画のように遅れて、その死体達はバラバラになった。


やべっ


細かくやりすぎた……。


戦いの最中、死体が邪魔だったから細切れにしたなんて言えない。

あ、言っちゃったと思ったけど………エルナには聞こえてないからいいや。


そうして遺跡を出ると、外は夕方だった。


「あれ?こんなに早く時間が経ったんだな」

「………ん、んぅ…………。……ここ…は?………?あれ?ユウマ?………???」


起きるエルナ、その碧い瞳が俺を覗く。

そして今の状況を理解出来ていないエルナ。

戸惑うばかりであり、色々違和感に見舞われていた。


「起きたか?」

「う、うん。…………でも、なんで?ここは?………私、確かハンターの2人に襲われて、それで、……ん?」


エルナは顔に触れると同時にペタペタと触る。どうやら気づいてしまったらしい。

よく顔を見ると、口元がアワアワと揺れており、瞳がうるうると震えていた。

泣きそう?

いや、違うな。

次の瞬間、キュッと目を閉じ口を手で押えた。


「み、見た!?」

「………見た、バッチリ見た」

「ぅぅぅぅっ!」

「………可愛い」


あ!


声に出てたらしい。

まさかの言葉にエルナは顔を赤くしていた。


「あ〜、まぁなんだ。それくらいお前は可愛いって事だよ。………悪ぃな」

「……………見られたのなら仕方ない。素顔を晒すのはもう少し先だと思ってたけど………」

「時期が早まったと思えばいいさ」

「不服だけど………。そういえば仮面は?」

「仮面は……この通り。割れたよ」

「そっか。………ユウマは私を助けてくれたんだよね?」

「あぁ、お前が連れ去られるのが見えたから遺跡に入って9人くらい倒したかな」

「9人も?」


殺した………とは言わない。

余計な情報は与えなくていい。


「えぇっと、助けてくれてありがとう。ユウマがいなかったら多分奴隷としてら売られてた。けど、なんで私を助けてくれたの?私がいなくたってユウマはやれるはずなのに………」


そんな疑問を俺にぶつけてくる。

全く、こいつは自分で言ったことを忘れたのだろうか?


「エルナ………」

「ぅ、うん」

「お前、前に言わなかったか?契約って」

「あ…………」

「思い出したか?2つの条件。ひとつはお前の代わりに喋ること。2つ目は血の提供」

「覚えてる」

「それに俺を吸血鬼にしたこと責任ちゃんと取れよ」


「…………ッ!!」


俺の言った言葉にエルナは反応する。

何故か顔を少し赤らめる………。

あ、今の言葉ミスったかも。

ただ、初めて見る素顔が、表情が俺にとっては全てが新しくて全く『ごめん』と言える感じではなかった。


「とりあえず、このまま行くけどいいか?」

「うん、頭を打たれたからガンガン響いて痛いし上手く動けない」

「わかった、なら少し我慢してくれ」

「うん」


その微笑みは今まで見てた、どの夕焼けよりも綺麗で美しかった。

読んでくださりありがとうございました。

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