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お城に泊まりに行く日になりました。
着替えやお土産を持って馬車を待っています。割と早い時間に迎えに来るそうで、いつもより早起きしました。なのでちょっと眠たいです。
今日はお城から騎士の人たちが3人来てくれたので、ウェルスタイ様にはおやすみしてもらうことにしました。久しぶりの休みを存分に楽しんでください。
馬車に乗ってお城に向かう。朝早かったので、気づいたら寝ていました。目が覚めたらお城に着いていましたよ。ビックリです。
「シーネ!」
今日もガウェン様がお出迎えです。満面の笑みでお出迎えされてちょっと恥ずかしいです。
「ガウェン様、今日からよろしくお願いします」
「喜んで」
とってもご機嫌なガウェン様です。そのままガウェン様の部屋まで連れて行かれる。
「今日はこの部屋で一緒に寝ましょうね」
ニコニコと笑顔で言われたら断れないじゃないですか。僕は「はい」と返事をしておいた。荷物を置いて一息つく。
「シーネ、さっそくで悪いのですが今から学校に行ってみませんか?」
「がっこう?」
きっと僕は行く事の無い場所。ちょっと行ってみたい。
「今から向かえばちょうど昼休憩の時間に着くんです。そこでまずは様子を見てみましょう」
先ほどとは違い真面目な顔でそう話す。そうか、昼休憩とかあるんだ。それは何てちょうどいい。
早速行きましょうと返事をする。
僕だけバタバタと準備をして再び馬車に乗る。お忍びではないけれど、僕とガウェン様の頭は目立つからフード付きのマントを用意してもらった。
ちょっと旅人風でかっこいい。
マントを翻しながら馬車に乗って学校に向かう。お城からはちょっと距離があった。
馬車の中で僕の聞いて回った少女の噂を報告する。概ね噂の通りだと言われました。
学校に着きました。今更なんだけれど、部外者だども入っていいのかな?王子様がお忍びで見学に来たという事でオッケーもらっているそうです。
ガウェン様仕事が早いですね。
馬車から降りて校舎に向かう。ガウェン様の言っていた通り昼休憩の時間になっていたようで、ちらほらと生徒が歩いていた。
本来だったら僕もここにいたのかな?と考える。こんな大勢の人の集まるところ来たことないから一人は怖い。今も隣にガウェン様が居てくれるからここに居られる。
うん、僕には学校向いてない。いかなくて正解だね。そう結論付けた。
「彼女がそうです」
たくさん人が集まっている所があるなと見ていたら、その中心人物が僕たちの探していた少女だった。
少女は確かに綺麗だった。
黒目がちな大きな瞳に、まっすぐな長い髪の毛。黄色みを帯びた白い肌。すらりとしているのに出る所は出ている。
あれ?もしかして日本人?髪の毛の色は黒い。ぱっと見だけなら大和なでしこといった感じだ。
その少女を十数人の男の人たちが囲んでいる。中には教師もいるようだ。ロリコンかな?
アルデビルド様もいた。少し離れた所にエルゴン様とパフィエルもいる。
少女の気を引こうと色々と話しかけているようだ。
あ、ガウェン様に似た顔の人がいる。髪の色が緑だけれど。ガウェン様に聞いてみたら、兄ですと眉間に皺を寄せていた。
それにしても囲んでいる人たち、イケメンが多いいな。様々なタイプのイケメンだ。優しそうな人にワイルドな人。綺麗系にカッコイイ系。これだけそろっていたらより取り見取りだね。
アルデビルド様は王子様系です。本物の王子様もいるけれど、僕から見たらその人よりも王子様っぽい。
近づかないで遠くから眺めてみる。少女は微笑みながら男の人たちの話に相槌を打っているようだ。笑う時も口元に手を当てて上品に笑っている。いい所のお嬢さんといった感じ。
あの子が男を虜にする魔性の女。ジーっと観察していると、気のせいかみんなに見えないように舌打ちとかしていない?男の人たちみんな少女よりも大きいから、うつむいた時の表情は見えていないっぽい。
遠くから見ているとその様子がよくわかる。うん、彼女は噂通りの人みたい。わざわざ逆ハールートに進んだけれど、途中でめんどくさくなって、ところどころで地が出ちゃってるんだろうな。
だけれど男の人たちは気づいていない。なんて滑稽なんだろう。
僕は思わず笑ってしまった。




