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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第7章 クリスタルの記憶―晴天の霹靂編―
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第086話 記憶の間(その15:灰色クリスタルの秘密)

■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)


 僕は、この研究室で、これまでの話を検証して貰っていた。そして、先程の話の中で分からなかった事を聞いた。魔人のもつコアクリスタルの回収する理由だ。現場に放置してはいけないだろうか。


コアクリスタルは新たに作る事が出来ないという事ですが、回収しないと問題が有るのでしょうか。』


「……組織の者に回収されてしまう。だから、魔人を倒したら、クリスタルの聖域に持ってくる。その中で保管するか……」


『保管するのですか。』


「うむ。保管するか…破砕するかだ。」


『壊すのですか。如何してそうするのでしょうか。』


「まず、魔人の事を知って貰わねばならない。魔人の存在は冒険者と変わらない。ただし、希望石を融合しても強くはならない。そこが冒険者と違うところだ。では、コアクリスタルを回収しないと敵の組織に回収される事について説明しておこう。まず、魔人が死ぬと、魔人には冒険者と形は違えどインテリジェンスカードが中に入っている。そうすると死んだ場所を教えるようになっている。その時に戦いで敗れればその時の戦闘データと一緒に登録した場所に転送されるのだ。そうして、コアクリスタルの回収する者が現れる仕組みになっている。回収されたコアクリスタルは、時間が経つと復元するのだ。それにはある程度の時間が必要だが、1月あれば10分位は活動が出来るようになる。そして、その時に魔法を使えば痕跡を残さずに去る事が出来るという事だ。」


『そうなんですか。それで、戦士団はコアクリスタルを回収するのですね。』


「そして、魔人を討伐した者は、このコアクリスタルを冒険者ギルドに持っていくと希望石と報酬に替えるのだが、このコアクリスタルを我々が買い取っているという訳だ。本来なら直接持ってきてくれればありがたいが、こうしないと我々の素性がばれてしまう。更に、面倒だが報酬で冒険者ギルドに依頼として出すという事をしているのだ。そうする事で、全大陸からコアクリスタルが集まるようになっている。しかし、敵もこのコアクリスタルの回収に躍起になっているから、我々より高いお金で取引をしている場合があるようだ。だが、所詮は闇の者だ…裏切れば高い報酬を払う事になる。奴らは、痕跡を嫌うし情報を持っている者がいつ裏切るか疑心暗鬼になっている。そうなれば、奴らの行動は一つだろう。まあ、長く保管すれば殺される危険性もあるから買い手があればすぐにでも売る。それに…」


『それに……?』


「冒険者にとって我々が買う事はメリットが大きいという事だ。一つ目として、魔人が再生する事は無い。倒せば、倒すほど平和に繋がる。まあ、中には冒険者というのは敵がいて初めて職業として成立つという考えから狩りつくす事に抵抗があるという者もいるがね。二つ目として、討伐した時の戦闘データを取られているから次に戦う時に対応される結果になりかねない。それに魔人が進化すれば厄介な存在になる事は間違いないからね。」


『進化ですか。進化とはどういうものなのです。』


 そういうと、お祖父さんは僕に分かるように魔人の強さについて教えてくれた。


 魔人には、下級、中級、上級、最強という4ランクが存在している。下級魔人とは、クリスタルを2個以内の魔人だ。中級魔人とは、3個~4個、上級は5個~6個、そして最強魔人は7個以上だ。そして、魔人には3形態の状況がある。通常・最終形態・暴走状態の3形態だ。


 魔人には各個体によって耐性を持つものが多い。灰色のクリスタルに耐性魔法を受けると暴走状態になるが、暴走状態になったコアクリスタルはもう通常の灰色のクリスタルに戻る事は出来なくなる。灰色のクリスタルは何個もクリスタルの融合が出来るのに対して暴走状態になれば、それが出来ないばかりではない討伐されれば復活も出来ないのだ。だから魔人は命の危険を感じなければ最終手段の暴走は行わないのだ。


 そして、進化の過程を踏むのに暴走したクリスタルを灰色のクリスタルで融合すると複数のクリスタルを持つ事になる。増えれば増えるほど肉体は強化され、更に耐性が増えるとされている。


「という訳だ。」


『分かりました。そして、この基地の役割も分かりました。この中は安全という訳ですね。』


「いや、完全に安全という訳では無い。この聖域は、魔人の活動を無効化できる。しかし、冒険者は入れるからだ。ここに入れるのは信頼ある者だけだ。それに、敵にも冒険者の技術を持っているし、相手の総帥もどこかのクリスタルの中に聖域を作っているはずだ。まあ、我々はコアクリスタルを入手すれば、直ぐに破砕してしまうから問題は無い。」


■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(15歳)


 そういう事か。僕がこの事を知っていればライアン支部長は死ぬ事は無かった。でも、なぜ、支部長はコアクリスタルの危険性を知らなかったのだろうか。いや、クリスタニアは、戦闘としてはそんなに重要な場所ではない地域なのかもしれない。魔物も弱いし、魔人については後1体だ……?まずい。魔人は自力で基地に帰ったとすれば、魔人は復活するかもしれない。急いでその事を教えなければならないだろう。僕は再び気まぐれの女神に覚醒を依頼した。でも、僕はこの後の事も気になったんだ。

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