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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第7章 クリスタルの記憶―晴天の霹靂編―
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第082話 記憶の間(その11:点と線)

■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)


 儂は、グラディ・クライベルに事情を聞いた。それには、彼は全てを知っている訳ではないと答えたが、自分の研究する希望石の技術は冒険者ギルドと同じだと言った。更に、同じ部署で魔結晶の技術も研究しているという事だった。そして、天使の目は、残り2つの部署がある。


 一つは、技と武器の開発する部署で、我々の黒い魔法衣、特殊な指輪、そして、ゼクス・ウィンザーが使っている剣等の開発を行っている。当然であるが、この研究で得た武器を我々も使った。ここの装備は有意義なものばかりだった。そして、武器の研究と共に研究されたのが、武器と魔法の応用だった。


 残りの部署は何をやっているのだとグラディ・クライベルに迫ると、この研究する部署には我々も関知出来なかったと言った。しかし、この部署に魔人から出たコアクリスタルを渡している事から魔人と魔物の研究だと想像できると話した。そこで、我々はグラディに同じ魔人が活動している事を話すと彼は驚愕していた。その事からも我々は彼が真実を知らないと思った。


 一方で、この時にフェリックスとローラは恋仲にあった。そして、ローラはクリスタルの技術を研究する優秀な研究員になっていた。そして、グラディの研究の成果とローラの研究の成果は、冒険者の強さを次のステージに進めさせる技術だった。


『冒険者の強さを次のステージにするというのは……』


「今は、話せないのだ。それはお前にも関係する事だからだ。お前自身がその道に進む覚悟が出来たら話すよ。それまでは話せない。」


『分かりました。その力を得れば僕は強くなるのでしょうか。』


「強くなる。」


『超越者になれるでしょうか。』


「なれるよ。超越者だけでは魔人に対抗するには弱いのだ。我々は超越者の次のステージに行かねばならない。その力を得るには、今までの戦いの経験を生かさなければならない。それが出来る存在になる事だ。」


『師匠は、その力を持っているのでしょうか。』


「儂も持っているが、儂の力ではダメだった。言い方が難しいな。私が受けた力が弱かったのだよ。でも、儂の意志を継ぐ者は強くなれると信じておる。」


『意志を継ぐ者ですか。』


「ああ。」


 その後の事を話そう。我々は、この事実を知ったことからこの組織から離れる事を決めた。我々の望みを阻害する組織だったからだ。儂らは、イーグル・スピリットのメンバーとその家族で逃げる事を決めた。

 しかし、メンバーの中でフェリックスが反対したのだ。彼にはローラがいたからだ。そこで、フェリックスはこの事をローラに話した。ローラはこの天使の目の事実を知り落胆した。そして、ローラの父と共にこの組織から離れたのだ。今までの研究データや技に関する知識。それに幾つかのクリスタルを持って逃げたのだ。


『僕の家族は人里離れた場所にいました。それとこれとは関係があるのでしょうか。』


「ある。我々の逃亡生活は限りないほど厳しいものになった。子供は幼いし、妻は戦いとは無縁だったからの。儂の妻は逃亡生活中に過労でな…我々はあの研究所のデータを複製して持っている。そして、追われるリスクを分散するために離れ離れになったのだ。」


『イーグル・スピリットの人たちは生きているのでしょうか。』


「……難しい質問をするの…生身の人間として生きているのは儂だけだ。そういう答えになる。」


『言っている意味が分かりません。』


「そうだろうな。我々が死んだらどうなるかを先ほど話しただろう。」


『クリスタルになるという事ですか…まさか』


「そのまさかだよ。」


■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(15歳)


 僕の師匠の話は驚きの連続だった。僕は天使の目は、希望石と魔結晶の研究に灰色のクリスタルの研究をしているのかと思った。でもどうやら違うようだ。希望石と魔結晶は同じ場所で研究されていた。そして、あの黒い竜に施された護符や魔法陣、そして自爆などを2つ目の組織で研究していた。3つ目の研究は謎だったが、恐らく推察の通りだろう。それにしても、超越者には次のステージが存在するという言葉には驚きた。一体どうすれば今の状況より強くなるのだろうか。


 でも、今まで分からなかった事が少し分かった。天使の目が母さんから受け取ったデータはこの研究データだった。そして、物を要求したのはクリスタルという事になる。そして、僕や兄さんには持ち出されたクリスタルを入れた。エリシオさんは言った。私の受けた力は弱かったと…。僕のクリスタルは濃い青という事だった。黒に近づけば近づくほど能力に反映するというグレース先生の言葉を思い出した。


 もしかしたら、僕の兄さんはこの持ち出されたクリスタルに拒絶反応があったのかもしれない。強すぎる力に自分で自分を攻撃しているというエリオットの医師の言葉から、僕の兄に施されたクリスタルは僕より優れたものだったのだろう。そして、当然であるが、僕の一番上の兄にも同様のクリスタルが施された。だから一つは回収したという表現を使ったのだろう。


 そして、イーグル・スピリットが消息をたった理由も明らかになった。今までの謎が点と線で結ばれて行く瞬間だった。でも僕の師匠は、冒険者の次のステージに行くことを教えてくれなかったのだろうか…

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