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今日はお城に行く日です。朝からご飯も食べずに準備で大忙しです。
この世界は日本と違って王国で、王様が国を仕切っている。愚かな王様だったら同じ王族に処分されるらしい。
今の王様は穏やかな人らしく、国民にも優しい王様なんだって。ちゃんと国民の意見に耳を傾けてくれるそうです。周りの貴族たちも穏やかな人が集まっていて、王国設立以来最も平穏なのではないかって言われている。
王様に会うから正装しないといけないって言われたけれど、お風呂で体を洗われた後なぜか僕は白いワンピースを着ています。
いつもはシャツにズボン、寒かったらジャケットと普通に男の子の恰好なのに。
アルデビルド様もワンピースかと思っていたのに、違った。いつも格好良いけれど、今日は普段以上に格好良い。アルデビルド様はやっぱり王子様なんじゃないかと思う。
2年前よりも身長は伸びたし、体格もよくなった。きっと細マッチョだ。羨ましい。
思わず見とれていると、ちょっと照れたみたいに頬を赤くして僕の正装をほめてくれた。
「シーネ、とってもよく似合っているよ!」
そう言ってギュッと抱きしめてくれる。褒められるのは嬉しいけれど、この格好はおかしいのではないか。
不満そうにワンピースを引っ張ると、アルデビルド様は白髪の人は白のワンピースを着るのが正装なんだと教えてくれた。靴まで白いペタンコ靴だ。頭の天辺から足先まで白い。装飾品は一切ない。
夏のお嬢さんか!って言いそうになった。お嬢さん違うし!
「王様の贈り物だから、そんな顔しないの」
ほっぺたを両手で挟まれてムニュムニュされた。
王様からの贈り物か。それじゃあ着ない訳にはいかないだろう。不本意ながらも僕は納得した。
お城にはお昼過ぎに行くことになっているから、軽く食事をしていく事になった。
ワンピース白いから、汚さないか心配です。
ウェルスタイ様にてるてる坊主みたいな全身を隠せるエプロンみたいなのを着せられて、軽食を取りましたよ。
アルデビルド様ご家族、メイドさん、護衛の方々含め顔を逸らされ大爆笑でした。汚さないようにって配慮なんだろうけれど、その気遣いが心に痛いです。
僕は無表情でサンドイッチを食べました。卵のサンドイッチちょっとこぼしちゃったから、エプロンしていて正解だったんだろうけど。
僕がこぼしたのを見て、微笑ましいって顔で見ないでほしい。
軽食を食べた後、ちょっと休憩をして馬車に乗り込んだ。
この世界は魔法があるからワープとか出来るのかと思ったけれど、そんな魔法は無いみたい。空も飛べない。そういえば風の魔法もあるって聞かないから無いのかもしれない。
馬車に乗って暫くしたら止まった。どうやら着いたみたい。意外と遠かった。2時間くらいかかったんじゃないだろうか?だからお昼過ぎから会うことになったのかな?
まずはアルデビルド様のお父さんが降りて、お母さんをエスコートしてる。アルデビルド様が降りた後、僕も馬車から降りた。僕は女の人じゃないから一人で馬車から降りれる。アルデビルド様、残念そうな顔をしないでください。
目の前にあるお城を見て、僕はため息をついた。灰を被ったお姫様がやって来たお城のようだ。お金と時間がかかっていそう。うっすらと青みがかかっていて、とっても幻想的だ。
このお城の中に入るのか。
ごくりと唾を飲み込んで、僕は無意識の内に隣にいたアルデビルド様の手を握った。アルデビルド様は振り払うでもなく、逆にギュッと握ってくれて歩き出した。
お城の中に入ると、そこは別世界でした。アルデビルド様の家も大きくって綺麗だったけれど、お城はその上を行く。天井が高い。広い、デカい。
これは迷子になる自信がある。というか迷子になったら生きて出ることはできるだろうか?それくらい大きいのだ。
アルデビルド様の手を絶対に離さないと心に決めて、案内してくれるメイドさんの後を僕たちは付いていく。メイドさんは綺麗な若い女の人だ。ウェルスタイ様よりも少し薄い緑の髪をしている。
廊下のいたる所に警備の騎士たちが立っている。セキュリティーは万全のようだ。
アルデビルド様の手をギュッと握ってちょっとビクビクしながら歩いている僕を見て、和やかな顔をして微笑まないで頂きたい。
職務を全うして、凛々しい顔でいて欲しい。じゃないと僕が恥ずかしいじゃないですか!
長い廊下を歩いて、大きな扉の前に着いた。どうやらここに王様がいるみたい。メイドさんが下がって行って、扉の前に騎士が2人立っている。
そしてその扉は2人の騎士の手によって開けられた。




