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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第7章 クリスタルの記憶―晴天の霹靂編―
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第081話 記憶の間(その10:若かりし頃)

■クリスタルの記憶 アルフォード・ウィンザー(8歳)


 僕は、師匠であるエリシオ・ガドーさんとこの基地で戦っている組織について聞いている。僕が5歳の時に聞いた時には、その謎に迫っているということだった。


「まず、何から話そうか。敵と言ったね。敵は、天使の目という組織だよ。」


『天使の目…?もしかして、こんなマークが書かれた人たちではありませんか。』


「そうじゃ。このマークだよ。お前さんは知っているのか。」


『はい。僕の家族はこの組織に殺されたのです。』


「そうか。ローラを狙ったのじゃな。」


『……敵の組織の人間は母と話していました。裏切ったと…』


「そうか。私の事を話そう。」


 私は、今から30年前にユーレリア大陸に来た。儂が15歳の時だ。理由は力を得るためだった。その頃は魔物や魔人に蹂躙される存在だった人間にも希望があった。冒険者登録だ。その頃は、今のように学園や学校という所はなかった。だから冒険者登録できる者も少なかったのだ。そう、選ばれた人間しか冒険者になれなかったのだ。そして、集められた者の中で身体能力の高いものが選ばれた。儂はそこで、イーグル・スピリットのメンバーであるゼクス・ウィンザーやアレックス・ジャスパーそしてアルス・カートライズと出会った。そして、ゼクスの兄弟子でもあるアルタイドといったか。その人とも出会ったよ。


 当時は、冒険者登録できる組織は二つあった。一つは冒険者ギルドだ。そしてもう一つは天使の目だった。おれたちは冒険者ギルドではないもう一つの組織である天使の目を選んだのには理由があった。その当時の活躍していた冒険者は殆どが天使の目に属していたからだ。しかし、その天使の目には良からぬ噂がったのも事実だ。冒険者ギルドができる前はこの組織しかなかった。しかし、その組織は強さを求めるために多くの犠牲を出している。しかし、その組織は今までに無い多くの技を持っていた。


 我々は、皆が高い志を持っていた。魔人を倒しこの世界に平和をもたらすという夢を持っていたのだ。そして、そのためなら力を得られる組織の方が良いと考えたのだよ。そうして、我々は闇の組織である天使の目に属したのだ。それから我々は冒険者だけを集められ、いろいろな体験をさせられた。戦いの日々になったのは言うまでもない。身体の検査も良くさせられたものだ。しかし、冒険者になったからと言ってすぐに強くなるわけではない。強くなるには希望石の融合が必要だった。しかし、そう簡単に希望石は手に入らない。苦悩の日々が続いた。そして、我々はそこで出会ったのだよ。お前の母親ローラの父にな。


 ローラの父は、天使の目で研究をしていた。そして、彼はこの組織で希望石の研究を任された主任研究員だったのだ。我々は強さを得たかった。そして、彼は他の部署の研究に負けたくなかった。その事が、我々の思惑が一つになった瞬間だったのだろう。彼との契約は、我々が死んだ場合のクリスタルの提供だった。冒険者の中にはクリスタルが残っている。この残った優秀なクリスタルを補完して、次の世代に強戦士を作るというプロジェクトだった。それだけなら我々もこの天使の目から抜ける事はしない。それにこの条件を飲む事で希望石を多く貰っている。それによってレベルが飛躍的に上がった。そして、この天使の目に所属する戦士団のNO1になった事で、武器や防具の開発したものを優先で受ける事ができたのだ。更に冒険者と魔人の戦いの記録から弱点を教わる等の優遇を受けたのだ。


 この状況が20年は続いた。我々にとってこの20年は幸せの絶頂じゃった。多くの旅をして、魔人の危機から多くの街を救った。天使の目からその度にコアクリスタルや魔人の戦闘データを要求された。そして、我々にも戦いの助言や新しい技などの提供を受けていた。しかし、この頃から現れる魔人は日々強くなっていった。魔人が進化し始めたのじゃ。強さも通常状態・最終形態・暴走状態もしばしばみるようになった。更にこちらの技にも的確に対応する魔人が出てきた。


 そして、我々もこの20年で大きな変化があった。我々も結婚して子供が出来たのだ。ゼクスにはフェリックスという子がいた。彼の子は才能が豊かだったよ。彼が成長していく段階で我々と同じ戦士団で戦うようになった。儂にもエリックが生まれたよ。それぞれが守る者を得た。そして、我々には次の世代に我々の意志を継ぐ者が出来た。後は魔人や魔物を倒して、この世界を平和にすることだけが我々の望みだったのだ。


 しかし、ここで思いがけない事が起きたのだ。倒せど、倒せど魔人は減らなかった。それどころか、天使の目に所属していた冒険者は減り続けた。冒険者の進化より、魔人の進化が早かったのも事実だが、事はそれだけではない。倒しは魔人が復活していたのだ。そして、倒された魔人は私たちとは違う戦士団と戦っていた。これには我々もローラの父であるグラディ・クライベルを問い詰めた。そして、彼からこの天使の目で行われている研究内容を聞く事になったのだ。

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