↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリスタルの記憶  作者: 遊人
第8章 意志を継ぎし者
97/487

第097話 パスティア平原の戦い(その10:敗れた者)

■クリスタニア大陸 パスティア平原 ビクター・アクセル将軍


 一瞬の出来事だった。魔人の辺りから大きい爆発が発生した事から魔人が我々を巻き込んで自爆したのではないかと思った。だが、現実に魔人は存在するし、前より威圧が弱い事から強さも落ちているだろう。だが、我々が与えたダメージは回復している。足が6本中2本無くなっていても、我々が敗北したとこは必至の状況になっていた。私は回復をすべくレストレーション2を使った。周りを見るとロックス将軍とセレーナ将軍が倒れていた。ガルシア将軍は辛うじて体制を維持してはいるが、もはやここにいる4人はほぼ戦える状況ではない事は明白だった。


 魔人は、思った以上に強い存在だった。我々は中盤から最後の最後まで自分たちの勝利を信じて疑わなかった。だが、その希望も一瞬で吹き飛ばされた。魔人を見ると、魔人は我々が戦えない状況だけを見ると我々には見向きもしなかった。相手はアルフォード君を倒す事しか考えていないのだろう。アルフォード君が戦っている間に我々も体制を整えなければならない。体力を回復し、戦えなければ撤退を出来るくらいの準備をしなければならない。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 ガルシア・アルタイル将軍


 私は、セレーナの傍に急いで動いていき、回復魔法を使った。セレーナはヒートラリアットが魔人の足元に炸裂している最中に爆発に巻き込まれて飛ばされている。間近で攻撃を受けた事でダメージは深刻な状況になっていた。しかし、何とか回復魔法が聞いたのか回復に向けた状況になった。良かった…周りを見るとビクター将軍はロックス将軍を回復している。そして、この4人以外のダグラスさんとアルフォード君を見た。あの爆破の最中に敵の攻撃を受けて遥か彼方に飛ばされた事からダメージはこちらの比ではないだろう。


 そして、魔人はこちらに向かわずに彼らの方に向かった。もはや我々より絶望的だ。ダグラスさんは地に伏せている状況から動かない。アルフォード君は立ち上がって戦うために肩に手を当てて何かをしている。このままでは彼が死んでしまう。しかし、もう戦える状況ではなかった。俺やセレーナ、そしてロックス将軍はかなりの時間を超越者になっている。超越者になれる時間も少ないだろう。いや…このダメージの状況から超越者になれるのは俺とビクター将軍だけだろう。


「セレーナ大丈夫か…おい、しっかりしろ…」


「うぅ…」


「おい、しっかりしろ…目を覚ませ…」


「うぅぅう…ガ…ガルシア…」


「目が覚めたか…とりあえず、ビクター将軍の傍に行って指示を仰ごう。」


「うん…分かったわ。それにしても何が起こったの…」


「分からない。突然の爆発だったから…気が付けばこの有様さ…」


「魔人は…」


「……アルフォード君の傍に向かったよ。厳しい状況だ…」


「負けたんだね…」


「まだ、諦めるな!彼はまだ戦おうとしている。我々は敗れたが、彼はまだ折れてはいない。後は彼の足を引っ張らないようにしなければならない。今は合流して、今後の事をビクター将軍と話し合う事が先決だ。」


■クリスタニア大陸 パスティア平原 ビクター・アクセル将軍


 ロックス将軍の傍で回復を行っている。そして、ロックスは目を覚ました。そこにガルシア将軍とセレーナ将軍が合流した。


「ビクター将軍…この後はどうしますか。」


「彼の提案は撤退する事だった。ある程度戦って決めようという事だったが…撤退しよう。今はそれしかあるまい。ガルシア、セレーナ、ロックスは撤退しろ。」


「ビクター将軍は…」


「私はここでお前たちの撤退のサポートをする。それにダグラスやアルフォード君を残しては帰れまい…元をただせば、我々がここで戦端を開いたのだ。私は、地形を見たときに基地の周りで戦えば有利になると考えていた。そして、魔人の砦付近で戦えば、こちらに不利になると考えたのだ。そして、両者に不利も無く、妥協できる場所としてこの平原での戦いを選んだ。今にして思えば、我々は考えなしだった。少しでも、こちらの有利になるように努力すべきだったのだ。そして、魔人は我々を自身満々で出迎えた事から我々はこの事態を少しでも予測しなければならなかった。その責任を彼に押し付けたままには出来ない。ロックハルトの将軍にも面子がある。まあ、この面子のせいで彼には苦労かける事になったのだからな。」



「しかし…それでは…」


「そう言うな、ガルシア将軍。君たちはまだこれからだ。我々が守らなければならないのはクリスタニア大陸の平和だ。この戦いで君たちは何かを掴んだ筈だ。我々がここで全滅すれば、それが全て無駄になってしまう。他の5人の超越者に伝える事も立派な仕事だ。それに、今後は君たちが王都の防衛もしなければならないのだ。ここで楽になれば、君たちに責任を押し付ける事になる。すまない…」


「……分かりました。撤退します。アルフォード君とダグラスさんの事を頼みます。我々はあの森に撤退して、この戦いを見守りたいと思います。」


「承知した。」


「ビクター将軍…ご武運を…」


 こうして、我々は撤退する事になった。そして、避難した森の中で彼の戦いを見る事になった。その戦いを一言でいえば衝撃だと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。