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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第7章 クリスタルの記憶―晴天の霹靂編―
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第085話 記憶の間(その14:論理)

■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)


 僕は、お祖父さんに連れられて研究施設の中で希望石の研究する場所に行った。この中には天使の目で働いていたと思われる研究者が何人もいる。そして、お祖父さんは僕にこう説明した。


 我々は考えた魔人・魔物・冒険者等の必要性だ。我々は、冒険者というのは、魔物や魔人を討伐する存在だと思っていた。でも研究が進むにつれて、それが果たして本当なのかと疑問を感じたのだ。まず、魔物や魔人を天使の目が作ったとすれば、その力を制御する力が必要になる。それが無ければ研究者は常に危険に晒されるからだ。つまりは、秩序を保つには力が必要だ。その力が無ければ秩序は保たれない。


 そう考えると①魔物⇒②魔人⇒③冒険者という順序で研究をするのは危険だと思う。自然に発生したというならこの過程で不自然さは感じないが、魔物と魔人は人口的に作ったとなると不自然だと我々は考えた。人口的であれば③冒険者⇒①魔物⇒②魔人となるか。あるいは、①魔物⇒③冒険者⇒②魔人になるかだ。魔物を作ったが、知能がなく制御が出来なかった。だから制御するために③冒険者が必要になったという流れが自然だと考えるのが普通だ。


 今度は研究別に考察した。①クリスタル、②禁術法、③不死と仮定した。①クリスタルの部門は、希望石と魔結晶だが、共に力を得る存在であるが、希望石は自我は残るが直接体内に入れると力のコントロールが出来ないなどの問題があった。魔結晶は、自我を失い力のコントロールも効かないものだった。それは、この研究所でも確認している。天使の目はこの自我を忘れない希望石の研究を主に進めたのだと思う。しかし、永遠の命を得るには冒険者では駄目だった。力や自我は存在するが歳を重ねるという問題がある。しかし、クリスタルの中に意志を封じるという事には成功している。


 次に②の禁術法の事を考えた。冒険者では年齢を取るという問題を解決するには、歳を重ねない方法を考えた。時を感じない存在として、死者に着目したのではないかと考えられた。だからこの天使の目には死者の書という禁術法をまとめた書物があった。しかし、死者の肉体は脆いという欠点があった。それを護符でエネルギーを入れる事で肉体の維持を図るようになった。そこまでは良かったが死者には知能が無かった。そこで考えられたのが、魔法陣でのコントロールだ。しかし、この考えは上手くいかなかった様だ。この研究室でも実験をしたが、死者を動かすという事には成功した。しかし、知能の部分は駄目だった。人間の脳細胞があまりに難しい構造だったためと思われる。この研究は我々では解明は出来ないと判断した。多分、天使の目も同様だと思う。しかし、傀儡を作るのは問題ないと考えたのだろう。


 そして、③の不死又は魔人という分野の研究だ。このデータでは、灰色のクリスタルの生成方法は不明だ。この技術を持った研究者がこの組織を裏切ったか。この組織に絶望したかは分からないが消息を絶ったと記述がある。この灰色のクリスタルについては、希望石(白)と魔結晶(黒)と何かを混ぜる事でコアクリスタル(灰)になるという事だけは分かっている。しかし、この成分の配合とそのもう一つが不明なため新たにコアクリスタルは出来ないのではないかと我々は考えた。だから、魔人を倒した後に冒険者はこの灰色のコアクリスタルを回収していると考えている。使い捨てが出来ないものだ。


 冒険者は年齢を取るし、魔物は知能がないという欠点がある。それらをカバーするために生み出されたのが魔人という存在だと我々は結論づけた。そして、魔物と冒険者を掛け合わせる事で、魔物のメリットと冒険者のメリットを残す事に成功した。知能を取り入れるために人間を掛け合わせるという方法が取られた。だから魔人には人間の肉体の一部があるのではないか。そして、この考えを払しょくするために、当時の事を書物では研究者に犠牲者が出たという事にして、失踪させたのではないかと考えられる。


 だから私は3つ目の研究を不死と考えた。魔人=不死ととらえたのだ。その考えは間違えているとは思えない。我々が再現しながら解明をしているのは、その論理ロジックが正しいかを判断するためだ。


『質問があります。』


「何かね。」


『クリスタルの中に意志を封じるというのはどういう事なのでしょうか。』


 そうするとグラディさんは、エリシオさんを見た。そして、エリシオさんが頷く。


「我々は、君にこの事を話すのか躊躇っている。エリシオも言ったと思うが、力を受ける方法があるが、その方法と密接な関係がある。今は、我々は君にこの方法を試す事に戸惑いがある。君の中の力が目覚めてから行うつもりだ。もう少しまってほしい。」


『分かりました。』


「すまないな。」


■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(15歳)


 不死の肉体か…僕のお祖父さんの理屈は何となく分かる。秩序を保つには力が必要だという考え方は危険な考え方だ。そして、この天使の目が全ての元凶である事は間違いない。僕の2Pしか書いてない日記には、しがらみのある魔人と魔物との戦いの歴史もこの戦いが終われば終焉となると書かれていた。多分、この戦いで僕と戦う相手はこの組織の総帥なのだろう……それも後7年の間に分かるはずだ…

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