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クリスタルの記憶  作者: 遊人
第7章 クリスタルの記憶―晴天の霹靂編―
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第078話 天使の目(エンジェルアイズ)

■クリスタニア大陸 王都ロックハルト 行政府 会議室 オーベルト・シュタイン歴史学者


 皆さんも、冒険者の心得という本は、1度位は手に取っていると思います。その中に200年前に起こった地殻変動により、クリスタルが突然に輝きを増したと言われている。その輝きをある研究者はクリスタルの暴走ではないかという説を唱える者がいました。その暴走が始まってから1年も経たないうちに魔物と魔人が現れたと記述が残っています。


 天使の目という組織は200年前に既にあった組織です。組織があった場所はユーレリア大陸と言われています。そして、魔人が最初に確認された地もユーレリア大陸でした。そして、天使の目は宗教的な組織だったのです。当時の国々は、魔物や魔人に対抗する術を持っていなかった。そのため、国は安全を保障が出来ない事から国民の目を逸らす必要があった。そこで国が目を付けたのが天使の目だったのです。


 彼らは、人類の滅亡を阻止する組織という思想があった。その思想を国が利用する形で、天使の目の活動を支援したとされています。当時、魔物や魔人に人間は対抗出来なかった。でも、この宗教の信徒になった者は、不思議と襲われなかったという逸話があります。そして、魔物と魔物が争って、同士討ちになった時に得た黒い結晶と白く輝く結晶を最初に国の機関として手に入れた組織でもある。


 それから、彼らの教えは悪しき方向に舵を切ったとされました。現在は、冒険者ギルドが冒険者登録を行っていますので、その行為は安全性を含めて問題ありません。しかし、当時はその研究のために多くの犠牲が出たという事です。この組織が行った行為は、人間進化を即す為として行われました。つまりは人体実験です。現在は、魔結晶は体に悪しき影響が出るとして、人体の融合は法律で禁じられています。


 それでも、当時は人体に魔結晶を融合した。他にも、希望石を直接人体に融合しました。希望石も体に直接いれると悪い影響があったのですが、この希望石は自我を損なう事が無かった。そのため、力をどのような形で取り込む事が出来るかの研究を冒険者ギルドが後に引き継いだのです。そして、クリスタルに力を入れる事で、悪い影響を取り除いたのです。


 一方、天使の眼の行為は常軌を逸した行動を国民が非難し始めました。そして、その事態を国は重く受け止め秘密裏に組織を解体したのです。解体と言っても総てを切り捨てた訳ではありません。当時の文献によれば、この組織は3つの研究していた。そして、その内の希望石の分野だけを残したのです。その残った部分が冒険者ギルドとなったのです。そして、現在の国と冒険者ギルドが共同する基礎がこの時に出来たとされています。


 それでは、残りの分野はというと弾圧され、迫害されながらも彼らの組織は闇で存在し続けました。そして、彼らは、人を攫って記録を取り続けたのです。最初に魔結晶を融合した人間は、自分では制御できない力を得たと言うことです。しかし、自分自身の人格を失う事になって、その力が暴走したのです。攻撃は肉体を壊してもお構いなしでした。魔結晶を受けた者が止まる事は死ぬまで無かったのです。そして、暴走した力を止める術を研究者も持っていませんでした。この時の実験では、組織の研究者もかなりの死者を出したそうです。


 現在は、このように、この組織の事が文献で残っておりますが、3つの研究のうち、2つは希望石と魔結晶という事は分かっておりますが、残り1つの分野は明確には分かっておりません。一説によると、人体実験のデータから肉体の改造をするための組織ではないかと言われています。


「その後の事は分からないのか。」


「それが…」


「どうかしたのか。」


「5年前に、ユーレリア大陸の山間部で大規模な爆発が起こりました。その爆発が起きた施設に、この天使の目のマークがありました。そして、爆発の中で、書物は殆ど燃えてしまったのですが、損傷が酷いながらも3つの本から断片的に見つかった絵があります。希望石でも魔結晶でも無いクリスタルの絵でした。それがこれです。」



『そ…それは……。』


 僕の声に宰相が反応をした。


「アルフォード君は何かを知っているのかね。」


『僕は、あの絵と同じクリスタルを見た事があります。」


「何処で見たのか。」


『あの絵と同じクリスタルは、魔人の中にあるコアクリスタルです。灰色のクリスタルでした。』


「もう2つの絵があります。1つは本のタイトルが書かれていました。死者の書というタイトルでした。その中にあるのが、先程の護符の絵です。そして、半分焼けていますが、魔法陣らしい絵が書かれていました。」


 僕は、その時、漠然とした不安に襲われた。すると胸のクリスタルが熱くなったのを感じた。そして、急に胸が苦しくなった。残りの絵を見たとき、僕は更に愕然する事になったんだ…

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