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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第8章 意志を継ぎし者
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第090話 パスティア平原の戦い(その3:負の連鎖)

■クリスタニア大陸 パスティア平原 ダグラス・ワイズマン技術指導長


 ロックスは必要に青龍檄で魔人を攻撃している。円の動きを主軸にしならが、時には払ったり、突きを入れたりしているが、敵はそれを巧みに躱す。ロックスがビクター将軍を見た。それを受けて連携攻撃をするようにガルシア将軍に念波を送った。彼は超越者にならずに、水と風の魔法を繰り出す。青龍檄を躱した瞬間を狙い魔人に少しずつダメージを負わせて行く。


 おかしい。なぜ、あやつは余り攻撃を仕掛けて来ないのじゃ。あの暗黒の極炎を吐いたきり、躱してばかりではないか。儂らの力より上の力を持っているのに不自然だ。儂は念波でロックス将軍に距離を取るように話したが、彼は攻撃の手を緩めようとはしなかった。


 魔人は、冷静に我々を分析している。青龍檄の攻撃範囲を見切ったかのように躱している。ロックス将軍はニヤリと口元を緩めたように見えた。青龍檄が円の動きで再び魔人に迫るとその距離を測ったように射程圏外ギリギリまで魔人は距離をとって躱した。すると青龍檄の長さが変化して魔人に襲いかかった。そして、初めて魔人に青龍檄が直撃した。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 サイバート(クリスタニアの覇者:◆◆◆◆)


 必要以上に攻撃を仕掛けてきて、距離感を私に植えつけてから射程距離を変えて攻撃してくるとは、流石は超越者だ。そうでなくてはつまらない。余り調子に乗せておいても厄介になるだけだな。


 俺は特有の暗黒闘気を噴出した。緊張感プレッシャーを放ちながら稲妻を自分自身に直撃させた。ロックスに向かって飛んでいき。俺は黒い闘気をロックスに向けて放った。


 ロックスはその闘気を躱しながら円運動をしつつ青龍檄を繰り出してくる。そしてその檄の攻撃を俺が真面に受けると同時に青龍檄からロックスの体に向かって黒い稲妻が走った。そして、ロックスはうめき声をあげた。


「うわぁああ…」


「上手く躱したつもりが残念だな。暗黒闘気を囮にした暗黒雷光ブラックライトニングだ。」


 ロックスは感電した影響で動きが止まった。ロックスの危機に仲間が動く。しかし、魔人はロックスを一別して、黄色の羽根と赤色の羽根をロックスに刺すと別の者に攻撃を切り替えた。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 ビクター・アクセル将軍


 魔人はあんな芸当も出来るのか。あれでは迂闊に攻撃が出来ない。帯電した状況で攻撃をしたらあの暗黒雷光を貰ってしまう。奴はわざと隙を作ってこちらに攻撃を誘ったのだ。念波でセレーナにロックスの援護に向かわせた。その間の攻撃をガルシアに指示した。更に稲妻が帯電している時は攻撃を控えるように伝えた。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 セレーナ・ロックウェル


 味方の攻撃は歯切れが悪いくらい連携が悪い。それには理由がある。魔人の耐性が基本の魔法である火・水・風・土・雷のうち、火・土・雷の3つがあるからだ。上位魔人になればなるほど耐性が増える。

 私はロックスの傍まできた。黒い稲妻が感電した影響で気を失っているのか反応がない。良く見ると黄色の羽と赤色の羽根がロックスに刺さっており、赤色の羽根からは魔力が漏れ出していた。そして、黄色の羽根の部分から何も出ていないが、黄色の羽根が不気味に光っている。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 サイバート(クリスタニアの覇者:◆◆◆◆)


「どうした。早く助けないで良いのか。私の暗黒雷光ブラックライトニングは、人体に影響がある。早く回復しないと予後に支障が出るぞ…」


 魔人はガルシアの魔法をいなしながらセレーナに話しかけた。そして、身動きが出来ないロックスに第2の攻撃が迫る。魔人の口から暗黒の極炎が放たれた。


 それをセレーナは水属性の魔法であるウォーターカッターで相殺しようとするが、勢いは殺すものの技は相殺されずにロックスに向かってくる。セレーナはロックスに触って移動しようとした瞬間に今度はセレーナに黒い稲妻が襲いかかった。更に勢いを無くしたが暗黒の極炎がロックスとセレーナを襲う。


「きやぁああ」


 今度は、セレーナを一別すると同じように黄色の羽と赤色の羽根を刺した。これが私の戦い方だ。正々堂々などという者もいるが、とんでもない。敵の方が大勢で挑んでくるのだ。それに戦力を削げるときに削いでおかねば、首を取られるのは俺の方だ。これからが私が見せる負の連鎖の始まりだ。お前らは希望を見いだせずに俺に殺されるのだ。


「これで2人目だ…どうした。早く助けないのか。ちょっと拍子抜けだな…ハッハッハ」


 平原に俺の声だけが木霊した。


■クリスタニア大陸 パスティア平原 ビクター・アクセル将軍


 何と言う事だ。あの黄色の羽根を触ると暗黒雷光ブラックライトニングが発動するようになっている。これでは迂闊に近づけない。如何すれば良いのか。仲間を助けに行けば魔人は執拗以上にその部分を攻撃してくる。このままではセレーナと同じになってしまう。ロックスが戦っていた時は何とかなるかと思ったが、予想以上に戦いが難しい。我々のフォーメーションも悪い。ダグラス殿の守備が生きていない。彼にはガードは難しいのだろう。このままではやられる。しかし、このまま撤退すれば、ロックスとセレーナの救出は難しい。彼らに触れないのだから…私はダグラス殿とガルシア将軍を見たが、彼らも打つ手なしという状況になっていた。

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