第094話 パスティア平原の戦い(その7:波状攻撃)
■クリスタニア大陸 パスティア平原 ガルシア・アルタイル将軍
俺は、超越者になり、雷属性のシールドブラスターを持っている。キャノンを出す攻撃と錨を発射して、その鎖が付いた錨から電撃を入れて敵の動きを止める武器なのだが、敵は雷属性に耐性がある。そのため、このクリスタルファングの効果は高くないだろう。だが、この戦いをしている中で、俺より遙かに優秀な冒険者を発見した。アルフォード・ウィンザーという青年だ。彼は光属性を使えるし、長距離から魔人に攻撃が出来るクリスタルファングの他、防御のクリスタルファングを持っている。彼に攻撃するチャンスを作る事が俺の仕事だろう。それが出来れば限りなく勝利に繋がるだろう。
俺はセレーナを見た。彼女も頷いている。俺たちは同じ戦士団で戦ってきた。ここの連携は問題ない。俺は、シールドブラスターで、耐性の無いサイクロンを発動した。しかし、ファングの属性と違うため増幅などの効果は無い。そのため、相手の翼から巻き起こった風圧で相殺された。
■クリスタニア大陸 パスティア平原 セレーナ・ロックウェル将軍
ガルシアと同時に私も超越者になった。私の出したクリスタルファングは火属性の炎車輪剣という火属性のファングだ。敵には火属性の耐性があるため、火属性を発生した攻撃は出来ない。私は、炎車輪剣に刃を出して魔人に投げた。この剣は囮だ…本当の狙いはもう一つの炎車輪剣の攻撃をする事だ。これで、敵の足を切断出来ればと考えた。
魔人は、私の炎車輪剣を防ぐために口から火炎を放ち、炎車輪剣を迎撃してきた。口から出す攻撃のため、私自身から一度目を離さなければならない事を利用して、腕の嵌めた炎車輪剣を高速回転させた。火は出せないが、私の必殺技であるヒートラリアットを高速で移動しながら左側の真ん中の足に炸裂させた。
ヒートラリアットは、敵左側の真ん中の足に炸裂している。そして、ヒィインンという回転音と伴に足の肉を削ぎ落していった。火属性さえ発動出来れば切断出来るのに…
敵も足の痛みで、私の存在に気付いたのか。足を振って私を振り飛ばした。私は吹っ飛びながらも上手く着地してもう一つの炎車輪剣を回収する。
後は、アルフォード君に期待するしかない。彼が仲間に入った時からこちらの連携が出来るようになった。防御のファングを持っている事や光の属性を使える事で、相手の暗黒雷光に対応する事が出来るからだ。その事が我々に躊躇していた気持ちを払拭させたのだと思う。
■クリスタニア大陸 パスティア平原 ガルシア・アルタイル将軍
俺に再びチャンスが訪れた。セレーナが上手く敵の目をそらしている。彼はアルフォード君を見た。何かを準備している。そして、彼は幻覚を見せている。技を決めるためには色々な工夫が必要だ。そういう所は見習わなければならないだろう。彼の技をサポートするにはもう一撃与えた方が良いだろう。
俺は、シールドブラスターから錨を発射して足に突き刺した。よし、これでいいだろう。その後に、敵の黒い稲妻が俺を襲う。この盾は雷属性だから防げると思っていたが、闇属性の付与がある雷は防げなかった。その衝撃で俺は後ろに飛ばされた。そして、飛ばされているさなかに赤と黄色のフェザーが俺に突き刺さった。しかし、俺は仕事をしたのだ。アルフォード君を見て親指を立てた。後は任せたぞ…
■クリスタニア大陸 パスティア平原 アルフォード・ウィンザー
ガルシアさんの懸命なサポートのお蔭で、相手の意識を完全に逸らす事に成功した。今がチャンスだ。僕は魔人の右側面に向けてパーティクルプリズムを発射した。
『行け!光の躍動 パーティクルプリズム』
幻影からも光が放たれる。そして、魔人の右側面にパーティクルプリズムが炸裂して、腹に穴が穿った。更に右側の真ん中と後ろ脚が引き千切れた。
『アルフォードです。ビクター将軍にダグラスさん。相手の足にあるクリスタルが分離しました。魔法の耐性を調べて下さい。』
「ビクター。了解した。」「ダグラス。分かった。」
ビクター将軍とダグラスさんは、下級魔法で火・土・雷・水を使ったところ、火と雷に耐性が無い事が判明した。
僕は、最初にガルシアさんの所に行き、ホーリーとレストレーション2を唱えた。ガルシアさんの回復を行うとガルシアさんが僕の肩を叩いた。
僕は、クリスタルの覇者を見ている。足を2本無くし、肩で息をしている。更に魔人のバトルカウンターで調べると戦闘能力は72,500になっていた。やはり、クリスタルがもたらす恩恵が無くなった。1個のクリスタルが魔人の強さを支えている。先程、水色のクリスタルを融合した時に戦闘能力が15,000程上がった。2つ離れた事やダメージによる戦闘能力の低下が起きている。
「ビクターだ。ここは全員が超越者になり、一気に勝負を掛けるぞ」
全員がその事に同意して、予備役のロックスさんまで超越者になっている。そして、それぞれが自分自身の持てる技で勝負をかけるため、向かって行った。




